部室(野球ファンのオタ部屋)完成
平穏な休日を過ごし千葉さんの部員を呼び込む作戦は何なのかとワクワクしながら、放課後を楽しみに待った。
部室には千葉さんが先に着いていた見たいだった。
「遅くなりました! 千葉さん」
「よく来たわね鈴木くん! まぁ座りなさい」
「それより、作戦って何ですか?」
子供のように気持ちを昂らさせ千葉さんに食い気味に質問する。
「まぁ、落ち着きなさい」
千葉さんは自信満々な表情を浮かべ、スカートのポケットから一枚の紙を、とり出した。
取り出した紙とはポスターだった。
そのポスターには制服を乱す事なくしっかりと着ている千葉さんが写っている。
そして両サイドに「私と一緒に夢を見ませんか?」と書かれているが……
「これ、どこからどう見ても生徒会の選挙ポスターですよ」
あからさまに、驚く素振りを見せる。
「どうしてポスターなんか?」
「小林さんが言ってたのよ? 大切なのは自身を見せて伝える事って」
俺は頭を片手がボリボリと掻きむしり
「それ、多分……自身を魅せて、話の内容を伝えるって事ですよ!」
「そうだったの!」
「それに……えっとなんて言うか」
「他にまずい所があるの?」
千葉さんには言えないが、多分野球というより、千葉さん目的の人があとを立たなさそうだ、それだと千葉さんの目標は達成されない。
「わかったわ!」
突如、千葉さんは大きな声を上げた。
「何がわかったんですか?」
「聞いた事があるの、人を集めるには少しはだけた方が良いって」
「分かりました! 俺がポスターになるんでその案だけは却下でお願いします」
その翌週俺が写ったポスターが学校中に張り出される事となった……
二週間後の昼休み俺と千葉さんはあの空き教室に居た
「全然来ないわね? 新部員」
「まぁ、仕方がないんじゃないですか?」
「部員集めは置いておくしかないとして……あとは何をさするべきかしら?」
「とりあえず、部室はどこにするんですか?」
何を言っているんだと言わんばかりの表情をして千葉さんは下を指さす
「何言ってるの? 部室はここよ」
「ここなんですか!」
俺の驚いた声が空き教室をこだました。
「そうよ」
千葉さんは冷静に、一言答えて見せる、数秒だろうか静寂があり、また、俺が話し出す
「えっとじゃあ、まだ早いですけど部室の装飾とかじゃないですか?」
「なるほど! ある意味予祝ね!」
「その事はあんまり触れないであげてください」
だが千葉さんは俺の言う事を、聞かず「それなら任せて!」と言い事前に置いておいたのだろう大きな紙袋を取り出した。
「これなんですか?」
紙袋の中身を覗き込もうとする俺に「これは、装飾品の野球グッズよ」と千葉さんは答える。
「なるほど! これを飾るんですね! 手伝います」
「お願いするわ!」
装飾品を紙袋から取り出すと中には、黄色いカンフーバットに、オリオンズの背番号0のユニフォーム、そして3番手捕手のタオルだった。
「オリオンズ、オリオンズ、チーターズってどんな組み合わせですか?」
「一応、ここの地元球団だからよ」
「そこは配慮してたんですね?」
「えぇ、これを飾るとチーターズのファンが入部するかもしれないでしょ?」
そんな話をしていると、ドアがガラガラと勢いよく開いた。
僕と千葉さんは入部希望者かと思い、開いたドアの方向に目をやるが、そこには入部希望者とは言い難い剣幕の女生徒がたっていた。
それは、俺からすれば顔見知りで、千葉さんには誰か分からないであろう俺の幼なじみだった。