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奇策の実りをかけたチャレンジ

野球用語解説あります

平野さんのヒットの後、千葉さんとこっそりと話した折原は集中した顔を浮かべ打席へと入った。

「千葉さん? 折原に何話したんですか?」

俺の隣に座った千葉さんに小声で話しかけると千葉さんはニコッと俺へ笑顔を見せる。

「ただ、折原さんにお互いの思う最適解のすり合わせをしただけよ?」

そう話す千葉さんと折原の答えは初球にて出された。

集中した折原は薮田くんの投球と同時にバットを寝かせボールを3塁側にコツンと転がした。

「セーフティバント!」

バントは素人でも難易度の高い子技だ。そのバントをきっちりと3塁側に転がす技術に俺は野球好きではないは無理だと思った。

ボールを転がした後、折原は一心不乱に一塁へと駆け抜けた。

しかし、風紀委員側も見事なものだ。捕手の会原くんがすかさずボールを取ると一塁へと投げる。

そのプレーはお互いが譲らないとで起きたプレー一塁の塁審はそのプレーに右手をあげた。

「アウト?」

俺の言葉を出すと同時に大村先生と千葉さんがベンチを出て空中に四角を描いた。

主審もそれを認識し、予め用意されていたマイクをサッととる。

「審判の右田です。大村先生からリクエストがありましたので検証します」

『リクエスト中』そう書かれた1枚の紙が解説席に掲げられプレーは中断している。野球場ほど、設備が良くないのは当然で本来ならばリクエストなんてこんな環境では不可能に近い。しかし、ここまで環境を作りリクエストを可能にする千葉さんの努力は凄いものだ。それ故に当然リクエスト映像を観客が見るほどの液晶などあるはずがない。

観客は沈黙を取り呆然と待つことしか出来ないでいた。それは俺達にも言えることだったが。


「なんで千葉さんも大村先生とリクエストしたんですか?」

「一度やってみたかったのよ? 次いつ出来るか分からないじゃない?」

そう笑って答える千葉さん。

「まぁ、未来永劫ないでしょうね? そんな機会は」

俺は苦笑いを浮かべそう返事をすると千葉さんの後ろに座る大村先生に目線が行く。

大村先生も何故か満足気な表情を浮かべ座っていた。

そう、緩りと時間が過ぎると右田さんが現れ再び腕を上げた。

「リクエスト失敗か……」

悔しそうな表情を浮かべる俺がいるベンチに折原が駆け足で戻ってきた。

「残念折原、惜しかったな」

「まぁ、ランナーは進めたし残念じゃないけど」

俺が優しく微笑み話しかけると折原はプイッとそっぽを向く。

「まぁ、仕方がないわ、地面がぬかるんでいたからバントの威力が死んだんでしょうね? グラウンド状況が変わって入ればまた違う結果だったかも知れないけど」

俺と折原の会話に入ってきた千葉さんはそう淡々と話す。

「まぁ、それは結果論だから言っても無駄よ? 後は杉谷くんに任せるしかないじゃない」

「えぇ、そうね?」

楽しく会話していた今までとは違い千葉さんは戦況を見つめる凛々しい表情へと変わった。

(頼むぞ! 杉谷決めてくれ……)




塁審 ホームにいる審判以外の事を指す言葉。頭に〇塁と着く事が普通である。


主審 ゲーム内の審判の長(店長のような物)、主にホームでのストライク・ボールの判定をする事が多い。

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