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1回の裏

野球用語解説あります

俺は再びの打席に立ち千葉さんも三塁へと戻り、試合が始まった。

初球は低めに外れ二球目も変化球がすっぽ抜ける様な形になり、ツーボールノーストライクになるも、三球目も外れた。

多分雨でボールが滑るのと、一度ギアを上げた直後の中断で再びギアを上げるのが上手く言ってないのだと感じる。

四球目は真ん中に一球入れてきて、これでスリーボールワンストライクになるが、五球目も大きく外れ、俺は四球での出塁となった。

だが次のバッターは、演劇部の部長である小林さんだ。

小林さんはもちろん野球の経験などは無いだろう、派手好きな小林さんは、素人にありがちなフルスイングををするだろう、そして素人のフルスイング程当たらない物はない。

この回は点数を取れないだろうそんな覚悟で一塁にいた俺は併殺崩れだとしても、一点は欲しいと、リードを少し大きめに取っていた。

そんな小林さんの打席俺は驚く事になるのだった。何と小林さんは薮田くんがボールを投げた瞬間、フルスイングするのでは無く、バットを寝かせたからだ。

ボールはバットにコツンと当たり、一塁側にボトンと落ちた。

バットを寝かせた瞬間に、ホームへと突っ込んだ千葉さんをタッチする事は出来ず、大きめのリードを取っていたオレは二塁へと悠々間に合った。

だが、スクイズを決めた小林さんは、薮田くんの冷静な判断でアウトにされて、次の武田さんも外野へと打ったがボールを取られ、外野フライでスリーアウトとなった。

「ナイスです! 小林さん」

「えぇ、全くその通りよ」

「でも、派手な事が好きな小林さんがスクイズなんて、すごいなぁ〜」

「いや、あれは失敗だよ! 僕はあの憧れの選手が魅せるバッティングも好きだったんだよ! だけど憧れの選手の様にヒットにはならなかった」

「いいえ、小林さんの活躍はすごいわ、もしもこのまま試合が終われば、小林さんは今日のヒーローよ!」

「本当かい! この僕がヒーロー……」

温かい雰囲気に包まれたベンチは皆の雰囲気も良く、心の何処かでこのまま、試合は進み、勝てるのでは無いかと思い始めていた。


スクイズ バットを寝かしゴロを打ちその間にランナーを返す作戦の1つ

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