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野球部に派遣ですか?

「失礼するよ、我が友人! 千葉麻実」

「鈴木? 中々あたしの実家に来てくれねぇじゃねえか?」

「あの、その言い方だとやっぱり誤解が……」

「千葉さん鈴木君、久しぶりー」

 にぎやかに部室へと入ってきたのは、野球部が俺と千葉さんだけだった時に訪問した、演劇部の人たちだった。

「どうして、小林さんたちがここに来てくれたのかしら?」

「決まっているじゃないか! 我が友人でありながら、演劇部を救ってくれた人に恩返しをするため現れたのさ!」

「あの時は世話になったからな」

「ってちょっと待って、恩返しってどういう事よ?」

「あぁ、そっか折原は知らないんだったな? 実は千葉さん演劇部を作るのに手助けをした事があるんだ」

「なるほどなぁ、それで恩返しか」

「もしも、君たちが良ければだが、どうだい?」

「その、誘いはうれしいのだけれど、私と関係があると、脅してメンバーに引き入れたと思われかねないのよね?」

「その点は、大丈夫さ! 僕たち演劇部は目立ちたがり屋だと思われているだからこそ、それを逆手にとって、しまえば目立ちたいがために野球部側にメンバーとして入ったと思われるだろうからね?」

 ここにいる全員、誰もがその手があったかと思うだろう、俺もその一人でそんな簡単な方法があっただなんてと俺は演劇部に一本取られる形となってしまった。

「さっき、ここにいるメンバーたちに聞いていたのだけれど? 野球経験はあるのかしら?」

「野球経験はねぇんだけどよ? 昔にハンドボールはやってたぞ?」

「僕は、彼のプレーにほれ込んだんだよ?」

「それって、もしかして? 小阪かしら?」

「それは、ないですよ!」

「まぁ、福島が妥当じゃない?」

「そう、その福島だよ! 彼のプレーは人々を魅せて、誰もの目を奪う、そんなプレーを参考に真似をしていた事があるくらいだよ?」

 何かに勝ったように折原は千葉さんと阪田さんを見つめニタァと笑いかけた。

「何でうちも馬鹿にされてん! ていうよりなんかめっさ腹立つ~」

「私はね~、親戚のお兄ちゃんたちが、野球をやっててね? それを教えてもらったくらいだよ?」

「私は、ほとんどやったことがないです」

 この中では一番期待ができそうであり、戦力になりえる存在だったのはラファエルさんだけだった、だが今の俺達にはそんな贅沢は言ってられない、立場であり、名乗り出てくれただけでもとてつもなくありがたい事だった。

「まぁ、でも欲を言うんであれば、後二人くらいはほしいよなぁ~?」

 阪田さんが言った一言は、俺も心の中で思っていた。

「だったら、親戚の子に頼んでみようか?」

「本当にいいの?」

 千葉さんがその提案に一番に食いつき、ぜひお願いをしてくれと言わんばかりにラファエルさんの手を握った。

 ラファエルさんもラファエルさんで、すぐにスマホを取り出し親戚の子に連絡を入れた。

「え〜、残念! でも応援には来てね? 晴れの舞台何だから!」

 電話越しの会話を聞くに好感触と言えそうになかった。

電話を切ったラファエルさんはため息を1つ着く。

「親戚のお兄ちゃん達、その時間には間に合わないんだって……」

一度盛り上がってしまった為か部室にはどんよりとした空気が漂ったが、ラファエルさんは流石だ。

「でも、親戚のお兄ちゃん16時くらいに応援に来てくれるって!」

そんな空気の中、ラファエルさんはすぐに切り替え、明るい顔を俺たちに見せてくれた。

「そうね! これでスタメンは何とかなったのだからね?」

「そうや! そうや! 1歩どころか3歩ぐらい前進したわ!」

「そうですね?」

「それじゃあ、本番まで野球部は本当の野球部になるという事か?」

「まぁ、何とかするしかないよね……」

これでメンバーの問題は解決し後は、合間に練習をして勝負に備えるだけとなった。


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