走れ走れ阪田
いつも、テンションの高い千葉さんしか知らない俺は、いつもとは違い、落ち着いている千葉さんと、二人同じ空間にいる事が、気まずくなり、沈黙が続くそんな中だからこそか俺が風紀委員に入れば、丸く収まるのでは無いかと、考え始める。
俺が辞めれば、俺が代わりになればそんな事ばかり脳裏に浮かび、今の俺は部活をしている気分ではなかった。
「俺、ちょっと行ってきます」
前触れもなく、俺が言い放った、一言に驚きの表情を見せる千葉さんは、俺が荷物をカバンへと詰め込む、様子をポカンと見ていた。
「それじゃあ、ちょっと行ってきます」
「えぇ、気をつけてね?」
千葉さんはそうしかいえなかったのだろう。もしも俺が同じ立場に立たされたのであれば同じ事を言うだろうし、同じ様に少し戸惑うだろう。
だが、俺には、そんな唐突な行動という訳ではなかった。良く言えば踏ん切りがついたとも言えるが単純に俺はこの状況から逃げたかったのだろう、そして何より千葉さんには野球部の夢を諦めて欲しくはなかった。
だからこそ覚悟した俺は、一人風紀委員室へと向かった。
その時うちは、走っとった。風紀委員という学生の手本にならなくては行けないそんな、うちが、走って向かったのは、野球部やった。
野球部のドアの前へと着いたうちは、走ったせいで切らした息を整え、部室のドアを開けた。
その瞬間うちは、もしかすると遅かったんや無いやろかと、焦り、部室に唯一いた、千葉さんに鈴木くんの事を聞いた。
「おい、鈴木くんは何処に行ったんや?」
「ちょっと、行ってくるって言って、何処かに行ってしまった見たいよ?」
何度目かの来訪に淡々と落ち着いて、返事をする千葉さんに、少しイラッとはしたが、千葉さんも状況を知らないだろうと思い、ここはグッと堪え、可能性の高い風紀委員室に行こうとした。
千葉さんに背を向けて、また風紀委員室に向かおうと、すると今度は折原さんと大村先生が歩きながら、こちらへと向かってきた。
先生も折原さんも、うちの顔を見て少し嫌悪感を抱いた様な顔を少しした後、うちの様子が可笑しい事に気がついた。
「っていうか? どうしたのよそんなに血相を変えて」
急いでいた、うちは、一から全部話す程ゆっくりしてる暇は無く、うちは三人にうちの後を着いてくる様に言い、事の顛末を話しながら、風紀委員室へと行くことにした。
「なんか、分からへんかけど、三次さんは鈴木くんが風紀委員に入るんやったら、今回の件不問にするって言い出したんや!」
「それって、何が目的なのよ!」
「分からへん、けどうちは学校の間違いを正す、そんな風紀委員が好きやった! せやけどこんな人身売買の様な事で不正を済ましたくはないんや」
大村先生に教室の事を頼み、うちら、三人は風紀委員室に走りながら、向かう。




