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死球後の空気を思わす部室

「それで、その件なのだけれど、どうなのかしら?」

 本題に入り淡々としゃべる、風紀委員長の三次さんは、どこか少し冷徹な視線で、俺に真意を問いかけた。

「それは……確かに俺はあの日千葉さんに、連れられここまで来ました」

「でしょうね? 私もあなたが千葉さんに抱えられ、この部屋に拉致されるところを目撃していますから」

「それで、監禁の方はどうなの?」

「いえ、確かに、この教室につれてこられましたけど、監禁されたなんて意識は全くないですよ」

「鈴木君には監禁の意識がなくても、形式的には監禁と、とらえられるのよ?」

 三次さんは唯々と、事の事実を述べるそれは、まるで「主審みたいね?」俺が心の中に思っていた事とは、別の事を述べた。

「落ち着いて、いるようだけど? 千葉さん? あなたが今回の事件の被疑者なのよ?」

「えぇ、みたいね」

 俺は内心焦っていたが、千葉さんは全く動じることもなく、落ち着いていた。

「冷静も、何も真実が述べられているだけだもの」

 笑みをチラリと覗かせる、千葉さんと、顔色を一つも変えない三次さん二人は数十秒目線を合わせる。

 その間は、空気が固まり、呼吸すること自体、難しく感じるほどだった。

「今日は、これくらいで帰ってくれないかしら?」

 俺は初めて見る千葉さんの圧力に圧倒されていた、いや俺だけではなく他のこの場面にいる人すべてが、俺と同じく圧倒されているのだろう。

 この数分間、許されたものにしか話せないような、そんな空気感だった。そしてその空気を支配していたのは、俺たちの知らない千葉さんだったがそんな中、その支配を一人抗ったのは三次さんだった。

「まぁ、いいでしょう、今日は突然の来訪だったので心の準備も出来ていなかったでしょうし、今度は誰か事前にアポの方を入れるようにします」

 今回の失敗を自己解析し、謝罪も入れたところで、俺たちに頭を一つ下げて、取り巻きの二人に「そろそろ、お暇しますよ? 田中さん、それに菊池さん」

「はい」

「はい」

 二人は三次さんの声に答えて頭を下げると、三次さんの後ろを遅れる形で付いていき、その日はお開きとなった。


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