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敵からの塩で目処が経つ金銭トレードみたいな話

部室に着くなり早速開始された会議に俺は椅子に腰掛け参加していた。

「さて、誰か意見はあるかしら?」

部長の千葉さんが話し合いを仕切る

「って言うか、アンタは無いわけ?」

顎に手をやり、俯いて考える素振りを見せながら、千葉さんは話し始めた。

「えぇ、私も色々と考えてはいたのだけれど、これと言って、意見が無いのよ」

「まとめると、こんな訳の分からない部活を部活として見てくれる先生でしたよね?」

「後、野球に、そこそこ興味がある人だといいのだけど」

「あたしは、アイツの暴走が少しは緩和するくらいの先生が良いけどね?」

皆の要望を満たす先生は、少なくそもそも、この学校に条件を満たした人はいるのかすら、怪しかった。

「また、来たでー」

何時もの様にドアを勢いよく、開ける音と共に、元気な声が部室に響いた。

「あら、阪田さんいらっしゃい」

「えっ、今なんて?」

「だから、阪田さんいらっしゃいってアイツが言ったのよ! 全く、今忙しいから―――」

「やっと、やっと反応貰えて、名前読んでくれた〜! この部室に来て、一週間やっと、やっとや」

部室の前で喜びに浸る阪田さんはカバンを持ちながら、贔屓球団が優勝した時のように、喜んでいた。

「阪田さんは、置いておいて、話を進めるわよ!」

そういい、俺たちは話し合いを再開した。

ある程度、喜び終わった阪田さんは、三人の話し合いに疑問を持ち、何の話かを聞こうと歩み寄る。

「それにしても、珍しいな? いつもはもっと騒がしいしのに、なんや何かえぇ話でもしとんのか?」

今日はいつにも増して機嫌がよく、こちらに健やかな笑顔を向けてくる。

「いや、そんな楽しい話じゃ無いですよ、今三人で新しい顧問の話をしているんです」

「でも、中々見つからないのよ! 理想の顧問が」

「理想って、どんな顧問探しとるんや?」

「それは、ある程度野球に興味があって、千葉さんの暴走を緩和できる顧問です後掛け持ちじゃない先生だと尚の事、有難いです。」

そう伝えると、阪田さんは少し考え出し、ハッとした表情を見せた。

「それなら、あんまり、おすすめ出来へんけど一人、候補はいるで?」

思わぬ、朗報に俺を含め、キラキラと目を輝かせた。

「それは、誰なの?」

いつにも増して興奮気味な千葉さんに連なるように、折原もテンションを少し上げて、話に入ってきた。

「大村先生や! 古文の」

「えぇ! 本当にあの大村先生が?」

「ほんまもほんまやて、半年ほど前かな? チーターズのオープン戦やってた時、大村先生が一人で応援したはったん観たで」

俺はその事が信じられないでいた。古文の大村先生と言えば、さっきも授業を受けたがどちらかと言うと、大人しく、いつもオドオドとしている、イメージが強く残る。

そんな先生が、野球ファンで球場に出向いて、応援している図がわかなかった。

「なるほどね、それなら野球に興味があると言えるわね」

「っていうか、さっきおすすめしないって言ってたけどなんでなの? その話を聞く限り問題はなさそうなんだけど?」

顧問になる、素質を勝手に見出した千葉さんは、昼からの悩みが消え、安堵というか? 期待というか? とりあえずキラキラと目を輝かせ未来に期待している見たいだ。

「あぁ、それは――」

坂田さんが最後まで言い切る前に、千葉さんは「大村先生以外に適任な先生は居ないわ!」と先走った。

「いや、だからな?」

大村先生の話題が上がったからかそれとも顧問に目処が着いたからなのか、分からないが俺は1つの頼まれごとを思い出した。

「そういえば、今日大村先生の所に頼まれた、プリントを届けないと」

大村先生の話で、というのもあるが、今日の悩みの種である顧問の問題が解消されつつある事で、頼まれ事を思い出した。

その事を聞いた千葉さんはならばとまたも先走り、「鈴木くん! プリントを届けるのについて行っていいかしら?」

唐突の質問に、俺はその場で「はい」と答え、プリントの束を取り出すと、千葉さんに手を引っ張られて職員室へと向かったのだった。

「最後まで話聞かんかい!」と阪田さんは俺たちの後を追いかけ、その後を「待ちなさいよ」と折原が追いかけた。


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