千葉さんも野球部の事、まともに考えてくれていた様です
そんな中、俺たちは急に千葉さんに呼び出されたのだった。
しかし、呼び出し方にも方法というものがあるだろう。
時はさかのぼり、腹がすき始める昼休憩の時の話だ。その時俺は自宅から持ってきている弁当を机の上に広げ食べていた。
そんな時、校内のアナウンスが鳴り響きクラスメイトの箸が止まった。
「四組鈴木―くん、二組、学籍番号七、折原―さん、至急野球部の部室へとお越しください」という風に、高校野球のスタメン発表のように俺と折原は部室へと呼び出され、その呼び出しを受け、俺は机に広げた弁当をまとめ、部室に向かったのだった。
「それで、何の用なんですか?」
「ていうか! 何で私は呼び出されたの?」
「早速、その話をしようと思うわ」
俺たちを呼び出した理由を、真剣な眼差しで話し始めた。
「私たちが、立ち上げた野球を観戦する部活、通称野球部の重大な問題の話よ」
いつもの、ふざけたような感じではなく、話しを始めた為、俺と折原は息をのんだ。
千葉さんは一つ呼吸をおき話す。
「よくよく考えれば、この部活には顧問がいないわ!」
自信満々にそう言い放つ千葉さんを他に俺と折原は、今更過ぎて、ぽかんとしていた。
「俺たちを呼び出したから、どんな話かと思えば、そんな事だったんですね」
「そんな事とは、この問題は部活存続の問題なのよ!」と同じ事を二度繰り返すほど、俺たちの反応の薄さに危機感を教えようとしているように見えた。
「それは、大変な問題なのは、わかっていますけど……なんというか」
「今更って感じよね? あとそれだと何で、あたしがここに呼び出されたの! あたしこの部の部員じゃないんだけど?」
千葉さんは、手をポンと叩き、それもそうねという反応を見せた。
「ごめんなさい、いつも部室に来ているから部員だと勘違いしていたわ? それならもう折原さんは帰っても、いいわよ? 私は鈴木君と昼を食べながらその問題について話し合おうと思っているから」
そういう風に、言われ一人仲間は外れが嫌だったのか「まぁ、でも鈴木に関係のある話みたいだからあたしが、一緒に聞いてあげてもいいわよ」
そういうと、折原も持ってきていた弁当を広げ始めた。
「それで、だれか顧問になってくれる、当てでもあるの?」
「そうですよ! もし当てがあるなら話は早いですよ!」
何も分かっていないわね、やれやれといった風に首を横に振る。
「そんな人が居れば、部員の勧誘の前に、しっかりとオファーしているわよ」
「そんな当然みたいな風に言われてもね?」
「まぁ、確かに」
全員が、机に弁当を広げ、自身の弁当を片手に話し合いを進めていく。
「でも、こんな変な部活の顧問になってくれる先生なんていないですよね?」
「まぁ、普通そうよね?」
しばらくの沈黙の後、再び折原が口を開いた。
「じゃあ、福本先生辺りは?」
「福本先生はダメよ! 福本先生は陸上部の顧問をやっているから」
じゃあで、出てくる福本先生とは相当いい加減な先生なのだろうなという評価を、交流のない俺からの受けている事を福本先生は知る由もないだろう。
「じゃあ、交渉という場面なら有利に持っていけそうなくらいおしゃべりな達川先生はどうですか?」
「達川先生はサッカー部の顧問をやっているから無理じゃない?」
結局、これといって決め手に欠ける顧問選び「話をよく聞いてくれる前田先生は卓球部でノリのいい新庄先生はバスケ部、元高校球児でもある山崎先生はバレーボール部」
そんなこんなで可能性がありそうな先生は全部他の部活の顧問をしていた。
「だれか、他にいい先生いないの?」
「えぇ、生徒会で先生たちと関りが大いにある、私でもそんな最適な先生を他には知らないから、もういないんじゃないかしら?」
「じゃあ、お先真っ暗じゃないですか!」
「そういう事になるわね」
結局、昼休憩中には顧問になってくれる先生の候補は見つからず、部活の時間へと話し合いは、持ち越しになってしまった。




