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アレステリア国物語  作者: 鳩峰浦
第二章
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11 圧倒的な力

 ドレイクの目にも止まらぬ動きは、凄まじかった。


 ソラの電撃も、キリンの空気弾も。

 ノードを持たない常人に対して、こんなにも圧倒的なのか、と衝撃を受けるほどだった。


 俺たちは、よくよく考えたら、学校に入ってから、生徒同士か化け物みたいな力を持った教師や教師級の警邏官とばかり接して、手合わせをしてきた。


 その強さが普通のものだといつの間にか思うようになっていた。

 だが、よく考えたら、戦闘において、常人の何倍もの早さで動ける4速が基本的に備わっていて、その速度を乗せた高い攻撃力が備わっている上に、それを更に加速させる力や、手を触れずに電撃を流し、目に見えない空気の固まりをぶつけることができる。

 

 少しぐらい鍛えている、いや、それこそ村や街の単位で一番に格闘技で鍛えている、そんな人間だって、面と向かって勝てる道理など、ないのだ。

 

 夕闇の中、街道脇の森の中から飛び出してきて、俺たちとイースターの乗る馬車を取り囲んだ5人の盗賊。

 

 新人警邏官だろ?

 悪いことは言わねぇ、積み荷を渡せ。

 

 そう言った瞬間の出来事だった。

 

 前方に並んだ3人のダガーや手斧がはじき落とされると同時に、次々とうめき声を上げながら地面に崩れ落ちた。


 右の1人は、ソラの電撃で、左の1人は、キリンの空気弾の直撃を食らって、これも地面に崩れ落ちた。

 おそらく、誰も、何をされたのかさえ分からなかっただろう。

 5人の盗賊は、ドレイク、キリン、ソラの3人にほぼ一瞬で行動不能にされ、手錠をかけられた。

 その様子に、まだ茂みの中に隠れていた盗賊の仲間は、悲鳴を上げて立ち去っていった。

 

 身体に染み着いた、流れるような動きで手錠をかけ終えた3人が、きょとんとした顔で、同時に視線を合わせた。


 ー実戦でノードを使うときは、やりすぎに気をつけろ、加減を覚えるのが、良い警邏官への一歩だぜー


 スザク先生がそんなことを、別れ際に言ってたっけな。

 

 馬車からイースターが顔を出した。

 「……す……っげぇ……」

 顔を見合わせていた3人の視線がイースターに集まった。


 「……疑って、すまなかった。やっぱ、警邏官は、尋常じゃないな……商会にちゃんと言っとく、特別料金だったって。商人は、こういう貸しは、忘れないからな」

読んでいただいてありがとうございます!

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