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廃嫡王子の華麗なる逃亡劇 ~手段を選ばない最強クズ魔術師は自堕落に生きたい~  作者: 出雲大吉
最終章

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290/292

第290話 終わり


 王妃が倒れると、シルヴィが王妃に近づき、腰を下ろした。


「亡くなってます」


 シルヴィが首を横に振りながら告げてくる。


「そうか……シルヴィ、お前はリーシャ達を宿屋に送れ。その後にイアンを連れてこい」

「かしこまりました」


 リーシャとティーナは何も言わずにシルヴィの前に立つと、影に入っていく。

 そして、シルヴィは秘密の抜け道がある部屋に入っていった。


 俺は壁まで行き、背中を預けると、待つことにする。

 かなり長い時間を待っていると、シルヴィがイアンを連れて戻ってきた。


 イアンは俺をチラッと見たが、何も言わずに王妃のもとに行き、腰を下ろす。


「話は聞いたか?」


 俺はそんなイアンに声をかけた。


「聞いたよ。実は今朝、母上に説明したんだけど、えらく混乱していた。そして、夕方になると、姿が見えなくなっていたよ」

「どうする?」

「どうしようもないね。陛下も王妃も死んだ。それだけさ」


 イアンが立ち上がる。


「同時に死ぬのはさすがに怪しいだろ」

「事故死で片付けるしかない。2人で歩いている時に階段から落ちたとかそういうのでいい」

「遺体はどうする? 王妃はともかく、父上は灰だぞ」

「生前の遺言ということで葬儀はなし」


 苦しいな……


「納得すると思うか? 簒奪を疑われるぞ」

「好きに思わせておけばいい。貴族共はカークランドとスミュールがどうにかするし、民衆はすぐに忘れる」


 まあ、そうするしかないか。


「王妃の一族は?」

「私が適当に誤魔化す。重臣共もなんとかしよう。兄上はただ私を王と認めると言ってください。後はこちらでやります」

「苦労をかけるな」

「いえ…………私がはっきり言っておけば、こうなってはいなかったです」


 イアンが王妃の亡骸を見る。


「イアン、あまり思いつめるなよ」

「わかっています。それどころではないでしょうからね。当分は兄上にも働いてもらいます」


 まあ、仕方がないだろう。


「わかった」

「では、兄上達はスミュールの屋敷にでも待機してください。私が重臣達に話します。近いうちに使者を送りますので」

「任せてもいいのか?」

「兄上が話すよりかはいいでしょう。兄上達は廃嫡されたことに拗ねて、ウォルターに遊びに行っていたとでも言ってください」


 アホだな。

 まあ、それでいいか。


「じゃあ、後は任せるわ」

「遺体を回収できますか? どこかに埋めてもらいたいです」

「私にお任せを。イーストン家が責任を持って弔いましょう」


 シルヴィがイアンに向かって跪く。


「イーストンか……任せる」


 イーストンは信頼できる家だし、親族だ。

 イーストンに任せておけば問題ないだろう。


「はっ!」


 シルヴィは返事をすると、王妃の遺体と父上の灰を空間魔法に回収する。


「シルヴィ、帰るぞ」

「はい」


 俺とシルヴィは後のことをイアンに任せると、秘密の抜け道を使って宿屋に戻ることにした。




 ◆◇◆




 俺達が宿屋に戻ると、すでに遅い時間だというのに3人は起きて、待っていた。


「どうなった?」


 テーブルについているリーシャが代表して聞いてくる。


「後のことはイアンに任せた。俺達は明日からお前の家で待機」

「そう…………確認だけど、今回のことは王妃様が黒幕という認識でいいのよね?」

「黒幕は教国の強硬派だ。王妃はたぶらかされただけ。あの人は箱入りだからな」


 王妃は美しいと評判の令嬢であり、父上に見初められて嫁いだらしい。

 だが、正直、頭はよくない。

 王家に嫁ぐのにそれで大丈夫かという声もあったらしいが、父上が強行したことと側室だったことで重臣共も許可をした。

 しかし、正室である俺の母親が死に、急遽、側室から王妃になった。

 その結果がこれだ。


「正直に言えば、王妃に相応しくない人だったわね。妻としても……」


 こいつらにとってはありえないだろう。


「だろうな。だが、故人のことは触れるな。運悪くそうなっただけだし、お前らはそうはならん」


 リーシャもマリアも黒魔術に手を出すことはない。

 手を出しても俺がすぐに感知するし、止める。


「やるならあなただものね。というか、メイドも含め、やってるわね」

「俺達はあんなことにはならん」

「どうだか……」


 あれは魔力が低く、制御できない者がなる。

 俺もシルヴィも問題ない。


「一番やりそうなのはお前だ。永遠の若さが手に入ると言われれば手を出しそうだわ」


 リーシャの一番の自慢は見た目だし。


「失礼ね。私は年を取っても美しいわ」


 そうだろうけど、加齢による劣化に耐えられないのが女だ。

 うん……ラウラに見張らせておこう。


「殿下、これからどうなるんです?」


 マリアが聞いてくる。


「予定通りだ。イアンが王となり、俺が副王だ。予定以上に働かないといけないがな……」


 王妃が死んだことで王族が俺とイアンだけになってしまった。


「まあ、今は待機ね。今日は休んで明日、私の家に行きましょう。マリア、我慢なさい」


 マリアは嫌だろうな……

 側室だし、格下の家だし、針の筵だろう。


「はーい……」


 可哀想だ。


「シルヴィ、何とかしろ」

「……と言いますと?」

「お前がヘイトを集めろ。マリアの盾になれ。得意だろ」


 仲の悪いスミュールを挑発でもしてくれ。


「とんでもないことを言う……」


 頑張ってくれ!


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― 新着の感想 ―
またシルヴィに無茶ぶりをw シルヴィも大好きなんでメイドに手を出す感じでシルヴィともにゃんにゃんしてあげてください(笑)
盾にするためにシルヴィも娶っちゃおう!そうしよう!!
シルヴィの扱い……公爵令嬢なのになぁ
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