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廃嫡王子の華麗なる逃亡劇 ~手段を選ばない最強クズ魔術師は自堕落に生きたい~  作者: 出雲大吉
第6章

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第227話 美人は怖い


 目が覚めると、身体がやけに温かく感じた。

 それもそのはず、マリアと抱き合っていたからだ。


 俺が目を開け、少し動いたため、マリアも目を開ける。


「おはようございます……」

「おはよう」

「今日は良い夢でした」


 珍しいこともあるもんだな。


「そうか……どういう夢だ?」

「ふふ、内緒」


 マリアが笑う。


「ふーん、まあいいか。起きよう」

「そうですね。リーシャ様を起こして、話をしないと」


 俺達はベッドから降りると、リーシャのベッドに向かう。

 リーシャはスヤスヤと気持ちよく寝ていた。


「今日も粘るんだろうなー」

「久しぶりのベッドですから手ごわいと思いますよ」


 なんでそんなに寝るのが好きなのかね?


「まずは掛け布団を奪うところからだな」


 それが一番大変なんだけど……


「いっそ叩いてみますか? リーシャ様は敵が来ると、すぐに起きられますし、叩いたらすぐに起きるかもです」

「なるほど。マリア、叩いてみ?」

「私ですか?」

「お前は妻に暴力を振るう夫をどう思う?」


 クズだろ。


「それは良くないですね。じゃあ、私がやってみます」


 マリアはリーシャの枕元まで行くと、右手を上げた。

 そして、上げた右手を振り下ろした瞬間、金色の塊が獣のように素早く動いた。


 素っ裸のリーシャは輝く金髪を靡かせながらマリアの右腕を掴むと、上体を起こし、代わりにマリアをベッドに押しつけた。

 しかも、マリアの腕をひねり、関節をきめている。


「――んんー! んー!!」


 マリアは顔をベッドに押さえつけられながら唸っている。

 なお、俺にはじたばたと足を動かすマリアと素っ裸の絶世の後ろ姿が見えていた。


「可哀想だからやめてやれよ」


 俺は関節をきめているリーシャに言う。


「ん? マリア? 何してるの?」


 リーシャがマリアに気付いた。


「お前を起こそうとしたんだよ」

「そうなの? 敵かと思った」


 リーシャはマリアから手を離す。


「ぜえ、ぜえ……死ぬかと思った……」


 マリアは息も絶え絶えに自分の胸を撫で下ろした。


「何してんのよ?」

「リーシャ様が金色の狼に見えましたよ」


 俺も見えた。

 あと、マリアが獲物


「マリア、今度からそれで起こすと早いぞ」

「嫌です! 腕を折られるかと思いましたよ!」


 俺は首を折られるかと思った。


「何なのよ、あなた達……」


 お前が何なんだよ……


「リーシャ、服を着ろ。少し話がある」

「話ねー。お風呂に入ってからでいい? それともあなた達が先に入る?」


 嫌味な奴……




 ◆◇◆




 俺達は順番に朝風呂に入ると、朝食を食べる。

 朝食はパンしかなかったので缶詰を出し、少し豪華な朝食となった。

 そして、朝食を食べ終え、食後のお茶を飲みながらリーシャに昨日の夜の話をすることにする。


「それで話って?」

「マリアが今着いたことにし、教会に潜入させる」


 俺がそう言うと、リーシャの目が吊り上がった。


「ダメって言わなかった?」


 ガチでキレてるわ。


「もちろん、マリアだけでの潜入は俺も反対だ。だからシルヴィの魔法で俺達も潜入する」

「魔法? どんなの?」

「シルヴィは空間魔法を使える。それで俺達もマリアの下に隠れる」

「ああ……たまにあなたの下にいるやつね」


 なんでわかるんだろうね?

 俺でもわからないのに……


「お前が思っている魔法で合っていると思う。その魔法を使い、潜入する。それならマリアの危険もない」

「危険なのが3人になっただけだと思うけどそれは今さらね。ここまで来たわけだし、それくらいは覚悟の上だもの。それに敵は斬ればいいだけだしね」


 そうそう。

 燃やしてしまえばいい。


「そういうわけだ。お前も一回体験してみろ」

「それもそうねー……シルヴィ!」


 リーシャがシルヴィを呼ぶと、部屋にノックの音が響いた。


「入りなさい」

「はーい……」


 ガチャッと扉が開くと、テンションの低いシルヴィが部屋に入ってくる。


「どうした?」

「いや、私、寝てないんですけど?」


 寝ろよ。


「ちょっと昨日の魔法を使ってくれ。その後に寝ろ」

「はーい……リーシャ様でいいですか?」

「やってちょうだい」

「では、マリア様の前にお立ち下さい」


 シルヴィがそう言うと、リーシャが立ち上がり、マリアの前に立った。


「これでいい?」

「はい。では行きます! えーい!」


 シルヴィが足を上げながらあざとくリーシャに手をかかげると、リーシャが徐々に沈んでいく。

 マリアはそんなリーシャをじーっと見ていた。


「リーシャ様が地獄に堕ちていくー!」


 言うと思ったわ。


 リーシャはそのままゆっくりと沈んでいき、姿が見えなくなる。


「でしょー。私の魔法はとても有能なのです」


 シルヴィが独り言を言い、胸を張った。

 多分、リーシャがマリアの下で何かを言っているのだろう。


「いや、そりゃ、奥様よりかは小さいですが、私も脱いだら中々なもんですよ?」


 リーシャは何を言ってんだ……


「ホントですって。顔はカトリナさんのものですけど、身体は私です」


 何を話しているのかが容易にわかるな……


「シルヴィ、念話を繋げ」

「あ、そうですね」

『ふっ! このリーシャ様に勝てると思っているの?』


 やっぱり切ってもらってもいい?


『リーシャ、聞こえるか?』

『ん? ロイド?』


 どうやらちゃんと繋がったらしい。


「シルヴィ、俺もマリアの下に下ろしてみろ」


 俺はそう言いながらマリアの前に立つ。


「かしこまりましたー。えーい!」


 シルヴィがウィンクをしながら俺に手をかかげると、昨日と同じように俺の身体が沈んでいく。

 すると、おもむろに足首を掴まれた。


「んん!?」


 俺がびっくりして下を見ると、きれいな手が俺の足首を掴んでいた。


『こっちに来ーい……』

『お前は亡霊か!』


 こえーよ。


お読み頂き、ありがとうございます。

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