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廃嫡王子の華麗なる逃亡劇 ~手段を選ばない最強クズ魔術師は自堕落に生きたい~  作者: 出雲大吉
第5章

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第188話 スミスの町


 俺達の乗った馬車はスミスの町に近づく。

 すると、町の門の前に兵士がいたのでまたかーっと思った。

 だが、門に近づいてもジャックは馬車を止めない。

 それどころか兵士も何もせずに突っ立っているだけだ。

 そして、馬車は止まらずに門をくぐり、町に入った。


「何もないの?」


 俺は話すらしないことに疑問を持ったため、ジャックに聞く。


「自由だろ?」


 いや、そうだけど……

 自由都市ってそういう意味か?


「自由すぎんか? この町の領主は何をしているんだ?」

「ここは鍛冶と商業の町なんだよ。こうやって流通を良くしている」

「まあ、他所の国のことだからどうでもいいけど、大丈夫か、それ?」

「代わりに昼間だろうが、兵士が町を巡回しているから大丈夫だよ。逆を言うと、揉め事を起こすなよ?」


 起こさんわ。


「ジャックさん、商業の町はわかりますけど、鍛冶って何ですか?」


 マリアがジャックに聞く。


「ここは近くの山が鉱山でな。そこから良い鉱石が採れるんで鍛冶屋が多いんだ。武器や防具も豊富に売ってるぞ」


 へー……


「リーシャ、剣を買ってやろうか?」


 金ならヒラリーにもらった金貨1000枚がある。


「自分の剣を気に入ってるからいいわ」


 あっ……

 もはや自分のって言ってる……

 俺の剣なのに……


「その剣は無骨でお前には似合わんぞ? もっと装飾品とかを付けた煌びやかな方が良いと思うんだ」

「剣にそんなものは不要でしょ。どうせ血で汚れるんだから」


 いや、その通りなんだけど、セリフが戦士なんだよなー……


「でも、お前に合った剣が良いと思うぞ」


 訳:返せ。


「この剣がいいわ。軽いし、切れ味も良い。それにようやく血が馴染んでいい感じになってきたし」


 王家の剣を魔剣にしようとしてる……

 ダメだこりゃ。

 王家の剣は下水に捨てたことにしよう。


「フライパンでも買おうかなー……」


 料理人になろうかな?


「いらねーだろ。現実逃避すんな。さっさと情報収集をするぞ」


 だよね。


「どこ行くんだ? ギルドか?」

「そうだなー……じゃあ、お前さん達はギルドに行け。俺は酒場とかで探ってみる」


 二手に分かれる感じか……

 治安の悪い町の酒場なんかにマリアを連れていきたくないし、効率を考えればそれが良いだろうな。


「わかった。じゃあ、俺達はギルドに行ってくるわ」

「頼むわ。ついでにエルフの森での仕事があれば受けてくれ。そうすれば、情報をすんなり得られるし、金も儲かる」

「りょーかい」


 俺達は了承をすると、馬車から降りる。

 すると、リーシャはフードを被り、マリアは俺に身を寄せてきた。


「ギルドはそこの通りをまっすぐ行ったところだ。この時間は冒険者も少ないと思う」

「どこで集合する?」


 そこまで広い町というわけではないが、待ち合わせ場所を決めてないと迷いそうだ。


「ギルドでこの町一番の宿屋を聞け。お前さん達はどうせそこに泊まるわけだしな。俺の方は時間がかかると思うから先に休んでくれ」


 なるほどね。


「じゃあ、それでいこう。そっちは任せるわ」

「あいよ」


 ジャックは頷くと、馬車を走らせ、大通りを進んでいった。


「行くか」

「そうね」

「あっちでしたね」


 俺達はジャックに言われた道を歩いていく。

 道を歩くと、普通の町人に交じってガラの悪そうな男もいるが、槍を持った兵士も普通に歩いており、そこまで危険を感じることはなかった。

 だが、それでもマリアは怖いらしく、俺の袖を掴んで歩いている。

 もちろん、リーシャは堂々としていた。


 俺達がそのまま進んでいくと、突き当たりに剣が交差する看板が見えてくる。

 俺は本当にどこも一緒だなーと思いながらギルドに入った。


 ギルド内はそこまで広くなく、冒険者の姿もない。

 ただ受付には髪の毛が1本もないスキンヘッドの男が一人で座っているだけだった。


 俺達は選択肢がないのでそのハゲの受付に向かう。


「ここはお前だけしかおらんのか?」


 俺はハゲに聞いてみた。


「見りゃわかんだろ。お前らは見たことがねーな。外のモンか?」


 ガラの悪いハゲだな……

 髪の毛と一緒に客に対応する丁寧さを失ったらしい。


「旅をしている冒険者だ。ここはあまり仕事がないのか?」

「冒険者? 貴族様だろ」


 すぐに見破られた……


「ほれ、冒険者だ」


 俺はそう言いながら冒険者カードを受付に置く。

 すると、ハゲがカードを手に取り、まじまじと見始めた。

 そして、受付の下から分厚い本を取り出し、カードと見比べる。


「ふーん、Dランクねー……まあいいか。仕事だったな? どういうのがいいんだ? ピンからキリまであるぜ」

「キリは?」

「水路掃除か鍛冶屋の手伝い」


 水路掃除はどこでもあるなー……


「水路掃除がキリなのはわかるが、鍛冶屋の手伝いもか?」

「安い給料なのに暑い現場でこき使われるからな。しかも、職人は頑固でうるさい」


 キリですわ。


「ピンは?」

「うーん、領主の息子の家庭教師とかあるぞ。お前ならできるだろ」


 まあ、その辺のごろつきよりかは教養があるからな。

 でも今は仕事をしに来たわけではない。


「エルフの森に行きたいんだが、そっち関係の仕事はないか?」

「エルフの森? 観光か? あいつら、気性が荒いから危ないぞ」

「せっかく来たし、エルフとか見たことないから見てみたい」

「ふむ……Dランクならぎりぎりか……? 一応聞くが、お前、奴隷狩りじゃないだろうな?」


 奴隷狩りか……

 獣人族を捕まえてたやつだな。


「そんなわけないだろう。女連れだぞ」

「いや、そこはあまり関係ない。あいつら、商売だし」


 まあ、商売に近いか……


「そうなのか……今はいないが、Aランクのジャックと一緒に来ている。俺達を信用しなくても良いが、Aランクは信用しな」

「ん? ジャックが来てんのか?」

「そうそう。パーティーを組んでいるわけではないが、連れてきてもらった」

「なるほどねー……Aランクの護衛で物見遊山ってとこか?」


 そう思うだろうなー……

 俺も逆の立場ならそう思うし。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 魔剣w [気になる点] ハゲ差別!
[一言] 罪のない善良なエルフ達にクソ面倒な事が訪れる三日前って感じかな(笑)
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