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第42話

カッカッカッ

黒板に文字が書かれていく。

何時もと変わらない授業が行われている。


唯一違うのは俺の気持ちだけだ。

授業を聞きながらも立花の事が気になりチラチラ見てしまう。

たまに目が合うとニコリと笑い返してくれる立花に、またドキリッと胸が跳ねる。


なーんて文学的に思ってみたが、他の人から見れば挙動不審の陰キャなんだよなーこれが!


「コウー勉強どう?期末大丈夫そ?」


「あぁ、立花と王子のお陰でな。今回は大丈夫だろ」


「そっかそっか!良かったー!これでコウ達共夏休み遊べるねー」


「そ、そうだな……あのさ、機会があれば二人で…」


「おーい美咲ー!ここ分かんないんだけどー!」


チッ!取り巻きめ、せっかく勇気をだしたのに…。


「ちょっと待ってー!コウ何か言った?」


「いや、何でもない。あっち行ってやったら?」


ヘタレな俺はもう一度言う勇気はない!!


「そっか、じゃあ行ってくる!」


立花の後ろ姿に見とれてしまう。

その時立花がくるりと振り返って


「あたしも二人でどっか行きたいな」


「え!?あ、あぁ!楽しみだな」


「えへへーどっこ行こうかなー」


ケラケラ笑いながら取り巻き達の方に行く立花を呆然と見つめる。

あ、あれ?これって夏休み二人で……デートって事か!?


いやいや、焦るな友達と遊びに行くだけだろ。タクと遊びに行くのをデートとは言わないし……。

いや?委員長ならデートだって言うか!?

じゃあデートなのかもしれない!


「何だコウ?変な顔して?」


「は?ああ、タクか。幸せって突然湧いてくるんだな」


「はあ?何言ってんだ?熱さにやられたか」


「ある意味熱さにやられたのかもしれん」


「だ、大丈夫かよ?保健室行くか?」


「幸せな方の熱さにだから大丈夫だ」


「あ、そうですか。保健室連れてくわ」




何とかタクを説得して保健室行きは免れた。


昼休み、今日も王子は俺達の教室に来ている。そして、その噂が広まったのか教室の外では王子目当ての女子が、何人かこちらを観察している。


「王子も大変だなぁ何時も行く場所にはああ言うファンが着いてくるんだろ?流石に疲弊しそうだな、俺は」


タクが王子を見ている女子の方を見ながら少し窮屈そうに話す。


「そうかもね?でも、あの子達も自分達でルールを決めて集まりすぎない様にとか、工夫してくれてるみたいだよ?」


へーそんな感じで規律はしっかりしてるのかな?確かに王子を遠目に見ては居るが決して近くに来て話し掛けようとはしてないもんな?


「王子も大変だねぇ、俺には一生縁が無さそうだ」


「そうだな、俺達には縁が無さそうだ」


タクに同意する。


「ふーん?でもコウはこの頃遠巻きに見られてるだろ?」


「まぁ…そうだな」


そう、静原さんがまた遠目でこちらを見てくる様になった。

誘いを断って数日は姿を見せていなかったんだが、また遠くでこちらを…と言うか多分俺を見ている。


「ケッ!コウの何処が良いんだろうな?あんな美人がよお!」


タクが荒れてる。逆の立場なら俺も荒れてたかもしれないしなぁ。


「まあ別に好きとかそう言うんじゃ無いだろうからな流石に」


会話だって数回しかしてないし、接点が無さすぎるよなぁ。


「ふん!そんなの分かんないだろ!誰だって好きになるのは、自分の意識しない所で好きになったりするんだからよ!」


「なんだよ、お前はどっちに話を持っていきたいんだよ」


「くそ!あんな美人がコウの事好きかもしれないなんて親友としては嬉しいだろ!でも、でも…!男としては悔しいんだよぉぉ!」


タクが血の涙を流しそうな表情で訴え掛けてくる、こえーよ。


「ほら、二人共ご飯食べようよ。前みたいに食べ忘れたら大変だろ?」


「それもそーだな!でもまた王子の飯が食えるなら昼飯抜いても良いかもな!」


タクがケロッとした顔で喋りだす。

本当はあんまり気にしてないだろ。


「おいタク、あんま大きい声で飯の事言うなよ。外の女子の目線がこえーよ」


タクの発言に外の女子達がざわついてる。

王子の飯を食った=家に行ったとバレたかもしれない。

一部の女子はこちらを鬼の形相で見つめてる。


「いや、別にそのくらい……ヒィ!お、鬼が!」


「お前、鬼とか言うなよ失礼だろうが」


俺も思ったけどさあ。


「す、すまん!王子もすまんな。あまりにも必死な顔だったからつい…」


「僕は気にしてないよただ女の子に鬼なんて言っちゃだめだよ?傷つく子もいるからね?」


この王子の発言が聞こえたのか教室の外では、『流石王子様!』『素敵!抱いて!』等々王子への賛美で埋め尽くされている。

ある意味宗教みたいで怖い…。




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