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Spin A Story 〜この理不尽な世界でも歴史好きは辞められない〜  作者: 小熊猫
第二章 “冒険者編〜霞たなびく六等星達を求めて〜”
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条件緩和

「わかりました。それではこちらからの先程のお話しは取り下げさせて頂きます。…ギルド長の知らぬ間にいつの間にか広まっているかも知れませんが、それも勝手に意図しない所から広まったとしても仕方がありませんでしょう」


「うむ、仕方がないな。…ククク、話しが早くて助かる。私も知らぬ間に知っていても仕方がないだろうな」


 早く教えろ、と…暗に要求してくる。


「もしもですが、ギルド長が誰よりも使い方を早く知るとなると…それ相応の条件緩和が必要になるかと」


「よかろう。なればそちらが一番に危惧しているであろう…週の勤務について緩和しよう。…週の半分だ。これ以上は譲歩出来ん。いかがでしょう、シャルル王」


 やはりそう来たか。なら、もう答えは決まっている。


「それと、王宮内での任務とギルドにおける任務が重なった際はカイの優先順位・判断に委ねる事。もしも戦争が勃発しそうになった際も同様の処置を求めます」


 毅然とシャルルは言い放つ。幾つかギルド長が求めてくる条件を想定していた。

 そして今…その想定した展開に僕達は直面し、胸の内でそっとニヤりと口角が上がるのをめられなかった。


「いいでしょう。ここまでの問答で多少なりとも判断力のある人間だと知れた。こちらとしてもその条件で構いません。…我らの情報が筒抜けになっても」


 あらら、そこまでは信用していないよと言いたいようだ。

 しっかりと牽制するべきところでは釘を刺してくる。

 腹芸やら駆け引きにも長けている。


「それは助かりました。情報は幾らでも欲しいと思っていたので、そのように申されるならカイの報告に耳を傾けやすくなるので」


「…フン、貴方も大した御人だ。抜け抜けと言われてしまうとこちらの毒気も抜かれてしまう」


 鼻で小気味よく笑いながらも、不思議と嫌な感じはしない。

 呆れ気味に鼻笑(微笑)した…と表現した方がしっくりくる。


「さて、それではカイとやら。この私にそろそろジャガイモを使った何かを教えてくれんか? いいや、間違えたな。…勝手に教えてくれ」


「かしこまりました。使い方ですが───」



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