表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Spin A Story 〜この理不尽な世界でも歴史好きは辞められない〜  作者: 小熊猫
第二章 “冒険者編〜霞たなびく六等星達を求めて〜”
364/409

富士の山麓

「はぁ〜生き返るね。身も心も軽くなった気分になるよ」


 シャルルも同じ感想を抱いたようだ。…ハイクもイレーネも満足そうに微笑んでいる。

 

「どうやらみんなたっぷり堪能したみたいだね。大人達にも飲んで貰おう」


「ヨゼフ、クローさん。お待たせしました」


 水飲み場を離れ、ヨゼフとクローが飲み終わるのを待つ。二人もとっても喉が渇いていたみたいで、何度も何度も手を掬っては口に含む。

 僕達が飲むのを黙って見ていたんだ。そりゃあ喉の渇きも刺激されて飲みたくてしょうがなかっただろうな。


「…ふぅー、美味い。美味いのぅ。富士の山麓で飲んだ水を想い出すな…」


「あれ? クローさんは富士山の近辺にいたんですか?」


「おう。正確には富士山の南の地域に一時期いた事がある。富士に行くのはそんな頻繁には行けなかったがな。その頃は領内や近隣とのやり取りやらで目まぐるしい日々だったからのぅ」


 富士山の南? 南って言ったら…半島がある地域かな? 

 あの辺を治めていた人って事かぁ。うーん、時代がわかれば誰かわかるんだけど……。


「さーて、そろそろ和尚も待ちくたびれているだろうし行こう。早く飲ませてあげよう」


 丁度いいタイミングで思考を遮るようにシャルルは号令する。確かに待たせるのもよくないな。今は質問するよりも移動が先決だ。


 和尚と合流した後、彼が水を飲みに行っている間にシャルルとクローが宿を探しに行く。

 ヨゼフとハイク、イレーネ達と共に黒雲達を撫で回しながら待つ。…相変わらず愛馬達の気持ち良さそうな表情を見るだけでなごんでしまう。


「ねぇ、ヨゼフ。クローさんをどう思う?」


「奴は民のために反乱を起こしたから根が悪い奴じゃないのは確かだろうな。お前も旅の道中でわかったろ? 俺とシャルルの側近が、前線で戦い続けている間…奴は後方で全体を見守りつつ、周囲への警戒を怠らなかった。そのおかげで俺達は前だけを気にして戦えたんだ」


 その通りだ。嫌になるくらいに戦った大量のべへモト達を各個撃破出来たのは、実は巧みなクローの指示によるところが大きかった。

 戦う場所を上手く選定しながら指示をしていくれていた。あれのおかげで僕達は負担少なくべへモトに対峙出来た。


「奴はシャルルと勘違いしたカイを殺そうとしたんだろう? だから奴は単なる後方指揮官って訳じゃない。時には前線で戦い、時には後方で指揮する能力を有するってのがわかる。……けど、俺が疑問なのはそこじゃない。そんな奴が“俺なんかよりも爺の方が用兵に関しては天賦の才の持ち主”だって言ったんだ。つまり、あのジジイはよっぽど戦さに強い大将だったんだだろうな」


 それにも同意だ。有能なクローが自分よりも優れていると断言しているんだ。

 そして、ツクモのあの策…。あれは間違いなく戦場での戦いに慣れたからこその発想だった。

 うーん、本当に誰なんだ? 気になる情報は少しずつだが得られている。何となくは絞れてはいるんだけどなぁ。




 恐らくあの地域にいたなら、きっと富士の山の水も飲んでいたのではないかなぁという勝手な筆者の予想で書いております。

 ちょっとずつクローとツクモに情報も出していきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ