Level.8 見えない恐怖
「……ツメが甘いんだよ司」
自爆したと思われていた風峰は生きていた。
N8爆弾を起爆させる直前に対爆撃アーマシールドを起動させたのだ。
雨竜 司は始末した。
これで残るはエリスとやり合っているあの2人だけだ。
そう思い援護に向かおうとする風峰の背中を大量の弾丸が撃ち抜く。
「ツメが甘いよなぁ?零次?」
そこに立っていたのは雨竜 司。
同じく対爆撃アーマシールドを持っていた。
「つ……かさ」
こうして風峰のキルログが全員に通達された。
外で戦うエリスは動揺する。
ただでさえ一対ニの状況で苦戦しているのに、ここにもう一人増えるとなると流石にキツい。
そしてその報告に相手を勢いづく。
「後はあの女だけだな……
悪いな風峰お前のパーティーメンバーは残らず消し去ってやる」
そして雨竜は外で仲間2人と戦っているエリスの元に近づき、『グラビドエリア』を発動させようとする。
がしかしその時、雨竜の頭を弾丸が撃ち抜いた。
そして同じく雨竜のキルログが全員に通達された。
「……スナイパー!!一体どこから!?」
雨竜のパーティーメンバーは急いで敵感知レーダーを使うが反応はなし。
ルールで2000メートル以内でスナイパーに狙われた際はアラームが鳴るというルールがある。
今はアラームが鳴っていない。
一旦狙うのをやめて移動したのだろうか?
しかしとりあえずあと少しで倒せるエリスを先に始末する必要がある。
敵を倒すことで戦果を得たいのだ。
「目の前にある戦果を前に人は逃走の判断を鈍化させる……」
男は目の前にある戦果を優先した。
その結果、雨竜と同じく頭を撃ち抜かれキルされる。
それを見たもう一人の相方はアラームの鳴らない位置からの謎の狙撃によって仲間が倒されていく様子にビビって建物に逃げ込もうとする。
「……何があっても敵に背中を向けて逃走しては鳴らない」
あと少しで建物に入れる入り口の手前で背後から頭を撃ち抜かれ、雨竜パーティーが全滅した。
その様子をエリスはただ見ているしか出来なかった……
「……少し援護が遅れたけどまぁ十分だろ」
目標から2100メートルの高台。
そこからマップで味方のいる方角を確認して敵を排除した。
これは後で聞いた話だが学園始まって以来の長距離スナイプだったという。
『……鍵は手に入ったか?エリス』
パーティー通信でエリスに連絡する。
『……確保した
一応礼は言っとく……ありがと』
俺はここに来るまでに見つけた転送装置の場所をエリスに送り、二人で転送装置に向かった。