ハルはお家でゴロゴロなの
ハルはお家に帰って来て、タイガーたん達の傷を治療して、いっぱいモフモフしてあげたのです
タイガーたん達はゴロゴロ喉を鳴らしてましたの♪
「ごめんね、痛かったのね、運んでる人が当たらないようにしてくれたのね、反撃しないでくれてありがとうなのグスン… 」
タイガーたん達はハルの顔をいっぱい舐めてきたのです
ガウガウ
ハルは矢が刺さってもいいの、自分で抜けるから、今回はちょっと肩で抜きにくかっただけなの、わかったのもういいの
それより、ハルがここに帰ってきて何年???・・ うう・・ わかんないの
ハルが忘れるくらいだから、ハルのこと、知らない人がいても仕方ないのね
でもショックだったのね
「みんなハルの周りに集まるのです、今日はハルここで一緒に寝るのです」
ツリーハウスの外で眠るハルの周りにはミラータイガーだけでなく多くのSクラス以上の魔物がハルのことを心配し集まっていた。
ハルは多くの魔物たちに見守られながら眠りました
☆・☆・☆
その頃テレスタの町では、ギルマスのキャサリンが頭を抱えていた。
昨日町にミラータイガーの群れ10匹が近づき、そのミラータイガーは何かを加えていて、先頭のミラータイガーには一人髪の長い少女が乗っていたと、監視していた兵士は慌ててそのミラータイガーとその乗っている少女を矢で攻撃したらしい、結果全ての魔物に攻撃し矢は命中、少女には肩と足に命中しても止まらずそのまま城門まで到達し、加えてた者を降ろし、森へ走り去ったらしい
兵士は魔物たちが城門の前に置いて行った物を確認すると、行方不明になっていた女性たちだった、女性は眠らされていただけで、しばらくすると目を覚ました。
女性の一人には手紙が添えられていて、魔物に乗っていた少女のメッセージが書かれていた。
行方不明だった女性の証言と少女の書いたメッセージでこの女性たちはコブリンの巣に連れていかれて、コブリン達の苗床にされるところを、少女が率いたミラータイガー達に救われ、町まで運んでくれたことがわかった。
その恩人を私たちは矢で攻撃全て命中、少女含め魔物にも傷を負わせた、少女も魔物も全く反撃することなく、助けた女性たちを降ろし森に帰って行った
この事は町に常駐する王国守備隊責任者のジャックも知ることになり、今回の事件のことで集まった二人は頭を抱えていた。
「ジャック殿、悩んでも仕方ないですよ、もう起こってしまった事なのです、この事を王都の守備統括官に報告しましょう」
「キャサリンの言う通り悩んでも仕方ない、報告しよう」
この時、悩んでいたのは、二人だけではなく救い出された女性たち、攻撃をした兵士たちも同じだった。
兵士たちはコブリンに浚われた女性を助けて連れて来てくれた魔物とそれを使役する少女への攻撃、女性たちは助けてくれたのに気が動転して少女に酷いことを言ったこと、結果彼ら彼女らも話し合い代表が一人報告のため管理官に同行し王都に向かった。
数日後ジャックと同行した兵士と女性は、守備統括官に報告した。
統括官も話の内容の相手がミラーレ大森林の姫と呼ばれてる少女と推定された時点で、宰相に報告をし、プライム国王にから報告を直接聞くと謁見の間に呼ばれた
ジャックとキャサリンと救い出された女性ミルミルは謁見の間でプライム国王にいきさつを報告した。
報告を聞き貴族たちは騒ぎ出し、魔物が攻めて来たらどうするのだとか騒いでいた
「静かにせぬか!」
「しかし、その姫が、コブリン助けた者を送り届けるときに矢で撃たれたのです、森に戻り再び魔物を率いて攻めて来たらどうされるのか!」
「お前達のせいだぞ!」
「ええい!黙れと言うておる!しかし、知らぬことだったとはいえ、大変なことをしてくれたのぉ・・状況を考えれば仕方のない事のようにも思えるが、今後同じことが起こらぬようにミラーレ大森林に隣接する町村には徹底して通知しておくことにせよ!同じ過ちを繰り返してはならん、ミラーレの姫は我が王国を救済し者だという事を!」
謁見の間に集まった貴族はプライム王の言葉に返事をし頭を下げる
「救われた者ミルミルよ、その少女のメッセージは今持っておるのか?」
「は・はいここに!」
「見せてくれぬか」
プライム王はハルが書いたと思われるメッセージを目にした
【お姉ちゃん、怖い思いさせてごめんなのね、臭いコブは町に行かないようにするから、ミラーレの森を嫌いにならないでほしいのね、国王おじいちゃん心配しなくて大丈夫なのね】
プライム王は読み終えると、おじいちゃん大丈夫か、ハルは矢が当たって痛かっただろうに、この爺を不安にさせないようにと最後に書いてくれたのじゃな、ほんと優しい子じゃのぉ・・
プライムは集まった者に改めて力強く宣言する
「ミラーレの姫は怒っておらぬ!しかし今後このようなことがないように徹底せよ!」
「では国王様今後、各ギルド及び警備隊方面にミラーレの姫の特徴を記した書面を掲示し徹底させます」
「しかしじゃ、いくら怒ってないとはいえ此度の件では、謝罪は必要じゃろう、ここは、シトラス伯爵にお願いするか、王家からも一人向かわせよう、直ぐシトラス伯爵に使者を向かわせよ!」
「は!直ちに!」
これで謁見は終了とするご苦労であった
プライム王は宰相と誰を行かせるか話し合っていた。
「しかし、誰を行かせるか、シリウスは」
「シリウス様は今タイセル国が他国への進行を始めた件で、我が国も備えをするために動いています」
「第二王子のタイタンは」
「タイタン様は国の治水事業で忙しく今は王都にいません」
「アリス様はどうでしょうか?」
「あれはいかん!あの子が行くととんでもないことをしでかすに決まっておる」
「では第二王女で今王都魔法学園におられるダリア様でどうでしょうか?」
「あの子しかいないか、しかしのうあの子も態度がなぁ、経験させるために行かせるか、ダリアに任せるとしよう」
こうしてプライム国王は不安を覚えながら、ダリアを学園から呼び戻し事情を説明しプライム王の手紙を持たせ、シトラス伯爵のもとに向かわせた。