王女様にばれそうなのです
先ほどのメイドが私の目の前でお辞儀をして真剣な表情で話してくる
「グレープ様にお願いがございます」
「私は妹と先を急ぎますので…」
「お願いでございます」
メイド始め兵士長までもが頭を下げる
二人に頭を下げられグレープは諦める
「はぁ…わかりました、お話しください」
「私達は、王都魔法省の情報で災厄の前兆が現れたとこので、災厄のような異常な現象を察知できるスキルをお持ちのアリス王女様と護衛をつれてクポルの町を目指してたのです、
情報が洩れてたのか、この森に入り先ほど数十人の盗賊と魔物を使役する者の魔物レイドウルフ数十匹に襲われ、兵士長は瀕死の重傷で馬車も破壊され、姫様は捕らわれ、私を含め多くの者は傷つき死を覚悟しました、
そこにどからともなくなく、救出の攻撃がなされ姫様は無事にもどり、魔物も盗賊もすべて倒してくださり、瀕死の兵士長も、助けていただいた方の風魔法によって運ばれた、秘薬ハイポーションで兵士長は助かりました、影の救世主のおかげで姫様はじめ私たちは救われました。
姫様は最大級のお礼をしたいと申しています、グレープ様どなたかご存じないでしょうか?」
「嘘をついてもわかることですから、はっきり言いますね、それは、私ではありません!お話を聞く限りAランクの私でもそんな状況で、しかも短時間で倒すことなんてできません、まして存在を隠してなど無理です、おそらくAランク以上の冒険者でなければ無理でしょう」
「はぁ・・そうでしたか、もしやと思ったのですが、でも本題は私たちの今の状況では、姫様を満足にお守りすることはできませんので、グレープ様に護衛に加わっていただけないかと思いお話ししました。」
「状況はわかりました、護衛お引き受けいたします、ただ妹は少々怖がりなので、無礼なことをすると思います、あと私たちの事、特に妹のことは詮索しないでほしいのです、宜しくお願いします」
ハルちゃんのこと少しわかったような気がする、この子むちゃくちゃ強いけど、魔力と体力がないからすぐ、魔力枯渇になって眠ってしまう
いえ違うわ、魔力枯渇は少し眠った程度では回復しないし、枯渇寸前になると下級魔法程度しか使えなくなるはず、でもハルちゃんは、眠くなる直前まで使い続けている?
まだあの子何か秘密がある?ステータスでも見れればはっきりわかるんだけど、それに権力者を異常に怖がってるのも気になるけど
今は、ハルちゃんを守ってあげないと、あれハルちゃんいつの間にか寝ちゃったのね、可愛い寝顔ウフフ
「グレープさん、無理言ってすみません、私たちを助けてくださったのがグレープさんでなかったのですね、じゃ誰だったんだろ?正体を隠さなければいけないくらいの人かぁ、あれ妹さん寝ちゃったのね、可愛いプニプニ」
「泣きつかれて寝ちゃったみたいです」
「グレープ殿護衛の件なのですが、姫様を中心に、先頭に私、中を私共の兵士で固め、後方はグレープ殿、この隊列で移動します、よろしいですか?」
「私はそれでかまいません、妹は私と同じでかまいませんか?敵と遭遇したら姫様の方に行くように言いますので」
「ではそれで、お願いします」
「私たちはこの辺にテントを張りますので、見張りはどうされますか?」
「見張りは我々の方でやります」
「そうですか、それでは何かあればすぐ向かいます、おやすみなさい」
「食事は?」
「妹が起きたら適当に食べますからご心配なく」
「では、グレープさんおやすみなさい
ジーー」
「姫様?どうされました?」
「何でもないわ」
まさかね、でも凄く気になるわ
風魔法で運ばれたポーションを持った時にわずかに残ってた香り、ローズ?
それと同じ香りがあの妹さんからもしてたわ
あの時、もうダメって思ったもの、あの人数の盗賊と魔物を次々倒して行くのに姿を確認できないなんて、信じられなかった、それと同時に胸がドキドキしたわ、忘れる事なんてできないわよ
絶対見つけてやるのだから
アリス王女一行は、幸い何事もなく夜までに、ホトス村に着き、村長に挨拶をし事情を説明し、王都から新たな護衛が来るまで、村に待機することになった。
「アリス様私達はこれで失礼します、これからクエストの調査と討伐に向かい、そのままクポルの町に帰ります、姫様もお気をつけて、では」