初クエストなのです
ハルは、冒険者カードを手に持ち跳びはねている
「わぁーい♪やったのです!ハルは冒険者になったのれす!」
「あのハルちゃん、ちょっといいかな?」
「はい!」
「この薬草なんだけどね、一束だけ買い取りでもいいかな?」
「全部でもいいのです♪もっと出しますか?」
「ハハ…全部はいいかな、とりあえず一つだけ売ってもらって、あとはしまってくれるかな」
「わかったのです♪」
「それとそのバッグなんだが、容量はどれくらい入るんだね」
「いっぱいなのです、沢山入るのです」
「あぁ…沢山はわかるんだが容量って、まさかその中に魔物の素材とかも入ってたりとかするのかな?」
「はい!沢山入ってるのです♪」
ギルマスは、ハルの持つ倒した魔物に興味を持った
「やっぱりハハハ…ちなみにだしてもらったりとか、は無理かな?」
「無理なのです!出したら、ハルを捕まえるです、ハルは目立ちたくないのです」
ギルマスは、ハルの機嫌を損ねないように対応する
「ハルちゃん、一匹だけとか、種類とかで出してもらったりとか、無理かなぁ」
「ハルを捕まえたりしないならいいのです、でも見せるのここにいる人だけなのです」
「わかったわ約束する」
「ハルちゃんもう一ついいかな?買い取り所で出した薬草なんだけどもう一つあったよね、それをここに出してくれるかな」
「わかったのホイ!これなのです」
ハルは先ほど出した、ストールトル草をテーブルの上に出した
ホイ!
その場にいた者達は、初めて見る特長のある紫色の薬草を見つめる
「なんだこの薬草は、初めて見るぞ!」
「そうですね、なんなんでしょうか?
私の知識の中にないので、鑑定スキルで表示されません」
「私も初めて見ました、でも特長のある薬草ね」
ハルは長くだらだらした状態に飽きたのかまた、ぐずりだす
「ハルお腹すいたの、もう帰っていいの?」
「ち・ちょっと待って!」
「嫌なのお腹すいたのぉーー!」
「ハルちゃん、ちょっと待ってねすぐお菓子持ってくるからね」
ハルはお菓子と聞いて、大人しくなりこの世界の初めてのお菓子にワクワクしていた
「お菓子♪お菓子♪フンフン♪何かなぁ」
ガチャ♪お持ちしました。
「キークと言って小麦粉と砂糖と卵を使ったお菓子になります、果実水です」
コトッ!
「これ美味しいのです、〈ゴクゴク〉この飲み物も美味しいのです」
ハルの機嫌もよくなったところでバニラがハルに質問する
「ハルちゃんちょっと教えてくれるかな?この薬草の名前知ってるんだよね」
「ハル知らない」
バニラは、機嫌を損ねないように様子をみながら慎重に対応する
「ハルちゃん聞いてくれる、今日ここであったこと、絶対誰にも言わないから、ここにいる者だけの秘密にするから、ハルちゃん冒険したいんだよね、その邪魔にならないようにするし、応援するから教えてくれないかなぁ」
ハルは、ギルマス達を見て少し考え答える
「ストールトル草!」
「ストールトル?なんか聞いたことあるな」
「ハルちゃん、何に使うのか知ってるよね教えてくれる?」
「石化の薬!」
あれ?また機嫌悪くなってる?まずいわ
ギルマスも気づいて、私に合図を送ってくる
「ハルちゃん、今日はいろいろありがとう、いっぱい時間とってごめんね、今日これからどうするのかな?」
「え?もういいの?」
「うん♪ありがとう」
ハルは、立ち上がりバニラを見る
「依頼!クエスト受けて見たいのです!」
「OK♪じゃハルちゃんは特別に何でも好きなの受けていいよ」
「え?ランク制限とかあるのです」
「ハルちゃんはギルマスも承認済み、好きなの選んで大丈夫よ」
「じゃこれ受けるの♪」
「村を襲う魔物の退治ね、いいわよ、でもこの村はここから、馬車で2日かかるよ、大丈夫かな ?」
ハルは、両手を腰に当て
「困ってる人助けるのです!ハルは大丈夫なのです!」
「ハルちゃん、退治したあと、そのまま帰らないでね、完了報告しないとクエスト失敗になるからね」
「わかったのです」
「ハルちゃん一応私達もついて行くからね、何かあったら心配だから」
「グレープお姉ちゃんだけなの?」
「そうよ、カエラ様はお留守番、だってこれCランククエストだから、お姉ちゃんがついて行くのよ♪」
「よろしくお願いなのです」
「じゃバニラ、フェアリー様、カエラ様行って来ます」
バタン!
二人は部屋を出て行った。
「さてこれからだが、ハルちゃんのいろいろなことについては絶対他言しない!これは、いいな?」
全員がうなずく
「ハルちゃんの冒険者としての能力は、同行者グレープがチェックしてくれるからいいとして、マジックバッグにあの薬草の量、我々の知らなかった薬草、あの子は何者なんだろ?」
「私の鑑定スキルが弾かれましたから、名前しかわかりませんでした、少なくとも私よりレベルが15以上は上のはずです」
「そうだな私も弾かれたわ、こんなこと初めてよ!」
「そんなに凄いの?」
「間違いないですね、元Sランクのギルマスまで弾かれたのですからレベルは恐らく150以上かと…」
カエラがハルがレベル150以上と聞いて驚く
「でもそんなに強いなら何故震えたりしてたのでしょうか?」
「そうなのよ!私達が鑑定できないほどレベル差があるのは間違いないのよ!なのに怖くて震えるって、わからないわ」
☆・☆・☆・☆
ギルドを出た、ハルはいきなり迷子になっていた。
「あの・・ ハルちゃん?どうしてこっちに来たの?もちろんわかっての行動なんですよね」
「きゃは♪こっちかなって感じで来たのれす、ここどこなの?町の出口どっち?出れないのれす」
「えーーー!何か買うのかと思ってました。はぁ…いいです、私にについて来て下さい」