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カム アウト フェイス

作者: syou

詳しくないことを話しにしてるので、おかしいとこもあるかもしんないですけど、楽しんでくれたら幸いです

「よーし、今日はここまででいいぞ」

雑誌の編集が一段落したところで、編集長がみんなに一声かけた。その声でパソコンの前に座っていた青年が作業を止め、背伸びをした。ん〜って声が聞こえそうだ

「お疲れ様、凛君。大学も忙しい時期に入ってきたのに、ごめんなさいね」

さっきまでパソコンに向かっていた青年に話しかける女の人がいた。凛と呼ばれた人の上司のような人だ

その青年は椅子にもたれるようにして疲れたようなため息を吐いていたのだ

「いえ、この仕事は時給がいいので助かっていますから」

聞く人によってはがめつい奴と思うかもしれないが、大学生がバイトを選ぶ大半の理由は時給だろう。

「そういえば、この間一緒に雑誌の取材にいったときにどうでもいい役をやらされてたけど、随分さまになっていたわね。高校は演劇部で、大学でも続けているのは伊達じゃないといったところかしら?」

「たいしたことないですよ。あのときは誰でもよくて、たまたま離れてた俺に目がついたって感じでしたし」

この上司の人が取材している時、ちょっとトイレにいっている時に、見つかったのだ

「そうそう、このことでちょっと話しがあるのよ。ドラマに出演しないかって話があるのだけれど、どうする?登場シーンはそんなに多くないみたいで、最初の2,3話に登場するだけみたいだから、そんなに時間はかからないみたいなの。もちろん大学との講義時間の折り合いはできるだけつけてみるわ…出演料は悪くないわよ」

凛が聞きたいことを顔にだしてしまったのか、最後のは付け足すような感じだった

「でも、俺は演技したことありますけど、テレビにでたことなんてないですよ」

「それなら問題ないわ。どうもこの間演技したところをみた人が監督らしいから」

それは問題ないの理由にはならないだろう。

この上司は事情を知っているし、とてもいい人だ。そして、こうゆう関係についてはしっかりしている人なので、本当に問題ないのだろう。凛は少し大学とかの講義を考えたが、結局同意することにした

「そういってくれて助かるわ。実はもう承諾しちゃってるから」

そういえばこのマネージャーはこうゆう人でもあったのだ

「いやね、編集長がこうゆう時にコネを作っておけっていったのよ?」

「あいかわらずっすね。それじゃ俺はこれで失礼します」

色々したくをし終わったところに上司が苦笑しながら声をかけてきた

「そうすると、本当に同一人物とは想像しにくいわね。そのままでいけばいいのに。わざわざそんな格好しなくても」

上司の言うとおり、凛はさっきまでの髪型をくずし、あまり似合っていないメガネをかけている。

「一回そのままでいったら変に注目を浴びちゃったんですよ。それに、編集長に身だしなみをこうゆうふうにしろって言われたんですよ。仕事場の風景を雑誌やホームページに写真を載せるっていうから」

「カメラの前では普通にいられるのにね」

「それとこれとは別ですよ。それじゃ俺は行きますね」

そういって凛は大学に向かって走り出した


凛は一年前までただのそこらへんにいる一介の大学生だった。大学も有名ではない普通の国立大学だ。国立である時点でそれなりの学力をもっている。別に凛自身に何か変化があったわけではない。凛の妹が腎機能不全になってしまい、透析を必要としてしまったのだ。何故機能不全になったのか詳しいことは分からなかったが、一般家庭の凛の家の経済状況を圧迫してしまった。凛は大学を辞めて働くと言ったが、父親が心配するなっと言って許してくれなかったし、妹が気にしてしまうといわれ大学に未だ籍を置いている。そんな時にバイトの情報誌でパソコンを使った編集作業というのがあった。幸いパソコン作業は得意だったし面接を受けて今に至っている。ただ、写真を撮られたりするとは思わなかった。さらに仕事の最中の会話まで勝手に載せられていることには驚いたものだ。

ただ、そのことは隠しているわけではないが親は知らず、友人たちも知らない。ただ妹と幼馴染にばれてしまって内緒にしてもらっている。

ちなみに凛は知らないが10人いたら2,3人が格好いいというくらいで、後は普通と答える感じだが、少し中性的な顔立ちと、優しく笑っている時が何かいい。さらに、仕事の会話がおもしろいってことでそれなりに男女ともに人気がある


「よお、凛。今日もぎりぎりだな」

講義室に入ると先に入っていた友人が手を振り声をかけてきた。とっておいてくれた隣の席に座る

「講義には間に合ってるし、ちゃんと必要な単位分も選択している。何の問題もないよ」

「そうだけどな。ま、あんまり無理はすんなよ」

この友人は大学に入ってから知り合ったが、気が合うし、よく気がつく人だ。雑誌のことを話した覚えはないがどうも気がついてる節がある。凛としてはあんまり話したくないことなのか、黙っているのでこの友人も何も聞かないし言わないのだ。とてもよくできた人間だ


「それじゃ今日はもう帰るな」

講義を全部終わったところで手早く準備をして、友人に言う。透析は一定周期で行うのでこの友人も今日が早く帰ると思っていたようだ

「はいよ、また明日な」

「明日は休みだけどな」

「おっと、そうだった」

分かって言っているような顔で笑いながら答える友人に見送れらながら、凛は病院に向かった

病院にいくときは父親が送っていってくれるが、帰りは凛が迎えにいっている。透析にどれくらいの時間がかかるとか、よく聞いていないが父親から連絡がくるので、その時間にロビーで待っているのだ

「凛兄、お待たせ」

しばらくすると、妹の千尋がきていた。今中学3年で凛と5歳離れている。妹との仲は至って良好だと凛は思っている。透析をすることになっても暗くなりすぎないで頑張っている

「それじゃ帰ろうか」


透析を行ってくれる病院は凛の家から駅二つ隣のところにあり、大学と同じ市内にある。そのため帰りは地元の駅まで電車で帰ることになる

「やほー千尋ちゃん。元気?ついでに凛も。というより相変わらずの格好なのね」

だから凛をついで呼ばわりする奴に出会っても不思議ではない。もっともこいつとはよくここで会うからほとんど待ち合わせしているような感覚だ。こいつが凛の幼馴染の(れん)だ。歳は同じだし、学部こそ違うが同じ大学に通っている

「うん、いつもどおりだよ。恋姉も元気みたいだね」

「俺はこいつが落ち込んだりしているところをあまりみたことないけどな」

「わかってないわね〜。私はこれでも色々悩み事があったりすんのよ。そうゆうことがわかんないから未だ彼女ができないのよ」

「関係ないだろ。そうゆうおまえこそ彼氏ができたことないじゃないか」

「余計なお世話よ。私はできないじゃなくて、つくらないだけなのよ。私がどれくらい告白されているか知ってる?その気になればすぐにできるわよ」

「はいはい、そうでしたね」

「何そのおざなりな言い方?!」

「…二人とも毎回似たようなことを言ってるよ」

凛と恋に挟まれながら歩いている千尋のため息まじりに言った言葉は二人には届かなかった


1ヵ月後

「ただいまー」

途中で恋と合流することがなく、少し寂しさを感じながら家に帰ってくると、どうやら恋は家にきているようだった。とりあえずリビングに行ってみると、千尋と恋がテレビを見ているみたいだった。気にしないでまずは自分の部屋に行こうとしたら聞き覚えのある台詞が聞こえてきた

『今更言ってもしょうがないかもしれないけど。…僕はずっと君のことが、好きだったよ』

気になったが、自分が出たとラマの時間じゃないし、けっこうよくある台詞だと思い、結局自分の部屋に行くことにした。適当に荷物を置いてリビングに入る

「…これはやばいわね、千尋ちゃん」

「やばいね」

テレビを見ながら恋が言っている。何がやばいのかとテレビを見てみると、自分のでたドラマのエンディングが流れていた。どおりで聞き覚えのある台詞が聞こえるわけだ。予告を見せるわけにはいかず慌ててテレビの電源をきった。それで二人は初めて凛に気づいたようだった

「何すんのよ?!」

「そうだよ、何で消すの?!」

「そんなことより、何でこんな時間にこのドラマがやってんだよ!」

「だってこれ、録画だし」

「…しまった、忘れてた。恋はドラマみないし、うちは俺がなんとかすればバレないと思ってたのに…」

凛が頭を抱えこむ。そんな凛を無視して恋がリモコンを奪いテレビをつけると、ちょうど予告をやっていた。そこにはベッドに横になり腕で顔を覆っている凛の姿があった

「………」

「………」

「………」

あとは主人公のシーンにうつっていく

「今のシーンもやばいわね、千尋ちゃん」

「やばいね」

凛にはあいかわらず何がやばいのかわからない

「今の目薬使ったの?」

「当たり前だろ。あそこまで涙を流すなんてのはできなかったからな。涙目ぐらいならなんとかできたんだけどな。そんなことより、これ誰が録画したんだ?」

もうばれてしまったのだ。慌てても意味ないし床に座ってからはなしを聞く

「大学の友達よ。あんたがドラマにでてるって聞いて驚いたし、録画してたみたいだから借りてきたの」

ドラマのストーリーを簡単に言うと、一人の女の子が憧れの人を目指して上京する話だ。凛はその女の子を好きな幼馴染の役だったのだ。ちなみにさっきのシーンは2話だ

「凛兄、なんで黙ってたの?」

「さすがに恥かしくてな。テレビでの演技なんて初めてだったから。お前らはどう思った?」

「良かったと思うよ。私は凛兄の演技が好きだから、全部よく見えちゃうけどね」

「私もすごく良かったと思うわ。友達からも評価よかったみたいよ」

「そうか、それなら良かった」

凛は二人の言葉を聞いて少し安心したようで自分の部屋に戻っていった



「これであなたのドラマの出番はもうないわね。お疲れ様」

ドラマの撮影が始まって時間を合わせてくれていたマネージャー代わりの人の言葉に凛はようやく力を抜くことができた

「さすがに緊張しっぱなしで疲れましたよ」

「ふふ、初めてなのだから仕方ないわよ。それでね、けっこう人気があったみたいだから、これから、もしかしたらドラマなどの出演依頼が増えるかもしれないけどどうする?」

「それはつまり・・・」

「ええ、変な形としてだけど俳優にならないかってことね。もちろん、あなたが教師になろうとしてることは知っているし、大学は卒業してもらうからそこの心配はいらないわ。ただ、進路の一つとして考えておいてくれないかしら」

「…わかりました」

「時間はまだまだあるから、あせらなくても大丈夫よ。でも、講義までの時間はあまりないかもしれないけどね」

いたずらっぽく言うマネージャーの言葉に慌てて時計を見ると、確かに講義まで時間がない。ここから全力で走って間に合うかどうかってところだ

「それじゃ失礼します!!」

スタジオ中に響くように大きな声を出しながら、荷物を肩にかけて走り出した

「頑張ってねー」



「凛君、もういっちゃったの?」

マネージャーに凛が出演しているドラマの主人公が話しかけた。凛の芸名というかは、名字がなくただ、凛ってだけだ

「ええ、残念でした」

「そうね。でもまた機会はあるでしょ?」

「わからないわ。この世界にくるかわからないのだから」

その言葉に主人公の人は顔をしかめてしまった


これから受ける講義は人気があるためか、大きい講義室を使われている。そのため友人を見つけにくいと思ったが意外とすぐに見つけることができた。今日も隣の席を取っておいてくれたみたいだ

「いつも悪いな。助かるよ」

「気にすんな。しかし、今日はうるさくなるぞ」

人数も多いため必然的に騒がしくなってしまうが、確かに今日はいつもより数倍も騒がしい気がする

「何かあったのか?」

「お前、気づいてないの?」

友人が呆れたようなため息を吐きながら聞いてくる。そんなこといわれても凛には見当がつかない

「相変わらず鈍い奴だな。お前の格好のせいだよ」

言われて思い出した。今日は時間がないからそのままできたのだ。当然ドラマに出たときのままの状態だ

「やばっ!?」

「あーでも、ここはそのままでいたほうが・・・」

友人が何かを言いきる前に急いでいつもの状態に戻ってしまった

「何か言おうとしたか?」

「こんなところでその状態になったらバレるから、今日はいっそそのままで過ごしたほうが後々面倒がなくなるぞっと言おうと思った」

友人の言うとおりだった。周りがさらに騒ぎ始めた。少なくとも同じ学部の奴らには気づかれてしまったようだ

「…そうゆうことはもっと早く言ってくれ。どうしよ〜」

頭を抱える凛である

「ま、今日は講義が終わったらすぐに帰れ。1日たてば少しおさまるかもしれない」

「わかった。迷惑をかけるな」

「気にすんなって言ったろ。お前と一緒にいると退屈しない」

友人は心底楽しそうに笑っていた


講義を全て終え、逃げるようにキャンパスをでて地元の駅についたところで、横から声をかけられた

「凛!!!」

「おわっ?!なんだよ、いきなり大きな声だすなよ。驚くだろ」

「そんなことはどうでもいいのよ。あんた今日、大学で何したのよ?ほとんどの友達からあんたを紹介してくれって言われたわよ」

「いや、ドラマにでた格好のまま大学にいっちまってな。そこで、うっかりいつもの状態に戻っちまったんだよ。でも、俺と知り合いになっても、芸能人に知り合いなんていないのになんだったんだろうな?」

「………」

見当違いなことを考え、恋に聞いているが恋は答えないで黙っている

「恋?」

凛の言葉に顔を上げた恋は決意に満ちた表情をしていた

「いい?!凛。他の女と一緒にいちゃ駄目なんだからね!ぁ、あんたの傍にいていいのは私だけなんだから。分かった?!」

「!!」

言うだけ言って凛の答えを聞かずに走り去ってしまった

友人に鈍いといわれまくっている凛にも、さすがに今の意味は理解できる。凛は恋のことが嫌いじゃない。むしろ、好きか嫌いか問われたら好きと答えるだろう。だけど、それが家族に対するものや友人に対するものと違うかと問われればわからないと答えることになる。そもそも凛には、異性を好きというのがどういう感覚かわからない

進路のことも考えなければならない。マネージャーは慌てなくていいと言っていたけど、のばしすぎるのもよくないだろう

「どうしたものか…」

困ったように頭をかきながら呟いた

これからどうしようか

どうでしょうか?ちょっと強引なところがあると思うけど、楽しんでくれれば幸いです

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