妖怪×日常
「え~、2006年、今から10年前だな。都市伝説などで語られる架空の生き物だった妖怪は、国の発表により、実在することが証明されました。
この時出来た法律を言える人、いるか?」
「はい、怪異共存法と怪異平等法です」
「正解。桜に2点やろう」
良し! とガッツポーズをする『高頭 桜』(たかとう さくら)さん。
俺だってそのくらいは知っていた。 自分から言うのがダルくなければ。
今もチョークを握って黒板に文字を書く社会の教師は、お経を唱えるように教科書の内容を書く。
思わずあくびが出た俺に、「コラッ!」という声がした。
「授業中何だから、もっと真面目にしなさいよ」
「あくびぐらいで大袈裟だな、高頭さんは」
ちなみに、高頭さんの席は、一番前の右側で、俺は一番後ろの右側だ。
「てか、授業中に首を伸ばすなよな。落ち着いてサボれないだろ」
「サボっちゃ駄目なんでしょ!」
首をくねくねと動かし、怒りを表現する高頭さん。
俺、新名 礼二に注意するほどの真面目さんだ。
黒色の短い髪、、特徴の大きな瞳。首こそ伸ばさなければ、小学生と勘違いしてもおかしくない身長。
「ていうか、他の人にも迷惑だろ。早く自分の席に戻れよ」
「自分の席にはいるもーん」
「じゃあ首引っ込めろよ」
「お前ら、授業に集中しろ。夫婦漫才は今度な」
「「付き合ってない‼」」
クラスに笑い声が響いた。