二月十日。実は今日で……
笹浦二高女子ソフトボール部のみんなが、制服でクラッカーを持っています。
夏蓮「さん、にぃ、いち……」
――パカァァ~~~~ン!!
夏蓮「一周年だぁぁ――――ッ!! 皆様、実は今日の二月十日は、私の物語、プレイッ!!◇笹浦二高女子ソフトボール部の物語◆の初投稿日なんです!! 始まってから早一年を経ちますが、皆様の温かな支えがあったからこそ、私たちは今日まで続けてこられました。この場を借りて、キャプテンとして、御礼申し上げます」
一同 ――「「「「……」」」」――
夏蓮「あれ? 何かみんな、あまり嬉しくないの?」
叶恵「あったり前でしょうがッ!!」
夏蓮「うわッ!! ビックリしたぁ……」
叶恵「アンタねぇ!! 今日で一年だぁ~ってはしゃいでるけど、一年経っても一ヶ月ぐらいしか進んでないじゃない!!」
夏蓮「そ、それは……確かに」
柚月「叶恵のいう通りねぇ。今は唯ちゃんメインの話だけど、ちゃんと私ら全員に回ってくるのかしら……」
夏蓮「だ、大丈夫だよ! 作者さんは既に話をまとめてるし、もう私たちの引退のとこまで考えてるから……たぶん」
柚月「ウソくさぁ~」
叶恵「信じられないわ……」
梓「まぁ二人とも、ちゃんと考えてるんだからいいじゃん?」
柚月「梓は、これでいいと思ってるの?」
梓「えっ?」
叶恵「そうよ!! だってアンタ考えてもみなさい!! この一年で、アンタが出た試合いくつよ!?」
梓「……一試合……しかも一回だけ……それに練習試合の……」
叶恵「どうよ!? これでいいわけないでしょ!?」
梓「確かに……もっと投げたい……」
咲「アタシも、もっともっと出たいぃ――!!」
夏蓮「咲ちゃん……」
咲「今の現状ヤダヤダァァ!! だって、涼子ちゃんとの絡みがないんだもん!!」
夏蓮「……そこに不満なのね」
唯「おいおい……オレらだって、不満だぜ。ホントにこの話、いつまでやるんだよ?」
夏蓮「唯ちゃん……それにきららちゃんと美鈴ちゃんまで……」
きらら「そうにゃあ!! きららだってもっと信次くんとの接点がほしいにゃあ!! ねぇミスズン?」
美鈴「……別にあの人はどうでもいいっすけど、うちだって今後が心配っす……」
メイ「はいは――いッ!! ワタクシたちも、唯ちゃん先輩たちと同意見で~す!! 一寸先は闇としか感じられませんね!!」
凛「なんでこの娘は、あんなに楽しそうに言ってるの?」
菫「まぁまぁ! メイさんらしくて、いいんじゃないかな? でも、あたしたちもどうなるんだろうね?」
夏蓮「ダメだ……みんなの不満が止まらないよ~……」
信次「――心配はいらないみたいだよ!」
夏蓮「せ、先生!!」
唯「なんだ、お前今回は出るのかよ?」
信次「もちろんさ!! 前回は出られなかったから、今回はちゃんと仕事を空けてきた」
菫「年始から、お仕事だったんですね……」
叶恵「ところで、アンタ何持ってんのよ?」
信次「あ、これかい!? みんなのプロット用紙だよ!! それぞれメイン回の内容で、作者が一枚ずつ渡したいってさ」
夏蓮「良かったぁ。ちゃんと考えてるみたい」
柚月「どれどれ……へぇ……あやつと再会、か……それに、またこうなるのね……」
咲「………………おッ!! ヨッシャー!! アタシと涼子ちゃんの絡みがあるよ!! アタシも再会パターンだ!! でも、あんまり嬉しくない話かも……」
叶恵「……へぇ。結構ヒドイこと思い付くヤツね、私らの作者って……」
きらら「……やっぱ、そうよね……あの話は避けられないみたいですわ」
美鈴「き、きらら先輩……?」
きらら「……ミスズン、どうかしたかにゃあ!? ミスズンのは、どうかにゃあ?」
美鈴「あ、うちっすか? そうっすね……あぁ、こうなるんだ……残念というか、情けないというか……」
唯「……えっ!? オレ、また別にメイン回やるのかよ!? しかもこれ、引退した後の話……マジ、かよ……慶助が?」
菫「ライバル登場かぁ~……でも、酷いことする人なんだなぁ。ねぇ、メイさんはどう?」
メイ「……あっ!! ママが出ますよ~!! でも、結構マズイ状況での登場ですねぇ」
菫「なんか、あまり良さそうじゃないみたい……ねぇ、凛は?」
凛「……ゴメン、言いたくない」
菫「へっ!? どうして?」
凛「ゴメン、わたしの話は、菫の今後に関わってるから、どうしても……」
菫「そ、そう?……」
梓「――やっぱり、あのときの……」
信次「まぁ内容はともあれ、みんなにはちゃんと未来が保証されてる! だから安心してほしい!!」
叶恵「確かに、ソフトボール題材にしてるけど、バリエーションがものすごく富んでるわ」
きらら「なかなか酷にゃあ……」
メイ「でも、ワタクシのはHappy endですよ!」
咲「ねぇ、夏蓮はどうなの?」
夏蓮「……」
咲「夏蓮?」
夏蓮「……えっ、いや! 何でもないよ、全然!! アハハハ~、今後が楽しみだなぁって思ってさ!!」
咲「ホントにぃ~?」
夏蓮「ホントホント! ねぇ、先生?」
信次「うん!! これからも、みんなで力を合わせて頑張ろう!! 目指すは、インターハイ!! 県のトップを狙うからには、相当の努力が必要だね!!」
夏蓮「……努力……相当の努力って、どれほどなんだろう……」
梓「夏蓮……?」
夏蓮「みんな、円陣で終わろう……」
叶恵「またそれぇ!? 他に締めかた無いの?」
咲「いいじゃんいいじゃん!! アタシ、これ結構好きだもん!!」
夏蓮「みんな、肩組んで……」
梓「う、うん……」
柚月「りょーかい」
咲「もちのろん!!」
叶恵「ったく、仕方ないわねぇ……」
唯「ほらよっと」
美鈴「ゆ、唯先輩の、腕……腕だはぁ……」
きらら「……」
メイ「そりゃあ!!」
菫「よしっと! 凛、苦しくない?」
凛「大丈夫、このくらい心配いらないよ」
夏蓮「――みんな、ゴメン!!」
一同 ――「「「「――?」」」」――
夏蓮「……こんなキャプテンで、頼りがいがなくて……きっとこれからも、たいへんな迷惑をかけると思うの……だから、ゴメン……」
唯「――へへ、気にすんなよ」
夏蓮「えっ?」
唯「わりぃけど、オレだってそうみてぇだぜ?」
美鈴「うちもっす。不安なのは、キャプテンだけじゃないと思うっすよ」
きらら「みんな、同じ気持ち……にゃあ」
夏蓮「唯ちゃん、美鈴ちゃん、それにきららちゃん……」
菫「あたしたちだって、正直怖いですもの」
メイ「不安あってこその、夢の道ですよ!! 夏蓮ちゃん先輩!!」
凛「だから、謝らないでくださいね」
夏蓮「菫ちゃん、メイちゃん、凛ちゃんまで……」
叶恵「ほらっ! アンタが元気なくてどうすんのよ? キャプテンでしょうが」
咲「夏蓮だって、アタシたちに頼っていいんだからね!!」
柚月「まぁ、できれば自分で解決してほしいけどねぇ」
梓「私らがここにいられるのは、夏蓮のおかげなんだからさ」
夏蓮「叶恵ちゃん、咲ちゃん。柚月ちゃんに梓ちゃん」
信次「――凶のメは、明日には芽吹く!!」
夏蓮「せ、先生……?」
メイ「信次くん先生、突然なんですか? そんなことわざ聞いたことありませんよ?」
信次「誰にだって苦悩や困難があるのさ、生きてる以上はね。だけど、それらは決して永遠には続かないんだよ。夜が訪れれば、次第に朝が来る。雨が降れば、後に太陽が現れる。闇が襲えば、光が照らしてくれる。不幸が舞い降りれば、幸せが振り撒かれる。そして……」
夏蓮「そして?……」
信次「――絶望を知れば、希望はより輝く。絶対にね」
夏蓮「先生………………うん! みんな!! これから先は、確かに辛く厳しい現実が待ってる。でも、みんなで乗り越えていこう! ううん、どうか! 乗り越えさせてッ!!」
唯「あったりめぇだ! オレだって、まだ家族のことは諦めてねぇからよ!」
美鈴「うちも……勉強と部活の両立してみせるっす!!」
きらら「そうにゃあ……生き別れたあの娘になんて、きららは屈しないにゃあ!!」
メイ「ワタクシもですッ!! ママのため、一人の親友のため、精いっぱいやりますッ!!」
菫「あたしだって、凛のために、凛といっしょに頑張ります!!」
凛「ありがとう……菫」
叶恵「私がどれだけ成長したか、あのムカつく天才に見せつけてやるんだから!!」
咲「涼子ちゃんのためにも、そしてスターガールズのためにも、アタシが教えてあげなきゃ!!」
柚月「私だって、見てるだけと思ったら大間違いよ……」
梓「乗り越えられない壁なら、撃ち破ればいい。再び悲劇で倒れたら、また起き上がればいいんだ」
夏蓮「みんなといっしょに……ずっといっしょにいたい。大切な仲間だから! そう、私たちは、最高の絆で結ばれた仲間たちだから!!」
信次「みんなといっしょなら、大丈夫だッ!!」
夏蓮「かがやけ――――――――!!」
一同 ――「「「「笹二ファイト――――――――――――!!」」」」――
初投稿から一年。今日まで応援してくださる方々には、本当に感謝を申し上げます。ワガママであることは承知の上ですが、どうか今後もよろしくお願い致します。
皆様、こんにちは。
今日でこの作品と付き合って、早くも一年が経ちました。蓋を開けてみれば、全然物語が進んでいないことに気づかされ、たいへん驚いております。
しかし、今後も完成に向けて書き続けます!!
見てくださってる方、存在を知っていらっしゃる方も含め、どうか今後も末永くよろしくお願いします。