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可創源日  作者: 空端 明
第一章 氷窟
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いざ、氷窟へ

「こっちで合っているんだっけ?」

「方向は間違っていないと思うけど」

「少し空気が冷たくなってきているので、合っていると思います」


 私たち一行は、例の氷窟を目指して歩いているところだ。

 初めは比較的平らな草原だったが、途中から雪と氷で足場の悪い地面に変わったうえ、一人は視界を塞がれ、一人は足を封じられている状態なので、ひたすらゆっくりだけど。来曰く、例え浮いていると言っても、魔法を連続で使い続けるのは疲れるのだそうだ。魔法も便利なだけじゃないんだね。

 ふいに、私の服の裾がくいと引っ張られるのを感じた。


「ん?」


 そちらを見ると、きなちゃんが向こう真っすぐを指差している。目を細めてそちらを見ると、遠くにぼんやりと白いドーム状のものが見える。おお、たぶんあれが目的地だろう。


「あっ、ホントだ。見えてきたね!」


 白い空と同化してしまいそうな氷の洞窟。それを見つけたことに感心した私は付け足した。


「というかきなちゃん、目いいんだね!」


 私が悪いだけかもしれないけど。きなちゃんは照れたように目線を逸らした。


 ……このメンバー、褒められ慣れてない人多くない?


「本当だ、もうすぐだな!」


 目標が見えて元気の出た私たちは、黙々と残りの距離を縮めた。


**********


「あっれ……意外と小さいな」


 目指していた氷窟を前にして、来は率直な感想を漏らした。

 白く濁った氷のブロックが隙間なく積み上がり、一つの建造物を成している。が、あの俯瞰映像から想像していたよりは、規模が小さいような気もする。

 そうは言っても、私たちの背丈よりは十分高いし幅もずっとあるのだけど。ただ、中にそれほど多くのものがあるとは思えない。


「あの、氷窟は確か、地下に続いているはずですが……」

「へえ! じゃあこれは、ただの入り口ってことか?」

「そういうことになりますね」

「……影人はなんで、そんなこと知っているの?」

「え、以前本で読んだことがあるので、もしかしたらと思っただけです」


 かまくらとも思えるドームの側面にそって、私はぐるりと歩いてみた。

 ずいぶん昔からあるような、どっしりとした佇まい。中にはどんな秘密が眠っているのだろう?


「あっ、入り口発見」


 単調な外壁の一部に、少し屈めば入れるくらいの穴が、ぽっかりと空いていた。

 中からはよそ者を歓迎しないと言わんばかりに、肌寒い冷気が流れてくる。


 私は皆が入り口に集まるのを待って、声をかけた。


「何があるか分からないし、気を引きしめていこう」

長らくお待たせしてしまいすみません……

月1更新を目指しますが、今後どのようになるのかまだ分かりません。


ようやく冒険が始まりますよ!!!

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