十二の詩《うた》 第十五回
十二の詩 第十五回
① 夢に見る、神々しいばかりのイチジク。
② 悪夢は正夢になるというが、今がまさにその時。
③ 自販機から出てくる怪しいドリンク。
④ 情緒不安定な体と、その気分。
⑤ 墓まで持っていく秘密、万人に知れ渡る。
⑥ 隠し通せる物ではない、分かっていたが、解ってなかった。
⑦ 七色に輝く玉虫の、翅を剥いでそっとしまう。
⑧ 赤味噌と白味噌の結婚、合わせ味噌の出来上がり。
⑨ 近寄りがたい服装に良くある格好、見てみぬ振りをする街行く人々。
⑩ ボールペンの先に光る小さなそれは、インクを呼び起こす奇跡の輝き。
⑪ その触角に触れてみる、ブヨブヨ、フカフカ。
⑫ 自意識過剰に反応してみる、世間に歌舞いて生きてみたい。
平成二十四年一月二十九日 記す