第二章〜再会〜
「王様、この方はアルド国一番の剣士として長年王家に仕えてきたウェル一族です。そして、先月亡くなられましたサルド様の息子かと思われます。」
「なに!?あの、行方不明になった、サルドの息子ライフとは君の事だったのだな。ライフ、私は会えて嬉しいぞ。父上の事は残念じゃったが王家に仕えるウェル一族として全力を尽くしてくれ。おい、ロンド、この方に良く持つ食料と腕の立つゴブリンを一匹用意してくれ。」
「それじゃ、いいんですね!」
ライフの声が自然と大きくなる。
「ああ。我が国、そしてサルドの為にも頑張ってくれ。」
「はい!」
ライフは涙を流して喜んだ。
その夜、ライフは城を歩いていた。
「こんばんわ。」
女の声がして、ライフは慌てて振り返った。
「あなたは?」
ライフが問いかけると、女が微笑みながら答えた。
「私はユナです。この城に仕えてる者です。あなたはライフさんですね?」
ライフは戸惑っていた。朝が迫って来ていた。こんな所で油を売っている暇はないのだ。
「王様から聞いております。なぜ、あなたは確実に助かるかもわからないのに、旅に出るのですか?」
ユナはまだ微笑んでいる。ライフは戸惑いながら口を開いた。
「私の家族は皆…戦争で死んでしまいました。この国の一番の剣士であり、私の一番尊敬してきた方も、大好きだった母も、いつもそばにいた兄や妹も。みんな…みんな、この戦争のせいだ!!」
微笑んでいたユナの顔が、真剣な表情になっていた。
「だから…だから私は、早くこの戦争を止め、一人でも多くの人民を救いたい…。」
ライフの目には自然と涙が滲みでている。
「そんな過去を話してくれて有難う。あなたには、すごく強い想いがありますね。そんなあなたにはこれを差し上げましょう。」
ユナが投げた物体がキラリと光った。
「これは…剣!剣ですね。すごい綺麗な彫刻がされていますね。」
その剣には王家の紋章と宝石が散りばめられていた。そして、その剣は薔薇のように赤く輝きライフは目を奪われた。
「その剣は、あなたの父サルドが、あなたがピンチになった時に渡してくれと頼まれてものです。」
ユナがまた微笑み出した。
「えっ、父がそんなことを…。そうですか、有難う御座います。ところで、あなたと父はどんな関係ですか?」
「まだ、秘密です。」
ユナはにっこり笑いながら答えた。
「そうですか…。」
ライフは言いながら、そっとそこを離れた。たぶん、自分の部屋に戻ったのだろう。
「サルド様の息子か。こんな所で会えるとはね。」
ユナがボソっと呟いた。
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