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第0話 プロローグ

2070年。世界中にある日突然、空から『それ』が降ってきた。

 

 未知のエネルギーを内包したその飛来物は、瞬く間に世界中の研究者たちの間で大騒動を巻き起こし、日夜研究が続いていった。やがて、数々の巨大企業が『それ』を自社コンテンツとして独占しようと取り合いが始まった。


 それらから生き残った企業──スターズインダストリアルは、それを「BGL」として広く一般に販売を始めた。

 

 巨大複合企業であり、世界で最も大きな規模を誇るスターズインダストリアルは、手に入れた部品や技術を一般向けに落とし込み、手のひらサイズの小型ホビーロボットとして広く販売を開始した。

 

 ──『それ』こそが、『BGL』、Break Gear Robotの誕生である。


 しかし、『BGL』は手のひらサイズにしてはあまりにも殺傷能力が高く、犯罪行為に用いる輩がいた。そのため、販売から数日後に反対派の声が続出し、政治家の間でも政府に対し厳格な規制や販売中止を求める声があった。


 その声に対応するかのように、スターズインダストリアルはいち早く安全な利用ができるよう、驚異的なスピードを持って対策を世界中へ繰り広げていった。それが超高速で大容量通信の『クォンタム・リンク』と、外部への衝撃、電磁波を約80%遮断する特殊ハニカム構造の透明コンテナの『Cキューブ』が誕生した所以だ。


 これら安全対策を施した結果、2078年となった今、「BGL」は世界中で広く遊ばれる玩具となり、最も普遍的なものとして子どもから大人まで熱狂するものへ変化していったのだった。


 これ以上の安全対策を行えば大丈夫だろうと、誰もが疑わず、熱狂した世界の裏で、どれほど歪な「悪意」が隠されているかなど、まだ誰も知る由も無かった。そして、この「BGL」を誕生させた1人の研究者が不慮の事故で命を落とした、本当の理由もまた知る由もなかっただろう。


 ──この時から、運命の歯車は回る。1人の少年が『BGL』を手にすることで。


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