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『どうせ私なんて』をやめたら、世界が少し静かになった  作者: 春凪とおる


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第一話

新しい作品です

少しだけ、笑うのがうまくなった。


鏡の前で、口角を上げる。

ほんの少し。


視界の端で、数値がわずかに揺れた。

それだけで、何かが変わるなんて思っていなかった。




端末に触れる。

新しく導入された補助AIを起動する。


「……きれいになりたいんですけど」


内側に、直接響く声。


定義を確認します


「……え?」


誰にとっての美しさですか


答えられなかった。


きれいでいたい。

ちゃんとしていたい。

嫌われたくない。


どれも混ざっていて、はっきりしない。


画面を閉じる。

時間だった。




昼下がりの休憩室。


「お疲れさまです」

神崎さんが振り向く。


今日も、整っている。


「お疲れ。水瀬さん」

「今日も安定してるね」


いつもなら、すぐに否定していた。

でも——


「……ありがとうございます」


少しだけ間を置く。

神崎さんが目を細める。


「……なんか、変わった?」


うまく答えられない。

ただ、さっきの言葉が残っている。




誰にとっての美しさですか


自己否定の回避を確認


(……見てるんだ)


鏡を見る。

同じ顔のはずなのに、少し違う。


たぶん——

自分を雑に扱わなかったから。


「水瀬さん」


「そのリップ、似合ってる」

「ありがとう」


選択が変化しています


その日、数値はほんの少しだけ動いた。

理由は表示されない。


顔じゃない。

選び方だ。


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