女王の花園
ある国にそれはそれは美しい女王様がおりました。
彼女は美しい物も大好きです。
ある日、女王様は「素晴らしく綺麗な庭のある家」の噂を耳にします。
彼女は自分の宮殿の庭師たちに言いました。
「噂の園を、私の庭園へと移しなさい」
庭師たちのお陰でなんとか移し替えは終了です。
移植された庭の花々たちで、女王様もうっとりと眺めて終始ご満悦のご様子。
しかし花の命はとても短く、直ぐに枯れてしまいます。
だから女王様はもう1度命じました。
「あの家はまた新しい花を植えるそうじゃない。また私の庭へと移し替えておきなさい」
その後、庭師たちは困り顔で、ある若い女性と共に女王様の元へ参りました。
彼女は美しい庭の主であり、女王様にどうしても伝えなければならないことがあるというのです。
若い女性は言いました。
「女王さま、新しい花たちは植えたばかりでやっと芽が出てきたばかりなんです」
用は済んだとばかりに彼女は去っていきました。
「まだ用は済んでいない」という制止を、土が詰まった指先のある手でなんとか全員を振り切って。
怒り心頭の女王様、なだめる事は困難でした。
他に女王の好きそうな物を多くの家臣が進呈し「花?なんでしょう、我々には」と言い切る事にしたのです。
もちろん、そんな事には騙されませんでしたが次第に女王の怒りも収まってきました。
数ヶ月後、女王へ百花繚乱の言葉が相応しい目にも鮮やかな花々が描かれた大きな絵画が隣国から届きました。
そんな物を女王様の目に触れたら大変だと、さっさと家臣たちはそんな絵画を捨ててしまいます。
そして今ではこの国に本当の花と言うものを見た事のある人は1人も居なくなりました。
お読みくださりありがとうございました。
あんたの書いた物また読んでやってもいいよ。と、思って頂けたら最高に嬉しく思います。




