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童話っぽい短編集  作者: 如月ふたば


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木とお話する人

 むかしむかしあるところに、木に細工をするのが大好きな女性がおりました。

 彼女は薪の一部にノミを使い思いついたものを彫るのです。


 その趣味を知ったご近所さんのおじいさん。

 「そんな薪の使い方勿体ないじゃないか」

 と、女性に言います。


 「いいじゃないですが、わたしの薪ですから自由に使ったって」


 不服そうにしたおじいさんは、彼女に提案をしました。

 「良かったら薪がどうなったか見せておくれ」


 彼女は首を縦に振り、作った様々の作品を見せました。

 魚を捉えたばかりの鷺

 肉食動物から逃げ惑う姿の兎

 おじいさんは感動しました。


 もう少し見て見ていると他には、のんびりくつろぐ猫。

 穏やかに過ごす馬といった、見ているだけで笑顔になる物も。


 おじいさんは言いました。

 「こ、これらを売ったら薪がもっとたくさん買えてもっともっとたくさん彫る事ができるぞ」と。


 「今くらいの速度が良いんです。

 薪が話しかけてこないと、何も作れませんから」

 そう答えた女性はそのままずっと自分の歩調で木と話し合いながらノミを使い続けました。

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