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プロローグ

無限の次元が複雑に絡み合い、渦巻く深淵なる空間――“次元の狭間”。


この広大な混沌の領域では、あらゆる無限の次元のポータルが繋がっており、そんな中で“次元の狭間”で恐るべき存在、“次元獣”が蠢いていた。


奴らは貪欲な顎で次元の境界を食い破り、そのおぞましい大群は、全次元に破滅をもたらす猛威を振るっていた。


次元獣の大群が咆哮し、その圧倒的な数の中ただ一人、食い止め続けていた戦士がいた。


その名はゾーンゼロス。


次元の秩序と平和を守るために、孤独な戦いを続ける伝説の次元勇士の一人だ。


彼は幾度となく、次元獣の残忍な侵攻を阻止してきた。


しかし、運命は時に、最も勇敢な戦士にすら残酷な試練を与える。


それは、これまでで最も苛烈な激戦の最中だった。


次元獣の群れは、これまでのどんな戦いよりも巧妙かつ執拗にゾーンゼロスを追い詰めた。


無数の次元獣が波のように押し寄せ、彼の鋼の防御を打ち破ろうと襲いかかる。


ゾーンゼロスは傷つきながらも必死に応戦したが、その時、次元獣の一体が不覚にもそれは、次元そのものを歪めるほどの強大なエネルギーを秘めた一撃。その閃光はゾーンゼロスの眼前に広がり、彼の全存在を飲み込もうと迫る。


その一撃は、ついに彼の強靭な防御を完全に打ち破った。


ゾーンゼロスの体は、制御不能な勢いで宙を舞い、周囲の空間がねじれる光景の中に消え去った。


彼が吸い込まれていったのは、眩いばかりの光を放つ次元のポータル――。


それは、次元の狭間に突如として開いた、何処に繋がっているのかも不明な未知なる世界への入り口だった。


ゾーンゼロスの意識は急速に薄れ、最後に見えたのは、彼がこれまで守り続けてきた無数の次元の輝きだった。


ポータルの先へと吸い込まれたゾーンゼロスが辿り着いたのは、彼の知るいかなる次元とも異なる、まったく未知の世界だった。


「ここは…?」


そこは、色彩豊かな森と、澄み切った大気が広がる、穏やかな風景に満ちていた。


しかし、その平和な光景とは裏腹に、ゾーンゼロスは途方もない衝撃に襲われる。


(こ、これは…?!)


なんと、彼はこの世界に落ちた衝撃で、これまでの勇壮な戦士の姿――強靭な肉体と、次元の力を纏う鎧を身につけた姿――から、まったく異なる“人間の姿”へと変貌していたのだ。


かつての強大な力は失われ、見慣れない自身の姿にゾーンゼロスは戸惑いを覚える。


「一体…何が…?」


自分が何故、このような()()()姿()に変貌したのか?


こうしてゾーンゼロスはこの未知の世界で、予期せぬ形で幕を開けたのだった――。

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