第九話 董卓、最期の時! しかし…乱世は終わらない!?
王允の仕掛けた「連環の計」は、見事に炸裂!
最強の用心棒・呂布と、暴君・董卓の仲は、もう最悪!
呂布は、貂蝉を奪われた(と思い込んでいる)恨みと、董卓への不信感で、心の中は怒りのマグマがグツグツ状態!
(((あのデブ親父…! いつか、絶対…!)))
そんな呂布の心の揺れ動きを、王允は見逃さなかった。
王允は、こっそり呂布に接触!
「呂布将軍…もう、お分かりでしょう? 董卓は、あなたのことなど、ただの道具としか思っていませんぞ!」
「…」
「それに、貂蝉殿も、本当はあなたのことを…! このまま董卓の言いなりになっていて良いのですか!?」
悪魔のささやき(いや、今回は正義のささやき?)
さらに王允は、ダメ押しの一言!
「呂布将軍! あなたこそが、真の英雄! 今こそ立ち上がり、国賊・董卓を討ち、漢王朝を救うのです! そうすれば、貂蝉殿も、あなたのものに…!」
「!!!」
呂布の心は、決まった!
(((そうだ…! 俺が董卓を倒せば、国も救える! 貂蝉も手に入る! 俺が、ヒーローになるんだ!)))
単純だけど、決めたら早いのが呂布!
「王允殿…! わかりました! この呂布、国のため、そして…貂蝉殿のために、董卓を討ちます!」
「おお! よくぞ決断してくれた、呂布将軍!」
二人は、ガッチリと固い握手を交わした! 打倒・董卓の密約、成立!
計画実行の日。
王允は、「皇帝陛下が、董卓様に帝位をお譲りになるそうですぞ!」という真っ赤なウソの情報を流し、董卓をウキウキ気分で宮殿におびき寄せた。
「ぐへへ…ついにワシが皇帝か! 長生きはするもんじゃのう!」
董卓は、何の疑いもなく、豪華な馬車に乗って宮殿へ向かう。
宮殿の門の前には、王允と、そして…武装した呂布とその部下たちが待ち構えていた!
董卓「ん? 呂布、お前も祝いに来てくれたのか? よきにはからえ」
まだ、何も知らない董卓。
しかし、門をくぐった瞬間!
「「「逆賊・董卓! 天に代わって、成敗する!!」」」
王允の合図と共に、隠れていた兵士たちが、一斉に董卓の馬車に襲いかかる!
ザシュッ! バキッ!
護衛の兵士たちは、あっという間に斬り伏せられる!
「な、なんだ!? 何事じゃ!?」
董卓、ようやく異変に気づく! パニック!
「呂布! 呂布! 助けろ! ワシを助けんかーー!!」
必死に、義理の息子の名前を叫ぶ董卓!
しかし、その呂布は…
冷たい目で董卓を見下ろし、方天画戟を構え、静かに言い放った。
「…皇帝陛下の詔である! 逆賊・董卓を、討て!!」
「な…にぃ…!?」
董卓、絶望! 顔面蒼白!
(((裏切った…! このワシを、裏切ったな、呂布ーーー!!!)))
呂布の部下たちが、董卓の体を槍でメッタ刺し!
「ぐはぁっ!」「ぎゃあああ!」
そして、とどめは…呂布自身が!
方天画戟を振りかぶり…
「うおおおおおお!!!」
ズバァァァーーーッ!!!
暴君・董卓の巨体は、呂布の一撃によって、真っ二つに引き裂かれた…!
稀代の悪役、董卓、ついに死す!
「「「うおおおおお! 董卓を討ち取ったぞーー!!」」」
宮殿中に、歓喜の声が響き渡る!
長安の街の人々も、董卓が死んだと聞いて、大喜び!
「やったー!」「これで平和になるぞ!」
お祭り騒ぎ!
王允は、漢王朝を救った英雄として称えられ、呂布もまた、「国賊を討った勇者」として、人気爆発!
そして、呂布は念願の貂蝉を手に入れ、二人はめでたく(?)結ばれた。
めでたし、めでたし…
…と、なるワケがなかった!!!
董卓には、まだ忠実な部下たちが、遠くの地に残っていた。
その中でも、特にヤバいのが、**李傕と郭汜**っていう、脳筋タイプの武将コンビ。
董卓が殺されたと聞いて、二人は大パニック!
「やべぇ! 親分がやられた!」
「俺たちも殺されるんじゃ…!?」
オロオロする二人。そこへ、一人の男が冷静に進み出た。
彼の名は、賈詡。字は文和。
見た目は地味なオッサンだけど、頭の中は超キレキレ! 三国志時代でも屈指の、**「毒」**を持った策士だ!
(ただし、自分の保身が第一!)
賈詡は、李傕と郭汜に、悪魔の囁きをする。
「李傕様、郭汜様。このまま逃げても、どうせ追われて殺されますぞ」
「じ、じゃあ、どうすれば…?」
賈詡「(ニヤリ)…簡単なことです。長安に攻め込んで、董卓様の仇を討つのです!」
「「ええええーーーっ!?」」
李傕と郭汜、ビックリ!
「む、無理だろ! 長安には、あの呂布がいるんだぞ!」
賈詡「ふふふ…呂布は強いですが、しょせんは一人。我々には、董卓様が残された大軍勢がいます。そして、『董卓様の仇討ち』という大義名分もある! 長安の民や、元董卓軍の兵士たちも、我々に味方するかもしれませんぞ?」
「な、なるほど…!」
賈詡「今、長安は董卓が死んで、油断しきっています。そこを奇襲すれば、勝機は十分にあります! 成功すれば、あなたたちが長安の支配者になれるのですよ?」
甘い言葉で、二人をそそのかす賈詡。
李傕と郭汜は、元々、力こそパワーなタイプ。
「よし! やってやるぜ!」
「董卓様の仇だ! 長安を奪い返せ!」
賈詡の策略に、まんまと乗せられた!
李傕と郭汜は、董卓の残党軍をかき集め、**「董卓様の仇討ち!」**をスローガンに、長安目指して進撃開始!
その知らせは、すぐに長安の王允と呂布の元にも届いた!
王允「な、なんだと!? 李傕と郭汜が攻めてくるだと!?」
顔面蒼白! 油断しきっていた!
呂布「フン! 雑魚どもめ! 俺一人で十分だ! 返り討ちにしてくれるわ!」
相変わらず、自信満々の呂布。
しかし!
李傕・郭汜軍の勢いは、予想以上だった!
「仇討ち!」の勢いに乗って、各地の元董卓軍の兵士たちが、どんどん合流! 雪だるま式に兵力が増えていく!
そして、ついに長安の城壁に到達!
「「「うおおおおお! 董卓様の仇ーー!!」」」
ものすごい勢いで、城門に殺到!
呂布は、自ら城門の上に立ち、方天画戟を振るって奮戦!
「雑魚どもが! 近づくな!」
**バッタバッタ!**と敵兵をなぎ倒す! さすがの強さ!
だが、敵の数が多すぎる!
次から次へと、城壁をよじ登ってくる!
しかも、城の中からも、元董卓派だった兵士たちが、内応して門を開けようとする動きが!
「やべぇ!」「裏切り者だ!」
王允「くっ…! もはや、これまでか…!」
王允は、漢王朝の未来を悲観し、自ら命を絶ってしまった…。
呂布も、奮戦むなしく、ついに長安を維持できなくなった。
「クソッ! こうなったら、逃げるしかねぇ!」
呂布は、愛する貂蝉と、わずかな手勢を連れて、命からがら長安を脱出!
再び、流浪の身となってしまった…。
こうして、董卓亡き後の長安は、李傕と郭汜という、董卓以上に(ある意味)タチの悪い連中に支配されることになった。
彼らは、権力を巡って仲間割れしたり、皇帝を人質に取って好き放題したり…長安は、再び地獄絵図と化す!
賈詡は、そんな混乱を横目に、「やれやれ…」と自分の身の安全だけはしっかり確保していた。
董卓という巨悪は滅びた。
しかし、乱世は、より深く、より混沌とした時代へと突入していく!
逃亡した呂布の運命は?
各地で力を蓄える英雄たちは、どう動くのか!?
(続く!)
第十話 西涼の風、吹き荒れる! そして…復讐の黒い炎!
次回をお楽しみに!