第七話 白馬の貴公子、颯爽登場! そして…悲劇の虎
打倒・董卓!で燃え上がった反董卓連合軍。
でも、董卓が都を燃やして長安に逃げちゃうと、あっという間に解散!
「じゃあなー!」「またなんかあったらよろしくー!」
各地のヒーローたちは、それぞれの地元に帰っていった。
…で、平和になったかって?
んなワケねーーーだろ!!!
今度は、そのヒーローたち自身が、「俺が一番だ!」って領土の奪い合いを始めちゃったんだ!
マジで、戦国時代突入!
まず、デカいケンカを始めたのが、北の方にいた二人。
一人は、名門出身でプライド激高の袁紹。反董卓連合の元リーダー。
もう一人は、白い馬に乗ったエリート部隊「白馬義従」を率いる、イケイケ武将の公孫瓚。劉備たちの元上司みたいな人だ。
「公孫瓚! テメェ、俺のシマ(領土)荒らしてんじゃねーぞ!」
「はぁ? 何言ってんだ、袁紹! ここは俺の庭だ!」
二人の間には、元々ビミョーなライバル関係があったんだけど、ついに火花がバチバチ!
両軍は、磐河っていう広い河原で、ガチの全面対決!
「「「うおおおおおお!!!」」」
土煙を上げて、両軍が激突!
袁紹軍の切り込み隊長は、顔良と文醜っていう、ゴリゴリのパワー系猛将コンビ!
「「行くぜ、オラァァァ!!」」
**ドガガガ!**と公孫瓚軍に突っ込む!
対する公孫瓚軍も、自慢の「白馬義従」が迎え撃つ!
白い馬に乗った兵士たちが、**ヒュンヒュン!**と弓矢を放ちながら、華麗に戦う!
「白馬隊、なめんなよ!」
一進一退の攻防! …かと思いきや、袁紹軍に隠し玉がいた!
麴義っていう、盾と強弓を巧みに使う、戦術家タイプの武将だ!
麴義は、白馬義従の弱点を見抜き、見事な作戦でこれを撃破!
「うわー!」「白馬隊がー!」
公孫瓚軍、大ピンチ!
「クソッ! こうなったら俺が!」
公孫瓚自身が、馬に乗って突撃しようとした、その時!
「待て! 公孫瓚! 危ない!」
袁紹軍の顔良と文醜が、ニヤリと笑いながら公孫瓚に迫る!
二対一! しかも相手はパワー系! 絶対絶命!
(((終わった…!)))
公孫瓚が死を覚悟した、その瞬間!
「そこまでだ!!」
シュバァァァッ!!!
どこからともなく、一人の若武者が、白い馬に乗って颯爽と現れた!
銀色の鎧に身を包み、手には鋭い槍! 顔立ちは、少女漫画に出てきそうなレベルのイケメン! しかも、めちゃくちゃ強いオーラを放ってる!
「何奴!?」
顔良と文醜が、ギョッとする!
若武者は、名乗りもせずに、槍を構えて二人に向かって突撃!
「ハァァァッ!!」
シュババババ!!! 槍が唸りを上げる!
まるで舞うように、顔良と文醜の猛攻をかわし、逆に鋭い突きを繰り出す!
ガキン! ドン! ズバッ!
「ぐわっ!」「つ、強ぇ!」
顔良と文醜、まさかの苦戦! イケメン若武者一人に、翻弄されまくり!
その隙に、他の武将たちが公孫瓚を救出!
「あ、ありがとうございます! あなたは一体…?」
公孫瓚が尋ねると、若武者は爽やかに微笑んで答えた。
「常山の趙子龍と申します! 公孫瓚様をお助けに参りました!」
そう! 彼こそが、のちに劉備の元で大活躍する、五虎大将軍の一人、趙雲!
この磐河の戦いが、彼の鮮烈なデビュー戦となったんだ!
趙雲の活躍もあって、この戦いは結局、引き分けに終わった。
(劉備たち三兄弟も、この頃はまだ公孫瓚のところにいたから、きっと遠くから趙雲の活躍を見て「おぉ…!」ってなってたはず!)
一方、その頃…
あのヤバいハンコ、「伝国の玉璽」をゲットした**孫堅**は、意気揚々と故郷の江東目指して、軍隊を引き連れて南下していた。
(((フフフ…これさえあれば、俺も皇帝に…!)))
ニヤニヤが止まらない孫堅。
しかし!
玉璽をネコババしたことは、すでに袁紹にバレていた!
袁紹は、孫堅が通るルートにある荊州の支配者、**劉表**に、こっそり手紙を送っていた。
「孫堅が玉璽パクって逃げてるから、捕まえちゃってヨロシク☆」
劉表は、学者肌のインテリ系おじさん。見た目は穏やかだけど、結構、腹黒いタイプ。
「ほう…玉璽とな? 面白い…」
劉表は、袁紹の頼みに応じて、部下の猛将・**黄祖**に命じて、孫堅軍の行く手を阻んだ!
「待て、孫堅! そこを通りたければ、玉璽を置いていけ!」
黄祖軍が、道をドーン!と封鎖!
孫堅、カッチーン!
「あぁ!? なんだテメェら! 俺は『江東の虎』だぞ! 道をあけろや、コラー!」
「嫌だね! 劉表様のご命令だ!」
「ならば、力ずくで通るまでだ!!」
孫堅 VS 劉表(代理:黄祖)軍、バトル開始!
孫堅は、さすが「江東の虎」! めちゃくちゃ強い!
「うおおおお! 邪魔するヤツは、斬る!!」
**バッサバッサ!**と黄祖軍の兵士をなぎ倒していく!
黄祖も必死に応戦するけど、孫堅の勢いに押されて、ジリジリ後退!
「く、くそっ! こいつ、強すぎる!」
孫堅「ハッハッハ! 雑魚どもめ! 黄祖、覚悟しろ!」
孫堅は、逃げる黄祖を猛追! どんどん山道へと深入りしていく!
部下「孫堅様! 待ち伏せかもしれません! 深追いは危険です!」
周りの部下が必死に止めるが、イケイケ状態の孫堅は、もう聞く耳を持たない!
「うるさい! あと一歩で黄祖の首だ!」
…しかし、これが悲劇の始まりだった。
黄祖が逃げ込んだのは、峴山っていう、険しい山の中。
孫堅が、狭い谷間に差し掛かった、その時!
「「「放てーーー!!!」」」
合図と共に、谷の両側の崖の上から、無数の矢と巨大な岩が、雨あられと降り注いできた!
黄祖の、見事な(そして卑怯な)罠だ!
ドガガガガ! ゴロゴロゴロ! ヒュンヒュンヒュン!
「うわあああああ!!!」
「伏兵だー!」
孫堅軍、大混乱!
そして…
ドサッ…!!
一際大きな岩が、孫堅の頭部を直撃!!!
「ぐ…はっ…!」
孫堅は、一言も発することなく、馬から崩れ落ちた…。
「そ、孫堅様ーーー!!!」
部下たちの悲痛な叫びが、谷間に響き渡る…。
「江東の虎」と恐れられた英雄・孫堅、まさかの戦死。享年37歳。
あまりにも、あっけない最期だった…。
父の訃報を聞いた、息子の孫策と孫権(まだ若い!)は、号泣。
「父上ーー!!」「劉表、黄祖、絶対に許さん!!」
孫堅軍は、リーダーを失い、撤退を余儀なくされる。
(後に、捕虜にした黄祖と、孫堅の亡骸を交換することになる)
孫堅の死、そして彼が遺した「伝国の玉璽」。
それは、息子の孫策に受け継がれ、江東に新たな嵐を巻き起こしていくことになる…。
袁紹と公孫瓚の争い。孫堅の死。
ヒーローたちの時代は終わり、群雄割拠の、マジでヤバい戦国時代が、本格的に始まろうとしていた!
劉備たちは? 曹操は? そして、孫策、孫権の兄弟は?
それぞれの運命が、大きく動き出す!
(続く!)
第八話 美女と野獣と野獣!? 禁断の三角関係、勃発!
次回をお楽しみに!