第四十三話 論破! 論破! また論破! 孔明、呉の論客を黙らせる!
夏口へ逃れた劉備軍。兵力も拠点も失い、まさに絶体絶命…。
しかし、軍師・諸葛亮孔明には、まだ策があった!
それは、江東の孫権との同盟!
孔明「劉備様! 曹操の脅威は、江東にも迫っております! 今こそ、孫権と手を結び、共に曹操に対抗するべきです!」
「しかし、孫権殿が、我々と手を組んでくれるだろうか…?」不安げな劉備。
孔明「ご心配なく! この諸葛亮が、使者として赴き、必ずや同盟を成立させてご覧にいれます!」
自信満々の孔明!
ちょうどその頃、孫権の腹心であり、親友の**魯粛子敬**が、劉備軍の様子を探るために、弔問(劉表の死に対する)と称して夏口を訪れていた。
魯粛は、孔明と会談し、その非凡な才能と、「曹操と戦うべき」という考えが自分と同じであることに感銘を受ける!
魯粛「孔明殿! あなた様のような方がいれば、百人力! ぜひ、私と共に呉へ行き、我が君・孫権様にお会いくだされ!」
孔明「願ってもないことですな、子敬殿!」
二人は意気投合! 孔明は、魯粛と共に、孫権のいる柴桑へと向かうことになった! いざ、同盟交渉へ!
呉の都・柴桑。
孔明が到着すると、彼を待ち構えていたのは、孫権の家臣たち…特に、**張昭を筆頭とする、「降伏派」の重鎮たちの儒者 たちだった!
彼らは、曹操の圧倒的な兵力を恐れ、「戦っても勝ち目はない! 降伏して、江東の安泰を保つべきだ!」と主張していたのだ。
そして、劉備との同盟を主張する孔明のことを、快く思っていなかった!
(((劉備の使いか…口先だけの若造め! ちょっと、痛い目に遭わせてやるか!)))
彼らは、孔明の才能を試し、その鼻っ柱をへし折ってやろうと、「舌戦」**を仕掛けてきた! まさに、インテリ集団による、ディベートバトル!
孔明が広間に通されると、張昭をはじめ、虞翻、歩隲、薛綜、陸績…などなど、呉のそうそうたるインテリたちが、ズラリと待ち構えていた! 尋問みたいな雰囲気!
【孔明 VS 呉のインテリ軍団! ディベートバトル、開始!】
Round 1:張昭(呉の重鎮筆頭)
張昭「(皮肉たっぷりに)ほう、あなたが臥龍先生ですかな? 聞けば、劉備殿は、あなたを得てから、ますます負け続きのようですが? まるで、疫病神ですな、ハッハッハ!」
(いきなり、キツいジャブ!)
孔明「(涼しい顔で)ふっ…大鵬(伝説の巨大な鳥)の志を、燕雀(ツバメやスズメ)が知る由もなし。我が主・劉備は、兵力こそ少ないが、仁義を重んじ、漢王朝復興の大志を抱く真の英雄。今は、力を蓄え、天の時を待っているのです。曹操の大軍に怯え、主君に降伏を勧めるような、あなた方とは違いますな」
(カウンター炸裂! 張昭、顔面蒼白!)
Round 2:虞翻(プライド高き秀才)
虞翻「ふん! 曹操は、百万の大軍! あなた方に、勝ち目はあるのかね?」
孔明「兵の数だけで、勝敗が決まるとお思いか? かの項羽も、少数で秦の大軍を破った。戦は、戦略、士気、そして天の時! 我々には、それら全てが揃いつつある!」
(歴史を引用し、論破!)
Round 3:歩隲(現実主義者?)
歩隲「あなたは、昔の偉大な説客(弁論家)に自分をなぞらえているようだが、彼らのように、実際に国を動かせるのかね?」
孔明「口先だけで国を滅ぼす者もいれば、真の知恵で国を救う者もいる。私は、後者を目指すのみ。机上の空論を弄び、ただ降伏を唱えるだけの儒者とは、道を異にする!」
(痛烈な皮肉! 歩隲、ぐうの音も出ず!)
Round 4:薛綜(降伏派の理論家)
薛綜「漢の天命は、すでに尽きたのではないか? 曹操こそが、天に選ばれた者かもしれんぞ?」
孔明「(怒りを込めて)何を言うか! 曹操は、天子をないがしろにし、漢王朝を簒奪しようとする国賊! それを、天命だと!? あなたは、漢の臣としての忠義を忘れたのか!」
(正論で、一喝!)
Round 5:陸績(若きインテリ、ちょっと生意気)
陸績「(孔明を指さし)あなたは、一体、どんな書物を読んできたのだ? そんな大言壮語ばかり吐いて!」
孔明「(ふっ…と微笑み)私が読んできた書物は、ただ世の中の役に立つためのもの。文字の解釈にこだわり、揚げ足を取るためだけの学問とは違う。若輩の君には、まだ理解できまい」
(余裕の返し! 陸績、顔真っ赤!)
孔明は、次々と襲いかかる呉のインテリたちの、皮肉、難癖、屁理屈を、冷静沈着に、圧倒的な知識と弁舌、そして揺るぎない信念で、ことごとく論破!!!
まさに、「舌戦群儒」!!!
呉の儒者たちは、孔明のあまりの才能と気迫の前に、完全に沈黙…。
(((こ、こいつ…ただの若造じゃなかった…! 天才だ…!)))
孔明、ディベートバトル、完全勝利!!!
この様子を、陰から見ていた魯粛。
(((素晴らしい! 孔明殿、見事だ!)))
魯粛は、満を持して登場!
「諸君! 客人に対して、あまりにも失礼ではないか! 孔明先生は、はるばる我が呉のために来てくださったのだぞ!」
ビシッ!と、儒者たちを叱りつける!
儒者たちは、バツが悪そうに、退散していった。
魯粛「孔明先生、申し訳ない。我が国の儒者たちは、少々、頭が固い者ばかりで…」
孔明「いえいえ、子敬殿。これも、挨拶代わりというものでしょう」
ニッコリ。余裕の孔明。
魯粛は、孔明を連れて、いよいよ呉の君主、孫権の元へと向かう!
魯粛「さあ、孔明先生! 我が君・孫権様は、英明な御方です。きっと、あなた様のお話を、理解してくださるはず!」
最初の難関「舌戦」を突破した孔明!
しかし、本当の交渉は、これからだ!
曹操への降伏か、それとも抗戦か…若き君主・孫権は、まだ迷っている!
孔明は、孫権を説得し、孫劉同盟を成立させることができるのか!?
天下の行方を左右する、孔明 VS 孫権の、直接対決が、始まろうとしていた!
(続く!)
第四十四話 孔明の挑発! 周瑜、激昂! 孫権、決断の剣!
次回をお楽しみに。




