表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/120

第四十一話 守るべきもののために! 趙雲、ただ一騎、戦場を駆ける!

新野しんやを焼き払い、曹操そうそう軍の追撃をかわした劉備りゅうび一行。

目指すは、南の江陵こうりょう! そこなら、軍備も食料も豊富で、立て直せるはず!


しかし!

劉備を慕う、十数万(とも言われる)の民衆が、彼と行動を共にしていた!

老人、子供、女性…非戦闘員ばかり!

彼らを見捨てられない、お人好しすぎる劉備。

「民を見捨てて、我々だけが助かるわけにはいかない!」

その結果、一行の進むスピードは、カタツムリのように遅い…!


一方、背後からは、曹操軍の精鋭騎馬隊が、猛スピードで迫ってくる!

率いるのは、曹操自身!

「劉備! 孔明! 今度こそ、逃がさんぞ!」

怒りの追撃!


諸葛亮孔明しょかつりょうこうめいは、劉備に進言する。

「劉備様! このままでは、追いつかれてしまいます! どうか、民衆を一時的に置いて、我々だけでも先に江陵へ!」

合理的な判断!


しかし、劉備は、涙ながらに首を横に振る!

「それはできん! 民があってこその、我々だ! 彼らを見捨てるくらいなら、ワシはここで死んだ方がマシだ!」

どこまでも、民を思う劉備! 人徳の塊!

(でも、リーダーとしては、ちょっと甘いかも…?)

孔明も、劉備のその「甘さ」こそが、人を惹きつける魅力だと理解し、それ以上は何も言わなかった。


そして、ついに、運命の時がやってくる!

長坂ちょうはんの地で、劉備一行は、曹操軍の先鋒部隊に、追いつかれてしまった!!!


「「「うおおおおお! 曹操軍だーー!!」」」

突然の奇襲!

劉備軍と、避難民たちは、大パニック!

「ぎゃあああ!」「逃げろー!」

阿鼻叫喚! 地獄絵図!


劉備軍の兵士たちは、必死に応戦するが、多勢に無勢!

しかも、相手は曹操軍の精鋭!

次々と倒れていく仲間たち!


混乱の中、劉備は、関羽かんう張飛ちょうひ、孔明とも、はぐれてしまった!

さらに、**二人の夫人(甘夫人・糜夫人)と、まだ赤ん坊の息子の阿斗あと、後の劉禅りゅうぜん**の姿も見当たらない!!!


劉備「(絶望)夫人! 阿斗! どこだ!?」

我が身よりも、家族の安否が心配でならない!


その時!

一人の武将が、血まみれになりながら、劉備の元へ駆け込んできた!

糜竺びじく(劉備の古参の家臣、糜夫人の兄)だ!

糜竺「劉備様! ご無事でしたか! 大変です! 趙雲ちょううん殿が…趙雲殿が、北へ向かって走り去りました! まさか、曹操に寝返ったのでは…!?」

「な、なんだと!? 子龍しりゅう(趙雲の字)が、裏切った!?」

劉備、衝撃! 信じられない!


しかし、劉備は、すぐに首を横に振った!

「いや! 子龍に限って、それはない! きっと、何か理由があるはずだ! 私の家族を探しに行ってくれたに違いない!」

劉備は、趙雲の忠誠心を、微塵みじんも疑っていなかった!


劉備の信じた通り!

趙雲子龍は、裏切ってなどいなかった!

彼は、混乱の中ではぐれてしまった劉備の家族…甘夫人、糜夫人、そして赤子の阿斗を探し出すため、ただ一騎、敵の大軍の中へと、再び突入していったのだ!!!


「必ず、奥方様と若君わかぎみ(阿斗のこと)を、お救いする!!!」

その瞳には、燃えるような決意!


趙雲は、白馬に跨り、銀色の鎧を輝かせ、愛用の槍(涯角槍がいかくそう、もしくは龍胆りゅうたん)を振るい、曹操軍の中を、縦横無尽に駆け巡る!


「そこをどけぇい!!!」

槍が一閃すれば、敵兵が数人まとめて吹き飛ぶ!

馬が駆ければ、敵の陣形が切り裂かれる!

まさに、一騎当千! 鬼神のごとき強さ!


曹操軍の兵士たち「ひぃぃ! なんだ、あの白いのは!?」

「強すぎる! 止められない!」

趙雲の前には、誰も立ちはだかることができない!


趙雲は、敵兵を蹴散らしながら、必死に劉備の家族を探す!

「甘夫人! 糜夫人! 若君! どこにおられますかー!」


激しい戦闘の中、趙雲は、ついに、甘夫人を発見!

甘夫人「(涙)子龍殿! 助かりました!」

趙雲「ご無事で何よりです! 糜夫人と若君は!?」

甘夫人「それが…混乱の中で、はぐれてしまい…」


趙雲は、甘夫人を安全な場所(近くにいた劉備軍の兵士に託す)へ避難させ、再び、糜夫人と阿斗を探して、戦場を駆ける!


そして、ついに、井戸のそばで、負傷して動けなくなっている糜夫人と、その腕に抱かれた赤子の阿斗を発見!

糜夫人「(苦しそうに)…子龍殿…! 来てくれたのですね…!」

趙雲「糜夫人! ご無事でしたか! さあ、早くお逃げください!」


しかし、糜夫人は、足に重傷を負っており、もはや歩くこともままならない。

糜夫人「私は、もうダメです…足手まといになるだけ…どうか、この子(阿斗)だけでも…劉備様に、お渡しください…!」

そう言うと、糜夫人は、阿斗を趙雲に託し、自らは、追手が迫る中、井戸に身を投げて、自害してしまった!!!

「!! 糜夫人!!!」

趙雲、悲痛な叫び!


趙雲は、糜夫人の死を悼む間もなく、託された赤子・阿斗を守り抜くことを誓う!

趙雲は、阿斗を自分の鎧の胸元に、布でしっかりと括り付けた!

(((若君! この趙子龍が、必ずや、あなた様を劉備様の下へお届けする!)))


そして、再び、戦場へ!!!

「うおおおおおおおお!!!!!」

その姿は、もはや、ただの武将ではない!

主君の子を守る、守護神!


曹操軍の猛将たちが、次々と趙雲に襲いかかる!

夏侯恩かこうおん(曹操の剣持ち係)→ 趙雲に斬られ、宝剣「青釭せいこうの剣」を奪われる!

(趙雲、ラッキー! 新しい武器ゲット!)


晏明あんめい→ 瞬殺!

張郃ちょうこう→ さすがに手強いが、趙雲の気迫に押され、撃退!

焦触しょうしょく張南ちょうなん馬延ばえん張顗ちょうがい→ まとめて蹴散らされる!


まさに、無双!!!

趙雲は、数十万の敵軍の中を、ただ一騎、赤子の阿斗を胸に抱きながら、血路を切り開いていく!

その勇姿は、敵である曹操をも、感嘆させた!


丘の上から、趙雲の獅子奮迅の戦いぶりを見ていた曹操。

曹操「(驚嘆)…あの将は、誰だ!? なんという、凄まじい武勇よ!」

部下「あれは、常山じょうざんの趙子龍! 劉備の部下です!」

曹操「ほう…趙子龍か…! 殺すな! あの将を、生け捕りにせよ! ワシの部下にしたい!」

曹操、またしても、有能な人材に目をつける!


曹操の「生け捕り命令」のおかげ(?)で、曹操軍の兵士たちは、趙雲に対して、矢を射るなどの遠距離攻撃をためらうようになった。

これが、趙雲にとっては、幸いした!


趙雲は、満身創痍まんしんそういになりながらも、ついに、曹操軍の包囲網を突破!!!

長坂橋ちょうはんきょうのたもとで、劉備と合流することができた!


趙雲「(息も絶え絶えに)…劉備様! 若君を…お連れいたしました…! しかし、糜夫人は…!」

劉備「(涙)子龍! よくぞ…! よくぞ、戻ってきてくれた! 阿斗も無事か! 糜夫人のことは…残念だが…お前の忠義、決して忘れんぞ!」

劉備は、趙雲のボロボロの姿と、胸に抱かれた我が子を見て、涙が止まらなかった!


…と、ここで、有名な(ちょっとヒドイ?)エピソードが。

劉備は、趙雲から阿斗を受け取ると、**「この赤子のために、大事な将を失うところだったわ!」**と言って、阿斗を地面に投げ捨てようとした!!!

「!!」

趙雲、慌てて阿斗を拾い上げる!

劉備「(涙目で)子龍…! お前の忠義に報いるには、これくらいしかできん!」

(これは、劉備が、趙雲の忠義を称えるための、パフォーマンスだった、と言われている)

趙雲「(感激)劉備様…! この趙雲、生涯、あなた様にお仕えいたします!」

主従の絆、さらに深まる!


趙雲の、奇跡的な「単騎、主を救う」大活躍!

しかし、曹操軍の追撃は、まだ終わらない!

長坂橋の向こうには、あの男が、一人、立ちはだかっていた…!

そう、張飛翼徳ちょうひよくとく!!!


果たして、劉備たちは、無事に逃げ延びることができるのか!?

張飛は、たった一人で、曹操の大軍を食い止めることができるのか!?


(続く!)

第四十二話 橋上の咆哮! 張飛、百万の敵を阻む! 劉備、涙の撤退行!

次回をお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ