第三十九話 悩めるプリンス! 孔明の秘策! そして…軍師、初陣飾る!
劉備が、天才軍師・諸葛亮孔明を迎え入れ、「天下三分の計」に向けて動き出した、荊州・新野。
劉備と孔明は、まるで水を得た魚のよう!
「いや~、孔明先生が来てくれてから、毎日が充実しておるわ!」
「いえいえ、劉備様こそ、真の英主ですぞ」
ラブラブ(?)な主従関係!
しかし! この二人(特に孔明)の存在を、快く思わない者たちがいた!
そう、**関羽と張飛**だ!
関羽「(むぅ…兄者は、あの若造(孔明)のことばかり…)」
張飛「なんだよ、孔明! 年下(孔明は当時27歳くらい)のくせに、エラそうにしやがって! 実力、あんのかよ!?」
古参の二人、孔明の実力を、まだ信用していない! ちょっとジェラシーも?
孔明は、そんな二人の態度に気づきつつも、涼しい顔。
(((ふふふ…私の実力は、戦場でお見せすればよいこと…)))
その「時」は、意外と早くやってくる!
一方、荊州の都・襄陽では、ドロドロの後継者争いが、ますます深刻化していた!
荊州の支配者・劉表は、もう高齢で病気がち。
跡を継ぐのは誰だ!?
長男:劉琦 → 本来の跡継ぎ。人柄は良いが、ちょっと気が弱い。継母の蔡夫人や、叔父の蔡瑁に、命を狙われるんじゃないかと、ビクビクしている。
次男:劉琮 → 蔡夫人の子(or 連れ子)。まだ幼いが、蔡夫人と蔡瑁に、跡継ぎとして担がれている。
劉琦は、身の危険を感じ、なんとかしてこの状況を打開したい!
(((そうだ! あの、仁徳と人望のある、劉備玄徳殿に相談してみよう!)))
劉琦は、劉備を密かに訪ね、助けを求めた!
劉琦「玄徳おじ上(劉備も劉琦も、同じ劉氏の一族なので)! どうか、私をお助けください! 継母と蔡瑁に、命を狙われているのです!」
涙ながらに訴える劉琦!
劉備「なんと…! それは、お気の毒に…しかし、私に何ができると…?」
(他人の家のゴタゴタには、あまり首を突っ込みたくない劉備…)
劉琦は、諦めずに、三度、劉備の元を訪れ、助けを乞う!
「どうか、知恵をお貸しください!」
その必死な姿に、劉備も心を動かされる。
「…わかりました。我が軍師、孔明に相談してみましょう。彼なら、きっと良い知恵を授けてくれるはずです」
劉備は、孔明に、劉琦の悩みと、三度も助けを求めに来たことを話した。
孔明「(ふむ…なるほど…)劉琦公子が、そこまで思い詰めておられるとは…」
しかし、孔明は、直接的なアドバイスを避ける!
孔明「劉備様。それは、劉表様ご一家の内々の問題。我々が口を出すべきことではありませぬ」
ピシャリ! まったく取り合わない!
劉琦、ガックリ…。
(((孔明先生にも、見捨てられたか…)))
だが、孔明は、こっそり劉琦に**「奥の手」を授ける!
孔明は、劉琦を二人きりになれる場所に連れ出し、ある「故事」**(昔の出来事の話)を語って聞かせた。
それは、昔、晋の国の公子・重耳が、継母の策略から逃れるために、あえて都から遠く離れた領地へ赴き、そこで力を蓄え、後に名君となった…という話。
(※「上屋に登りて、梯子を去る」という故事成語の元になったエピソード。つまり、「逃げ場のない状況を作って、本音を聞き出す」という意図もあった)
劉琦は、この孔明の「故事」を聞いて、**ピン!**ときた!
(((そうだ! 都(襄陽)から離れればいいんだ! 父上に願い出て、遠くの江夏の太守にしてもらおう! そこなら、蔡瑁たちの手も届きにくいし、父の仇(黄祖)を討った孫権への備えにもなる! まさに、一石二鳥!)))
劉琦は、孔明の遠回しなアドバイスに、深く感謝した!
「孔明先生! ありがとうございます! あなた様のおかげで、道が開けました!」
劉琦は、すぐに父・劉表に願い出て、まんまと江夏の太守の地位をゲット!
危険な襄陽から、脱出することに成功した!
孔明の、見事な(間接的な)問題解決!
さて! いよいよ、孔明の初陣の時がやってくる!
曹操が、再び大軍を派遣してきたのだ!
今度の総大将は、あの隻眼の猛将・夏侯惇! 副将には、于禁、李典といった、曹操軍の主力メンバーがズラリ!
総勢、十万の大軍勢!!!
目標は、新野の劉備軍を、完全に叩き潰すこと!
「劉備! 孔明! 今度こそ、終わりだ!」
劉備軍の兵力は、わずか数千…。絶望的な兵力差!
城内は、パニック状態!
「十万だと!?」「勝てるわけない!」
しかし、孔明は、余裕の表情!
孔明「(扇子パタパタ)ふふふ…ご心配なく。この孔明に、策がありますぞ」
「!! 孔明先生!」
関羽・張飛「(また、口だけじゃねぇだろうな…?)」
まだ、半信半疑の二人。
孔明は、冷静に作戦を指示し始める!
孔明「まず、関羽将軍は、この道に伏兵を…張飛将軍は、こちらの林に…趙雲将軍は、敵の先鋒を誘い込み…そして、劉備様ご自身は、後方で…」
淀みなく、的確な指示! まるで、全てが見えているかのよう!
孔明「今回の戦場は、『博望坡』! あの狭い坂道で、敵を迎え撃ちます! そして…火計を用いますぞ!」
「「「火計!!!」」」
全員、息をのむ!
孔明は、関羽と張飛にも、それぞれ重要な役割を与える。
(((ふん、お手並み拝見といこうか…)))
二人は、しぶしぶながらも、孔明の指示に従うことにした。
博望坡。
夏侯惇率いる曹操軍の先鋒が、意気揚々と進んでくる!
夏侯惇「ハッハッハ! 劉備軍など、赤子の手をひねるようなものよ!」
完全に、油断している!
そこへ、趙雲が現れ、挑発!
「夏侯惇! 来い!」
夏侯惇「(カチン!)小癪な! 追え!」
またしても、簡単に挑発に乗る!(学習しないなぁ…)
于禁や李典は、「罠かもしれませんぞ!」と忠告するが、夏侯惇は聞かない!
曹操軍は、狭い博望坡の坂道へと、どんどん深入りしていく!
両側は、鬱蒼とした林。伏兵には、もってこいの地形!
趙雲は、ある程度、敵を引きつけたところで、サッと身を翻し、逃げる!
夏侯惇「待てー!」
その時!!!
「「「放てーーー!!!」」」
道の両側の林から、無数の火矢が、雨あられと降り注いだ!
さらに、風下に仕掛けられていた枯れ草や薪に、火が放たれる!
ゴオオオオオオオオオ!!!
博望坡は、一瞬にして、火の海と化した!!!
狭い坂道に密集していた曹操軍の兵士たち、逃げ場がない!
「ぎゃあああ! 火事だ!」
「熱い! 助けて!」
阿鼻叫喚! 地獄絵図!
さらに!
「「待てぇい! 夏侯惇!!」」
混乱する曹操軍の後方から、関羽と張飛の伏兵部隊が、襲いかかった!
「うおおおお!」
「オラオラァ!」
火と煙と、敵の猛攻! 曹操軍、完全にパニック! 総崩れ!
夏侯惇「(しまった! 孔明の罠か!)くそぉぉぉ! 退却! 退却だ!」
夏侯惇も、命からがら戦場を脱出!
十万の大軍は、大損害を受けて、敗走していった…。
劉備軍、奇跡的な大勝利!!!
わずか数千の兵で、十万の大軍を打ち破ったのだ!
新野の城は、歓喜の声に包まれた!
「やったぞー!」「孔明様、すげぇ!」
この「博望坡の戦い」での、鮮やかすぎる勝利!
これを見て、ようやく、関羽と張飛も、孔明の実力を認めざるを得なかった!
張飛「(…すげぇ…! あの若造、本物だ!)」
関羽「(…見事な采配…! 我々は、とんでもない軍師を得たのかもしれん…!)」
二人は、孔明に対して、心からの敬意を抱くようになった!
諸葛亮孔明、その軍師デビュー戦を、完璧な勝利で飾った!
「臥龍」、ついに天に昇る時が来た!
この勝利は、曹操に大きな衝撃を与える!
「(なんだと!? 夏侯惇が、孔明の計略に敗れただと!? あの若造、やはりただ者ではない…!)」
曹操は、劉備と孔明への警戒レベルを、MAXに引き上げる!
孔明を得た劉備軍は、これから、どんな快進撃を見せるのか!?
曹操の次なる一手は!?
荊州の運命は!?
(続く!)
第四十話 裏切りの密約! 荊州、曹操に!? 孔明、焦土作戦再び!
次回をお楽しみに。




