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第三十一話 さらば袁紹! 劉備、荊州へ! 新たな風を求めて…

官渡かんとの戦いで、曹操そうそうに歴史的な大敗北を喫した、北の覇者・袁紹えんしょう

数十万の大軍は壊滅し、誇りも自信もズタズタ…。

命からがら本拠地の冀州きしゅうに逃げ帰ったものの、もはや往年の勢いは見る影もない。


「うぐぐ…曹操め…! この屈辱、忘れんぞ…!」

悔しさと絶望で、袁紹は病に倒れてしまった。

かつてのライバルを叩き潰すどころか、逆に再起不能のダメージを受けてしまったのだ。


それでも、袁紹は最後の力を振り絞り、残存兵力をかき集めて、曹操へのリベンジマッチを挑もうとする!

場所は、倉亭そうてい

「今度こそ! 今度こそ、曹操を!」

悲壮な覚悟で、再び曹操軍と対峙する袁紹軍。


しかし!

一度失われた勢いと士気は、そう簡単には戻らない。

曹操軍は、官渡の勝利でイケイケ状態!

しかも、曹操は、袁紹軍の弱点を徹底的に突く、巧みな戦術を展開!

(荀攸の十面埋伏の計など)


結果は…またしても、袁紹軍の惨敗!!!

「ぎゃあああ!」「もうダメだー!」

袁紹軍は、再び壊滅的な打撃を受け、完全に戦意を喪失。

袁紹は、またしても敗走…。


この倉亭での敗北が、袁紹にとって、とどめの一撃となった。

冀州に戻った袁紹は、病状がさらに悪化。

後継者を誰にするか(長男の袁譚えんたん? 三男の袁尚えんしょう?)、ハッキリ決められないまま、ついに…


「……曹……操……め……」


無念の言葉を残し、この世を去った…。

名門・袁家の当主、河北の覇者・袁紹、その波乱の生涯は、失意のうちに幕を閉じた。


袁紹の死後、広大な袁家の領土は、予想通り、息子たちの醜い後継者争い(袁譚 VS 袁尚)で、分裂!

曹操は、この内紛に乗じて、漁夫の利を得るように、着々と河北の地を平定していくことになる…。

袁家の滅亡は、もはや時間の問題だった。


一方、その頃…

袁紹の元に身を寄せ、官渡の戦いにも(微妙な立場で)参加していた劉備りゅうび玄徳げんとく

袁紹の敗北と死、そして息子たちの内輪揉めを見て、

(((ここにいても、未来はないな…)))

と、見切りをつけた!


袁紹軍がゴタゴタしている隙に、劉備は、関羽かんう張飛ちょうひ趙雲ちょううんら、古城こじょうで再会した仲間たちと共に、こっそりと袁紹の陣営を抜け出した!

「さらばだ、袁紹! …いや、袁家よ!」


しかし、またしても、行く当てがない!

曹操の支配する中原ちゅうげんには戻れない。

江東こうとう孫権そんけんは、まだ若く、未知数。

西の益州えきしゅうは、遠すぎる…。


劉備「(うーむ…どこへ行けば…)」

悩む劉備に、一筋の光が!

(((そうだ! あそこなら…!)))


劉備が目指したのは、南の荊州けいしゅう

荊州は、肥沃ひよくな土地と、豊かな人材に恵まれた、戦略的にも重要な地域。

そして、そこの支配者は、劉表りゅうひょう景升けいしょう

劉表は、漢王室の血を引く、劉備と同じ「劉」姓の一族! しかも、学者肌で温厚(腹黒いけど)な人物として知られている。

(※かつて、孫堅そんけんを罠にはめて殺した、あの人!)


劉備「劉表殿なら、同じ一族のよしみで、きっと我々を受け入れてくれるはずだ! そして、荊州の地で、力を蓄え、再起を図るのだ!」

「おお! さすがは兄者!」

関羽、張飛、趙雲も賛同!


劉備一行は、荊州の中心地・襄陽じょうようを目指して、南へと旅立った!

流浪るろうの旅、再び!

でも、今度は、希望を持って!


荊州・襄陽。

劉表は、劉備がこちらへ向かっているという知らせを聞いて、ちょっと複雑な心境だった。

(((劉備玄徳か…あの、曹操や袁紹と渡り合った男…評判は良いが、厄介事を持ち込まなきゃいいが…)))


劉表の周りの家臣たちも、意見が分かれる。

穏健派「劉備殿は、漢王室の末裔。受け入れるべきです」

警戒派:蔡瑁さいぼう など、劉表の奥さんの親戚「いや、あの男は危険です! いつか、荊州を乗っ取るかもしれませんぞ!」


劉表は、悩んだ末…

「うーむ…まぁ、同じ劉氏の一族だしな。それに、曹操への備えとしても、劉備の武名は役に立つかもしれん…よし、とりあえず、会ってみるか」

と、劉備を受け入れることにした。


劉備は、襄陽で劉表と対面。

劉備「劉表殿! この度は、ご厄介になります!」

深々と頭を下げる劉備。謙虚!


劉表「おお、玄徳殿! よくぞ来られた! 長旅、ご苦労であったな」

表面上は、温かく劉備を歓迎する劉表。


二人は、しばし歓談。

劉備の人徳と、これまでの苦労話に、劉表も(ちょっとだけ)心を動かされたようだ。

「うむ…玄徳殿は、なかなかの人物じゃな」


劉表は、劉備に、荊州北部の**新野しんや**という小さな城を与え、そこに駐屯することを命じた。

表向きは、「曹操への備えとして、北の守りを固めてほしい」ということだが、本音は、「あまり、都の近くにいられても困る…」という、厄介払い的な意味合いもあったかもしれない。


それでも、劉備にとっては、ようやく落ち着ける場所ができた!

「ありがたき幸せ! この新野の地で、必ずや、再起を果たしてみせますぞ!」

劉備、関羽、張飛、趙雲…仲間たちと共に、新野での新たな生活が始まる!


荊州という、人材の宝庫!

この新天地で、劉備は、ついに**「あの人物」**と、運命的な出会いを果たすことになる!

そう、乱世の行方を左右する、天才軍師…!


一方、河北を手中に収めつつある曹操は、いよいよ天下統一に向けて、次なる一手、荊州へと目を向ける!


物語は、新たな舞台へ! 新たな登場人物へ!

ますます、目が離せない!


(続く!)

第三十二話 袁家、ドロ沼の兄弟ゲンカ! 滅亡へのカウントダウン!

次回をお楽しみに。

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