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第三話 最強の矛、心変わり!? 赤い稲妻と裏切りの囁き

前回、安喜県あんきけんを飛び出した劉備りゅうびブラザーズ。

一方、国の首都・洛陽らくようは、マジでヤバいことになってた!


ドカーーーン!(権力闘争の爆発音)


皇帝が亡くなって、「次のトップは誰だ!?」って大騒ぎ。

皇后のお兄ちゃん、大将軍・何進かしんが、「ジャマな宦官かんがんども、ぶっ潰す!」って息巻いてたんだけど…


「グサッ…!」(返り討ち)


なんと、逆に宦官たちにハメられて、あっけなく殺されちゃった! マジかよ!?

「ギャー!」「逃げろー!」

宮殿の中は、もう大パニック! 血で血を洗う大惨事に!


このドサクサに紛れて、一人の男がニヤリ…と笑っていた。

その男の名は、董卓とうたく

いかにも「悪の親玉」って感じの、デップリ太ったオッサン。でも、目つきは蛇みたいに鋭くて、性格は超~自己チューで残忍!

彼は、地方でデカい軍隊を握ってたんだけど、この混乱に乗じて、まんまと洛陽に入り込んできたんだ。


「クックック…チャンス到来! この国の実権、この董卓様がいただくぜ!」

董卓は、あっという間に宮殿を占拠。まだ幼い皇帝を人質みたいにして、自分が国のトップに成り上がろうとしていた。


ある日のこと。

董卓は、エラそうな役人たちを温明殿おんめいでんっていう豪華な会議室に集めて、トンデモないことを言い出した。


董卓「えー、ゴホン。諸君、よく聞け。今の皇帝、ハッキリ言ってガキすぎて使えん! だから、クビにして、俺が扱いやすい別の皇子を新しい皇帝にする! 文句あるヤツいるか?」

ドーーーン!と威圧的に言い放つ董卓。

周りの役人たちは、董卓のムキムキな兵隊に囲まれて、ビビりまくって誰も何も言えない。シーン…。


(((こ、こいつ、マジでやりやがった…!)))

(((でも逆らったら殺される…!)))

みんな、下を向いてブルブル震えるだけ。


…とその時!

「待ったぁ!!」

一人だけ、バッと立ち上がって董卓に食って掛かった男がいた!

荊州けいしゅうっていう地域のトップ、**丁原ていげん**だ。

「董卓殿! いくらなんでも、それは暴論だ! 皇帝を勝手に代えるなど、絶対に許されん!」

ビシッ!と指さして反論!


董卓は、眉間にシワを寄せて、丁原をギロリ!

「…ああん? 何だテメェ…俺に逆らう気か? 死にてぇのか?」

ジリジリ…と殺気が立ち込める!


丁原も(ヤベ…言いすぎたか…?)と一瞬焦る。

だが、彼の背後には、最強の用心棒が控えていた!


ズンッ…!


丁原の後ろから、一人の若武者がスッ…と前に出る。

身長は超デカく、鍛え抜かれた筋肉が鎧の上からでも分かる。顔立ちは整ってるけど、その目には野生の獣みたいな鋭い光が!

腰には、見るからに切れ味ヤバそうな方天画戟ほうてんがげきっていう、ド派手な武器。

こいつこそ、丁原の養子にして、**「人中の呂布りょふ、馬中の赤兎せきと」**と噂される、三国志時代最強の呼び声高い武将、**呂布りょふ**だ!!


呂布は、董卓を睨みつけ、無言で方天画戟の石突(いしづき:柄の底)を、**ドンッ!**と床に突き立てた。

その音だけで、会議室の空気がビリビリ震える!


董卓も、呂布のハンパないオーラに、思わずゴクリ…と唾を飲んだ。

(((こ、こいつが…噂の呂布か…! や、やべぇ…! 今ここでコイツとやり合ったら、俺でもヤバいかも…!)))

さすがの董卓も、呂布の武力を警戒して、その場は引き下がるしかなかった。

「…フン! 今日のところは、これくらいにしといてやる!」

悔し紛れに捨て台詞を吐いて、会議はとりあえずお開きになった。


董卓は、自分の屋敷に戻ってもイライラが収まらない。

「チクショー! あの丁原ジジイ! 生意気な! …だが、それ以上に、あの呂布! アイツ、マジで邪魔くせぇ!」

ドカッ!と椅子に座り、ギリギリと歯ぎしりする。

「アイツさえいなければ、丁原なんて怖くねぇのに…どうにかして、あの呂布を始末するか、こっちに引き抜く方法はねぇのか…?」


そこに、一人の男がニヤニヤしながら進み出た。

呂布と同じくらいの田舎出身で、口だけは達者な男、**李粛りしゅく**だ。

「董卓様、お悩みのご様子。実は、その呂布とは、俺、同郷のダチなんすよ」

「なにぃ!? 本当か、李粛!」董卓が身を乗り出す。


李粛「へへっ。ええ。アイツ、確かに腕は立ちますけど、単純なヤツでしてねぇ…金銀財宝とか、あと、スッゲー名馬に目が無いんスよ」

「名馬…だと?」


李粛「ええ。董卓様、確かお持ちですよね? 一日に千里を駆けるっていう、あの**『赤兎馬せきとば』**を!」

その名を聞いて、董卓の目がギラリ!と光る。

赤兎馬は、燃えるような赤い毛並みを持つ、伝説級の名馬。董卓が大事にしてるコレクションの一つだった。


李粛「あの赤兎馬と、たんまりの金銀財宝を持って、俺が呂布を説得しに行きましょう! アイツのことだから、今の貧乏くさい丁原より、董卓様についた方が絶対トクだって分かれば、コロッと寝返りますぜ?」

悪魔のささやき…。


董卓は、しばらく腕を組んで考えていたが…

「…よし! 李粛! やってみろ! もし呂布を寝返らせることができたら、お前にもデカい褒美をくれてやる! 赤兎馬も、金も、好きなだけ持っていけ!」

「へへっ! お任せください!」

李粛は、しめしめ…とほくそ笑んだ。


その夜。

李粛は、山のような金銀財宝と、そして…神々しいオーラを放つ赤兎馬を連れて、呂布の陣営を訪れた。


ヒヒーン!! ブルルルッ!

赤兎馬は、筋肉隆々、燃えるような毛並みで、マジでカッコイイ! 見るからに只者じゃないオーラ!


呂布の部下「な、なんだ!? この馬は!?」

呂布「…!?」


李粛「よぉ! 呂布! 久しぶりだな!」

呂布「…李粛か。何の用だ?」

いきなりの訪問に、呂布は怪訝な顔。


李粛「まぁまぁ、そう警戒すんなって! まずはコレを見ろよ!」

ジャラジャラジャラーー!!

李粛が合図すると、部下たちが金銀財宝の箱をドーン!と開ける!

「「「うおおおおっ!!!」」」

呂布の部下たちから、どよめきが起こる! 呂布の目も、ちょっとだけ輝いた。


李粛「どうだ? すごいだろ? これは全部、董卓様からお前へのプレゼントだ!」

呂布「…董卓から? なぜ俺に?」


李粛「(ニヤリ)まぁ、落ち着けって。それだけじゃねぇぞ。とっておきは、こいつだ!」

そう言って、李粛は赤兎馬のたてがみを撫でた。

「こいつは『赤兎馬』! 一日に千里を駆ける、天下の名馬だ! 董卓様が、お前のような英雄にこそ相応しいって、特別に譲ってくださったんだぜ!」


呂布は、赤兎馬を見た瞬間、完全に心を奪われた!

「なっ…! これが、あの赤兎馬…!!」

ゴクリ…。

武人として、名馬に惹かれないワケがない! 特に、こんなオーラ全開の馬!

呂布は、吸い寄せられるように赤兎馬に近づき、その首筋をそっと撫でた。

赤兎馬も、呂布を気に入ったのか、ブルル…と鼻を鳴らした。


(((こんな馬…欲しかった…! これさえあれば、俺は…!!)))

呂布の心は、グラグラ揺れ動く。


李粛は、その様子を見て、畳み掛けた。

「どうだ、呂布? お前ほどの英雄が、いつまでも丁原みたいなショボいオッサンの下でくすぶってるのは、もったいねぇと思わねぇか?」

「…」

「董卓様は、お前の武勇を高く評価してる! もし董卓様につけば、金も、地位も、名誉も、思いのままだぜ? 赤兎馬に乗って、天下にその名を轟かせるんだ! 一緒にデカいことやろうぜ!」


呂布は、一瞬、育ての親である丁原の顔が頭をよぎった。

(…丁原様には、恩がある…)

わずかな良心が、チクリと痛む。


だが、目の前には、まばゆい金銀財宝と、神々しい赤兎馬。そして、「天下」という甘い響き…。

李粛の悪魔の囁きが、呂布の欲望を刺激する。


「…どうするんだ、呂布? チャンスは今しかねぇぞ?」


呂布は、グッと拳を握りしめ、赤兎馬を、そして金銀を見つめ…ついに、決断した。

低い声で、ボソリと呟いた。


「……わかった。李粛…俺は、董卓殿につく」


李粛は、ニンマリと笑った。「話が分かるじゃねぇか、兄弟!」


その夜、呂布は、恩義あるはずの養父・丁原の寝込みを襲い…その首を、自らの手で刎ねた。


ザンッ…!(悲劇の音)


翌日、呂布は丁原の首を手に、董卓の元へ出頭した。

「董卓様! 丁原の首、ここに!」

「おお! よくやった、呂布! 今日からお前は、俺の息子だ!」

董卓は大喜びで呂布を迎え入れ、二人は義理の親子になった。


こうして、最強の武将・呂布を手に入れた董卓の権力は、もはや誰にも止められないほど強大になった。

都・洛陽は、完全に董卓の恐怖政治の下に置かれることに…。


果たして、この暴君を止められる者は現れるのか?

そして、流浪の劉備たちの運命は…!?


(続く!)

第四話 逆賊董卓、やりたい放題! 立て、乱世のトリックスター!

次回をお楽しみに!

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