第二十一話 雷鳴と英雄談義! 関羽、電光石火の早業!
皇帝から「打倒・曹操」の血の密詔を受け取った董承。
(((この重大任務、誰に打ち明けるべきか…? 失敗は許されん…!)))
董承は、慎重に仲間探しを始めていた。
一方、許都での生活が続く劉備たち。
曹操の監視の目は、日に日に厳しくなっている気がする…。
劉備は、曹操に「こいつ、野心とか全然ないっすよ~」と思わせるため、あえて屋敷の裏庭で家庭菜園なんか始めちゃった!
クワを持って、せっせと野菜作り!
関羽「兄者…そこまでして…」
張飛「アニキ、何やってんだよ!」
劉備「(シーッ!)これも、今は身を守るためだ…!」
屈辱に耐え、時を待つ劉備。
そんなある日。
劉備が畑仕事をしていると、曹操から突然の呼び出しが!
「えっ!? 俺が?」
(((何か、疑われてるのか…!?)))
ドキドキしながら、劉備は関羽と張飛を伴って、曹操の屋敷へ向かった。
曹操の屋敷の庭には、小さな東屋があり、そこには、ちょうど青々と実った梅の木があった。
そして、テーブルの上では、お酒がグツグツと煮られていた。(煮酒:しゃしゅ)
曹操「おお、玄徳! よく来たな! まあ、座れ」
意外にも、曹操は上機嫌。
曹操「いや~、ちょうど梅の実がいい塩梅でな。この梅を見ながら、一杯やろうと思ってな」
劉備「は、はぁ…(何が目的なんだ…?)」
曹操は、劉備と二人きりで酒を酌み交わし始めた。(関羽と張飛は、遠巻きに見守る)
ゴクッ…ゴクッ…。
沈黙が続く。気まずい…。
と、その時!
ゴロゴロゴロ…! ピカッ! ドーーーン!!!
突然、空が暗くなり、激しい雷雨が!
曹操「おお! 龍が天に昇るような、見事な雷じゃ!」
曹操は、空を見上げながら、ニヤリと笑い、劉備に問いかけた。
「なぁ、玄徳。龍は変幻自在、時に隠れ、時に現れ、宇宙を駆け巡る…まるで、この世の英雄のようではないか?」
「え…?」
曹操「ところで、玄徳よ。今の世の中で、『英雄』と呼べる人物は、いったい誰だと思う?」
!!!
きた! 腹の探り合い! 曹操の真意は!?
劉備、冷や汗ダラァ…。
(((ここで下手に答えたら、何を疑われるか…!)))
劉備は、必死に頭を回転させる!
「え、えーっと…それは…例えば、あの袁術とか…?」
(アホのフリして、わざと小物っぽい名前を挙げる作戦!)
曹操「(鼻で笑う)フン! 袁術なぞ、もはや墓場の骨だ! 他には?」
劉備「では…河北の袁紹殿は、いかがでしょう? 名門ですし、兵力も強大ですが…」
曹操「袁紹か…確かに兵は多いが、決断力に欠け、見栄っ張りなだけだ! 英雄とは言えん!」
バッサリ!
劉備「(ドキドキ…)では…荊州の劉表殿…? 江東の孫策殿…?」
次々と、他の諸侯の名前を挙げる劉備。
しかし、曹操は、ことごとく「小物だ!」「まだまだ若い!」と一蹴!
そして、曹操は、劉備の目をジッ…と見つめ、指をさしながら、衝撃の一言を放った!
「この世に英雄と呼べる者は、ただ二人! …そなた(劉備)と、この曹操だけよ!!」
!!!!!!!!
劉備、心臓バクゥン!!! まさかの高評価!? いや、これは罠か!?
あまりの衝撃に、持っていた箸と杯を、**ガシャーン!!!**と落としてしまった!
ちょうどその時!
ゴロゴロゴロゴロ…! バリバリバリーーーッ!!! ドッッッカーーーン!!!
すぐ近くに、特大の雷が落ちた!
劉備は、ハッ!として、咄嗟に机の下に隠れるフリをした!
「ひぃぃぃ! 雷、怖ぇぇぇ!」
(内心:助かった…! 今の動揺を、雷のせいにできる!)
曹操「(ハッハッハ!)玄徳よ! 大丈夫か? まさか、雷が怖いのか? 英雄ともあろう者が!」
大笑いする曹操。
劉備の動揺を、本当に雷のせいだと思い込み、警戒心を少し解いたようだ。
劉備(((危なかった…! なんとか、ごまかせたか…!)))
冷や汗びっしょり。
この「青梅、酒を煮て、英雄を論ず」のエピソードは、曹操が劉備の器量を高く評価していたこと、そして劉備がそれを巧みに隠していたことを示す、有名な場面だ。
この「英雄談義」の後、劉備は、ますます曹操への警戒を強めた。
(((やはり、ここに長居は無用だ…! なんとかして、許都を脱出しなければ…!)))
そんな時、絶好のチャンスが訪れる!
あの、七軍(笑)を率いて敗走した袁術が、北の袁紹を頼ろうとしている、という情報が入ったのだ。
袁術が袁紹と合流したら、厄介なことになる。
劉備は、曹操に進言した。
「曹操様! 袁術が袁紹と手を組む前に、私が軍を率いて、これを討伐してまいります!」
(内心:これを口実に、許都から脱出するぜ!)
曹操は、一瞬、劉備を疑った。
(((こいつ、逃げる気か…?)))
しかし、策士の荀彧や郭嘉が、「劉備を行かせても大丈夫でしょう。袁紹の方が脅威です」と進言したため、曹操は、しぶしぶ許可を出した。
「…よかろう。だが、ワシの部下、朱霊と路昭を、監視役として同行させるぞ」
「ははっ! 承知いたしました!」
劉備は、ついに軍隊を率いて、許都を離れることに成功!
関羽、張飛も一緒だ!
(((やった! これで自由だ!)))
劉備たちの顔に、久しぶりに笑顔が戻る!
劉備軍は、袁術討伐に向かう途中、かつての領地・徐州の近くを通った。
徐州の都・下邳城は、今は曹操が任命した**車冑**という武将が守っていた。
劉備は、密かに策を練る。
(((徐州を取り返したい…! だが、正面から攻めては、許都の曹操に怪しまれる…)))
そこで、劉備は関羽に密命を下した!
「関羽、お前に頼みがある。夜陰に紛れて、下邳城に忍び込み、『曹操様の密命で、車冑を討ちに来た』と偽って、城を奪い返してくれ!」
「!! 兄者、それは…!」
関羽も驚く、大胆な作戦!
しかし、関羽は、兄の意を汲んで、静かに頷いた。
「…承知いたしました。この関雲長、必ずや、お役目を果たしてご覧にいれます」
その夜。
関羽は、少数の精鋭だけを連れて、下邳城へと向かった。
城門の前で、関羽は叫ぶ!
「門を開けよ! 丞相(曹操の新しい役職)の密命である! 車冑に伝えたいことがある!」
城兵「な、なんだ!? 関羽将軍!?」
まさかの訪問者に、城兵たちは戸惑う。
車冑も、「曹操様の密命だと?」と半信半疑ながら、関羽を城内へ招き入れた。
車冑「関羽将軍、いったい何の用かな?」
怪訝な顔の車冑。
関羽は、懐から偽の密書(劉備が用意したもの)を取り出し、車冑に手渡した。
車冑が、その密書を読もうと、顔を近づけた、その瞬間!!!
「覚悟!!!」
関羽の、鋭い一閃!!!
青龍偃月刀が、車冑の首を、一瞬で刎ね飛ばした!!!
ズバァァァーーーッ!!!
「ぐはっ…!」
車冑、何が起こったのかも分からぬまま、絶命!
「「「ひぃぃぃぃ!!!」」」
周りにいた兵士たち、パニック!
関羽「騒ぐな! 我々は、曹操丞相の命により、逆賊・車冑を討ち取った! 抵抗する者は、皆殺しにする!」
堂々たる宣言!
関羽のあまりの迫力と、電光石火の早業に、城兵たちは完全に戦意喪失。
あっという間に、下邳城は、再び劉備たちの手に戻った!
関羽、見事なミッションコンプリート!
劉備は、下邳城を取り戻したという知らせを聞き、大喜び!
「よくやった、関羽!」
監視役の朱霊と路昭は、唖然…。「え、聞いてないんすけど…」
劉備は、彼らを適当な理由をつけて追い返し、ついに曹操の支配から完全に独立!
下邳城に入った劉備は、関羽を下邳の守りに、張飛を小沛の守りに任命。
再び、徐州の地で、自らの旗を掲げることになった!
曹操との蜜月(?)は終わり、ついに、劉備が曹操に反旗を翻した!
この知らせは、すぐに許都の曹操の元へ届く!
曹操、激怒!!!
「劉備! あの恩知らずめ! よくもワシを裏切ったな!」
曹操 VS 劉備!
二人の英雄の、本格的な対決の火蓋が、ついに切って落とされた!
(続く!)
第二十二話 北の覇者、動く! 曹操、迎撃準備! 関羽&張飛、無双!
次回をお楽しみに。




