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第十九話 さらば、飛将軍! 白門楼に響く断末魔!

袁術えんじゅつを追い払い、邪魔者を(一時的に)排除した曹操そうそう

次なるターゲットは、もちろん、あの因縁の相手!

そう、何度も煮え湯を飲まされ、本拠地まで奪われた、あの男!


呂布りょふ奉先ほうせん…! テメェだけは、絶対に許さん!!」


曹操は、大軍を率いて、呂布が籠る徐州じょしゅう下邳かひ城へと進撃開始!

しかも、今回は強力な助っ人がいる!

呂布に裏切られ、城を奪われた恨みを持つ、劉備りゅうび玄徳げんとくだ!

利害が一致した曹操と劉備は、「打倒・呂布」で、一時的に手を組んだのだ!

(劉備も、内心は複雑だけど…今は呂布を倒すことが先決!)


曹操・劉備連合軍は、下邳城を完全に包囲!

鉄壁の布陣で、アリ一匹通さない!

「呂布! 観念して出てこい!」

「さもなくば、城ごと踏み潰すぞ!」


しかし、下邳城もなかなか堅固な城。

そして、城の中には、あの呂布がいる!

呂布「フン! 曹操ごとき、返り討ちにしてくれるわ!」

呂布は、時折、城から打って出ては、連合軍を蹴散らす! さすがの強さ!


だが、連合軍の兵力は圧倒的。

呂布も、次第に城に押し込められていく。

戦いは、長期戦の様相を呈してきた。


曹操「(イライラ…)くそっ、呂布め、しぶとい! 何か手はないのか!」

そこで、策士が提案する。

「曹操様、城の近くを流れる沂水きすい泗水しすいの堤防を切り、水攻めにしてはいかがでしょう?」

「おお! 水攻めか! よし、やれ!」


ザバァァァーーー!!!

連合軍によって、川の水が下邳城めがけて流し込まれる!

城内は、あっという間に水浸し!

「うわー! 水だ!」

「食料も、武器も、水浸しだ!」

呂布軍の兵士たちの士気は、ダダ下がり。 寒さと飢えで、もう限界寸前!


城内の空気は、最悪。

呂布は、水攻めの中でも、相変わらず酒と女に溺れていた。

「うるさい! 負けるわけねぇだろうが! 酒だ! 酒持ってこい!」

現実逃避モード。


策士・**陳宮ちんきゅう**は、必死に呂布に作戦を提案する。

「呂布将軍! このままではジリ貧です! 私が城を守りますので、将軍は精鋭を率いて城外へ出て、曹操軍の背後を突いてください! 内外から挟み撃ちにすれば、勝機はありますぞ!」

まともな作戦!


しかし、呂布は…

妻の厳氏げんしに「陳宮と他の武将は仲が悪いから、裏切られるかもよ?」と吹き込まれ(女の入れ知恵は怖い!)、完全に疑心暗鬼!

「陳宮! テメェ、俺を城から追い出して、曹操に城を売り渡すつもりだろう!」

「なっ!? 将軍、何を…!」

「うるさい! もう、お前の言うことは聞かん!」

呂布は、陳宮の唯一の勝機となり得た作戦を、却下してしまった!

陳宮、絶望…。


さらに、呂布は部下たちにも厳しく当たり散らす。

部下の**侯成こうせい**が、手に入れた酒を呂布に献上しようとしたら…

呂布「この非常時に、酒だと!? ふざけるな!」

ボコッ!と侯成を殴りつける! 理不尽!


この仕打ちに、侯成、ついにブチ切れ!

(((もう、やってられるか! こんな自己チューな上司、こっちから願い下げだ!)))

侯成は、同じく呂布に不満を持っていた、宋憲そうけん魏続ぎぞくといった武将たちと、密かに裏切りを決意!


その夜。

侯成たちは、呂布が寝静まったのを見計らって、行動開始!

まず、呂布の宝である、最強の武器「方天画戟」と、名馬「赤兎馬せきとば」を盗み出す!

そして、呂布の寝室に忍び込み…


「「「呂布! 観念しろ!!」」」


寝込みを襲われた呂布!

武器も馬もない! さすがの呂布も、丸腰ではただの(ちょっと強い)オッサン!

「き、貴様ら! 裏切るのか!」

「うるさい! お前が俺たちを裏切ったんだ!」


侯成たちは、呂布を荒縄でグルグル巻きに縛り上げ!

そして、城門を開け放ち、曹操軍に降伏!

「曹操様! 呂布を捕らえましたぞ!」


「な、なんだってーー!?」

曹操も、劉備も、ビックリ!

まさかの、内部からの裏切り!


こうして、三国志最強と謳われた飛将軍・呂布は、あっけなく捕虜となってしまった…。

陳宮や、呂布軍の猛将・**張遼ちょうりょう**なども、次々と捕らえられた。


場所は変わって、下邳城の白門楼はくもんろう

曹操は、捕らえた呂布、陳宮、張遼らを、引き据えた。

劉備も、その場に同席している。


最初に引き出されたのは、呂布。

縛られた姿は、なんとも哀れ…。

呂布「(涙目で)曹操殿~! この通り! 縄がきつくて、死んじまうよ~! ちょっと緩めてくれよ~!」

命乞いモード全開! プライド、ゼロ!


曹操「フン…縛り方が緩ければ、また裏切るだろう?」

冷たく言い放つ曹操。


呂布「そ、そんなことしねぇって! なぁ、曹操殿! 俺を部下にしてくれよ! 俺が歩兵を率いて、アンタが騎兵を率いれば、天下統一なんて、ちょちょいのちょいだって!」

必死のアピール!


曹操も、呂布の武力は惜しい…と、一瞬、心が揺らぐ。

(((確かに、こいつがいれば、百人力だが…)))

曹操は、隣に座る劉備に、意見を求めた。

「なぁ、玄徳。どう思う? 呂布を、生かしておくべきか?」


劉備は、静かに、しかし、ハッキリと答えた。

「……曹操殿。あなたは、呂布が仕えた、丁原ていげん董卓とうたくの末路を、お忘れですか?」


!!!

その言葉は、強烈な一撃だった!

丁原も董卓も、呂布に裏切られ、殺された!

呂布は、恩人を平気で裏切る、危険すぎる男なのだ!


呂布「(ガーン!)げ、玄徳! テメェ! なんてことを!」

裏切られた気分!(お前が言うな!)


曹操の迷いは、完全に消えた。

「…呂布。覚悟しろ」

「ま、待ってくれ! 曹操殿! 頼む! 命だけは!」

ジタバタする呂布。


しかし、曹操の命令は非情。

兵士たちが、呂布を引きずっていく。

「いやだー! 死にたくないー!」

呂布の無様な叫び声が、白門楼に響き渡る…。

そして…(処刑シーンは省略)

最強の武将・呂布、その生涯を閉じた。


次に引き出されたのは、陳宮。

陳宮は、潔かった。

曹操「陳宮よ。お前ほどの知恵者なら、もっとマシな主君を選べただろうに。なぜ、呂布などに仕えた?」

陳宮「…(ふっ)…呂布は、確かに単純だったが、貴様のように、腹黒くはなかったからな」

最後まで、曹操をディスる!


曹操「…最後に、言い残すことはあるか? 家族のことは、ワシが面倒を見てやろう」

陳宮「…好きにするがいい。だが、ワシは、貴様に仕える気はない。殺せ」

堂々とした態度。


曹操も、かつての部下の潔い最期に、少し心を動かされたようだった。

「…わかった。送ってやれ」

陳宮もまた、処刑された。


最後に、張遼。

張遼は、呂布や陳宮とは違い、少しも臆することなく、曹操を睨みつけていた!

曹操「張遼か。お前も、呂布に仕えていたな」

張遼「そうだ! だが、それがどうした! 敗軍の将、殺すがいい!」

まったく命乞いをしない! むしろ、啖呵を切る!


曹操「ほう…威勢がいいな。死ぬのが怖くないのか?」

張遼「死など、恐れるに足らん! だが、貴様のような国賊に殺されるのは、無念だ!」

さらに罵声を浴びせる!


曹操、カチン!ときて、剣を抜こうとする!

「この無礼者め!」


その時!

「お待ちくだされ!」

劉備の隣にいた、関羽が、前に進み出た!

関羽は、張遼の堂々とした態度と、その器量に感服していた。

「曹操殿! この張遼、ただの武弁にあらず! 義を知る、真の勇士とお見受けします! どうか、命をお助けになり、配下に加えてはいかがでしょう!」


劉備も、関羽の言葉に頷く。

「関羽の言う通りです。張遼殿のような人物を殺すのは、惜しいことですぞ」


曹操は、剣を収め、張遼をじっと見つめた。

(((確かに…こいつは、骨のある男だ…)))

曹操は、敵であっても、有能な人材を高く評価する器量の持ち主。

「…ふん。関羽と玄徳が、そこまで言うなら、よかろう。張遼、死罪は免じてやる。その代わり、ワシに仕えよ!」

「!!」


張遼も、曹操の器量の大きさと、関羽・劉備のとりなしに、心を動かされた。

「…わかりました。この張遼、これよりは、曹操様のために、力を尽くしましょう」

こうして、猛将・張遼は、曹操の配下となった! (これはデカい!)


呂布の死によって、徐州は完全に曹操のものとなった。

曹操は、劉備を(とりあえず)客人として丁重に扱い、共に許都へ帰還することにした。


最強の暴れん坊・呂布の時代は、終わった。

しかし、彼の死は、新たな時代の幕開けを告げるものでもあった。

曹操の覇権は、ますます強固なものとなり、劉備は、再び曹操の監視下に置かれることに…。

そして、張遼という新たな力を得た曹操軍は、さらに強大になっていく!


乱世のパワーバランスは、またしても大きく変動!

次の戦いの火種は、どこで燃え上がるのか!?


(続く!)

第二十話 狩場でイキる曹操! 皇帝、涙の「打倒指令」!

次回をお楽しみに!

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