第十八話 さすが賈詡! 敵の心、お見通し! 一方、夏侯惇、覚醒す!
「逆賊・袁術を討て!」
曹操の呼びかけで、劉備、呂布、孫策も加わった、豪華すぎる「反・袁術 連合軍」!
袁術の七つの軍団(笑)なんて、もはや風前の灯火! …のはずだった。
しかし!
ここで、またしても、あの**毒舌策士・賈詡**が、暗躍する!
賈詡は、前回、曹操に大恥をかかせた張繍の軍師。
袁術がピンチと知ると、張繍にこんな提案をした。
賈詡「張繍様。袁術はもう終わりでしょうな。しかし、曹操が袁術を滅ぼした後、次に狙うのは、間違いなく我々ですぞ」
張繍「むぅ…確かに…」
賈詡「ならば、いっそのこと、曹操軍の背後を突いて、奇襲を仕掛けませんか? 袁術討伐で油断している今が、絶好のチャンスです。前回のお返しをしてやりましょうぞ」
ニヤリ。またしても、悪魔のささやき!
張繍「よし! やってやる! 曹操め、今度こそ息の根を止めてくれるわ!」
張繍軍は、賈詡の策略に従い、袁術討伐に向かう曹操軍の後方を、虎視眈々と狙っていた!
一方、袁術討伐の総大将のつもりの曹操。
連合軍の力もあって、袁術軍を次々と撃破!
袁術の本拠地・寿春も、もう目前!
「フハハハ! 袁術め、もはや虫の息だな!」
勝利を確信し、ちょっと油断モードの曹操。
そこへ、急報が!
部下「大変です! 張繍軍が、我が軍の後方を奇襲してきました!!」
曹操「な、なんだとぉ!? あの裏切り者め、またしても!!」
ガーン! まさかの展開!
しかも、張繍軍の勢いが、思った以上に激しい!
賈詡の巧みな指揮と、兵士たちの「打倒・曹操!」の気迫が、曹操軍の後方を脅かす!
曹操軍は、前方の袁術軍と、後方の張繍軍に挟み撃ちにされる危険性が出てきた!
「くそっ! このままでは、マズい!」
曹操は、仕方なく、袁術への総攻撃を一時中断。
一部の軍勢を残して、自らは主力部隊を引き連れ、張繍軍を迎撃しに向かった!
「張繍! 賈詡! 今度こそ、貴様らを叩き潰してくれるわ!」
曹操、怒りの反転!
曹操軍 VS 張繍軍! 再び激突!
両軍、一歩も引かない激しい戦いを繰り広げる!
曹操軍の先鋒を務めるのは、隻眼になる前の(※まだ両目健在!)、勇猛果敢な夏侯惇!
「うおおおお! 敵将はどこだ!」
馬に乗って、敵陣に突っ込んでいく!
そこへ、張繍軍の武将・**曹性**が立ちはだかる!
(※曹性は呂布の部下とされることが多いですが、ここでは張繍軍の武将として登場させますね)
曹性は、弓の名手!
夏侯惇が突っ込んでくるのを見て、ニヤリ。
「(フン、猪武者め!)」
弓を引き絞り、夏侯惇を狙う!
ヒュン!!!
放たれた矢は、見事に夏侯惇の左目に突き刺さった!!!
「ぐわああああああ!!!!!」
夏侯惇、激痛に顔を歪め、馬から落ちそうになる!
「くそっ! 目が…! 目が見えん!」
左目からは、血がダラダラと流れ落ちる!
曹性「やったぞ! 夏侯惇を射止めた!」
勝ち誇る曹性!
周りの兵士たちも、「夏侯惇がやられたぞ!」と騒ぎ立てる!
普通なら、これで戦意喪失…となるところだが…
夏侯惇は、普通じゃなかった!!!
彼は、痛みと怒りで、完全に覚醒した!
「おのれぇぇぇぇ!!!!」
なんと、自分の目に突き刺さった矢を、ブチッ!!!と引き抜き!
その矢についた、自分の目玉を…
「親からもらったこの体、捨てるわけにはいかんのだ!!!」
と叫びながら…
パクッ!!! と、食べた!!!
「「「ひぃぃぃぃぃぃ!!!!!」」」
敵も味方も、ドン引き!!!
なんだ、この人! 狂ってる! 怖すぎる!
まさに、鬼神!
覚醒した夏侯惇は、血走った右目だけで曹性を睨みつけ!
「曹性! 覚悟ーーー!!!」
槍を構え、猛然と突進!
曹性「ひっ!? くるな! 化け物!」
あまりの恐ろしさに、完全に戦意喪失! 逃げようとする!
しかし、夏侯惇の怒りの一撃は、あまりにも速く、重い!
ズバァァァーーーッ!!!
曹性、夏侯惇の槍によって、一刀両断!
「ぐはっ…!」
この、夏侯惇の**「抜矢啖睛」**(矢を抜き、睛を啖らう)という、壮絶すぎるエピソードは、彼の勇猛さと狂気(?)を象徴するものとして、三国志の中でも屈指のインパクトを放っている!
夏侯惇の鬼神のごとき活躍で、張繍軍の士気は一気に低下!
曹操軍が、押し返す!
しかし、賈詡も黙ってはいない!
賈詡は、巧みな伏兵や偽りの撤退で、曹操軍を翻弄!
結局、この戦いも、決着がつかないまま、両軍ともに兵を引くことになった。
曹操「(ハァハァ…)夏侯惇、よくやった…! だが、賈詡め、やはり一筋縄ではいかんな…」
夏侯惇は、この戦いで片目を失ったが、その勇猛さは、さらに磨きがかかることになる。
「隻眼の猛将・夏侯惇」、ここに爆誕!
一方、曹操が張繍と戦っている間に、袁術は…
連合軍の攻撃を受けきれず、本拠地・寿春を捨てて、さらに北へと逃亡していった…。
皇帝を自称した男の、哀れな末路の始まり…。
曹操は、張繍との戦いを切り上げ、再び袁術追撃に戻ろうとするが、すでに袁術は遠くへ逃げてしまっていた。
「チッ…逃げ足だけは速いヤツめ…」
賈詡の策略によって、曹操はまたしても苦杯をなめさせられた。
しかし、この戦いで覚醒した夏侯惇という、より強力な武器(?)を手に入れたとも言える。
乱世の知略戦と、武将たちの壮絶な生き様!
物語は、さらに激しさを増していく!
(続く!)
第十九話 さらば、飛将軍! 白門楼に響く断末魔!
次回をお楽しみに!




