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第十五話 江東のニューヒーロー! その名も「小覇王」!

曹操そうそう皇帝けんていをゲットしてウハウハ!

劉備りゅうび呂布りょふに裏切られてガックリ…

そんな中原ちゅうげん(中国の中心部)のドタバタ劇とは別に、南の方、長江ちょうこう流域の「江東こうとう」と呼ばれる地域で、一人の若きヒーローが、旋風を巻き起こしていた!


彼の名は、孫策そんさく! 字は伯符はくふ

あの「江東の虎」孫堅そんけんの息子にして、弟には後にの初代皇帝となる孫権そんけんがいる、まさにサラブレッド!

父・孫堅は、劉表りゅうひょうとの戦いで非業の死を遂げた…。

孫策は、父の無念を晴らし、孫家の名を再び天下に轟かせるため、静かに牙を研いでいた。


父の死後、孫策は一時、袁術えんじゅつの元に身を寄せていた。

袁術は、孫堅が持っていた(とされる)あのヤバいハンコ「伝国でんこく玉璽ぎょくじ」を、孫策から(半ば脅し取るような形で)預かり、その見返りとして、孫策にわずかな兵を与えた。

(((袁術のヤツ…父の兵を返してくれねぇし、玉璽まで…! いつか見てろよ!)))

孫策は、内心ムカつきながらも、今は力を蓄える時だと耐えていた。


そして、ついにチャンス到来!

孫策は、袁術に「江東の領土を、俺が代わりに取ってきてやりますぜ!」と上手いこと言って、父・孫堅の代からの忠実な部下たちの黄蓋こうがい程普ていふ韓当かんとう など、歴戦の猛者たちを取り戻し、ついに独立!

「行くぞ! 目指すは、江東平定だ!」

孫策の快進撃が始まる!


孫策軍は、破竹の勢いで江東の諸勢力を打ち破っていく!

若きリーダー孫策は、自ら先頭に立って戦い、その勇猛さとカリスマ性で、兵士たちの心をガッチリ掴む!

その戦いぶりは、かつての項羽こうう(昔の超強い武将)のようだ、と人々から**「小覇王しょうはおう」**と呼ばれるほど! マジで強い! カッコイイ!


そんな孫策の前に、一人の強敵が立ちはだかる!

揚州ようしゅう太守たいしゅ(えらい役職)、劉繇りゅうようの配下にいた、太史慈たいしじ! 字は子義しぎ

この男、弓の名手にして、槍の腕も超一流! 義理堅く、忠誠心も厚い、まさに「武士もののふ」って感じのイケメン武将!

(※かつて、北海ほっかい孔融こうゆうがピンチの時、単騎で包囲を突破し、劉備に助けを求めに行った、あの人!)


劉繇は、孫策の勢いにビビって逃げ腰だったけど、太史慈だけは違った!

「孫策、若造が! この太史子義が、相手になってやる!」

太史慈は、わずかな手勢を引き連れて、孫策軍に単騎で挑みかかる!


「孫策! 出てこい! 一騎打ちだ!」


孫策も、血気盛んな若武者!

「面白い! 受けて立とう!」

孫策は、部下たちの制止を振り切り、自ら馬に乗って前に出る!


孫策 VS 太史慈!

若き二人の英雄、運命の一騎打ち!


ガキィィィン! ドガァァン! バキィィィン!

槍とげき(孫策の武器)が、激しく火花を散らす!

互いに一歩も譲らない、互角の勝負!

馬上で数十合打ち合っても、決着がつかない!


「やるな、貴様!」

「お前もな!」

二人は、お互いの強さを認め合う!


ついに、二人は馬から飛び降り、地面で組み合い、殴り合いのガチバトルに!

ドカッ! バキッ! ゴッ!

泥まみれになりながら、死闘を繰り広げる!


お互いの武器(孫策は太史慈の戟を、太史慈は孫策の兜を)を奪い合うほどの、壮絶な戦い!

結局、両軍の兵士たちが駆けつけて、この勝負は引き分けに終わった。


孫策「(ハァハァ…)太史慈…! なんて男だ! 是非とも、俺の部下にしたい!」

太史慈「(ゼェゼェ…)孫策…! 若いが、見事な武勇…! だが、今はまだ敵!」

二人の間には、ライバルとしての熱い絆(?)が芽生えた!


(※後に、太史慈は孫策に敗れて捕まるが、孫策はその器量に惚れ込み、彼を部下として迎え入れることになる)


太史慈との激闘を経て、さらに勢いを増した孫策軍。

次なるターゲットは、呉郡ごぐんという地域でデカい顔をしていた、厳白虎げんぱくこ

こいつは、「東呉とうごの徳王」なんて自称してるけど、実態はただの賊上がり。力だけが取り柄の、ちょっとアホっぽいヤツ。


孫策「厳白虎! 俺に降伏しろ! さもなくば、力ずくで潰す!」

厳白虎「はぁ!? 誰だ、テメェ! 若造が、ナメた口ききやがって! 返り討ちにしてやるわ!」


孫策軍 VS 厳白虎軍! バトル開始!


厳白虎軍には、弟の**厳輿げんよ**っていう、兄貴よりはマシだけど、やっぱり脳筋な武将もいた。

厳白虎「弟よ! あの生意気な孫策の首、取ってこい!」

厳輿「おうよ、兄貴!」


厳輿が、槍を構えて孫策に突っ込んでくる!

孫策「フン! 雑魚が!」

孫策は、馬上でヒラリとかわし、逆に鋭い一撃を放つ!


ズバッ!!!


厳輿、あっけなく孫策に斬り捨てられた!

「ぐはっ…!」


厳白虎「な、なんだと!? 弟が、一撃で!?」

ビビりまくる厳白虎!


そこへ、孫策軍の猛将たちが、ドッと押し寄せる!

黄蓋「ジジイの力、見せてやるわい!」

程普「行くぞ!」

韓当「続けー!」


厳白虎軍は、もはや烏合の衆!

「うわー!」「逃げろー!」

あっという間に総崩れ!


厳白虎自身も、命からがら城に逃げ帰る!

「く、くそぉ! 孫策、強すぎるだろ!」


しかし、孫策は追撃の手を緩めない!

城を包囲し、猛攻撃!

さらに、城内にいた厳白虎の部下の朱治しゅち などが、「こんなアホについていけるか!」と孫策に寝返り、城門を開けてしまう!


ドカーーーン!!!


孫策軍が、城内になだれ込む!

厳白虎「ひぃぃぃ! もうダメだ!」

逃げようとする厳白虎!


だが、孫策がそれを許さない!

「待て、厳白虎!」

孫策が、自ら厳白虎を追い詰める!


追い詰められた厳白虎は、ヤケクソで孫策に斬りかかる!

「死ねや、小僧!」

孫策「遅い!」

ヒラリとかわし、カウンターの一閃!


ザン!!!


厳白虎、孫策の手によって、あっけなく討ち取られた!

「東呉の徳王(笑)」の野望、ここに潰える!


こうして、孫策は、わずかな期間で、江東の主要地域を次々と平定!

その勢いは、まさに「小覇王」の名にふさわしいものだった!

父・孫堅の築いた基盤を受け継ぎ、さらにそれを拡大させ、後の「呉」王朝の礎を、見事に築き上げたのだ!


江東に、孫策あり!

その名は、中原の英雄たち…曹操、劉備、袁紹らの耳にも、すぐに届くことになる。

新たな強敵の出現に、乱世はさらにヒートアップ!


果たして、若き「小覇王」孫策の次なる野望は!?

そして、中原の覇権争いは、どう動くのか!?


(続く!)



第十六話 百発百中!? 呂布の神業アーチェリー! 一方、色ボケは命取り!?

次回をお楽しみに!

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