第十四話 キラキラ新首都! 曹操、大勝利! 一方、留守番はつらいよ…
「皇帝陛下! この曹孟徳が、お迎えに上がりましたぞ!」
曹操は、大軍勢を引き連れて、ボロボロになっていた献帝一行の元へ、颯爽と登場!
献帝「おお! 曹操! よくぞ来てくれた!」
楊奉や董承たちも、「これで助かった!」と一安心。
曹操は、まず邪魔なヤツらを排除!
皇帝を追ってきた李傕・郭汜の残党や、皇帝の側で幅を利かせようとしていた元賊上がりの韓暹らを、**バシッ!**と撃退!
「陛下に近づく不埒者は、この曹操が許さん!」
圧倒的な武力を見せつける!
そして、曹操は献帝に提案する。
「陛下、今の都の洛陽、 もしくは 安邑は、焼け野原で危険です。私の本拠地である**許**という街に、都を移しませんか? そこなら安全ですし、私が責任を持って、陛下と漢王朝をお守りいたします!」
超~丁寧! でも、目は笑ってない!
献帝には、もう曹操に従う以外の選択肢はない。
「う、うむ…そうしてくれるか、曹操よ…」
こうして、漢王朝の都は、曹操の息のかかった**「許都」**に移されることになった!
許都では、曹操によって、新しい宮殿が建てられ、朝廷の組織も再編された。
曹操自身は、最高位の役職「大将軍」となり、政治も軍事も、すべてを掌握!
まさに、**「天子(皇帝)を奉じて、諸侯に号令する」**体制を確立したのだ!
表向きは、皇帝を敬う忠臣。でも、実質的には、曹操が国のトップ!
「クックック…計画通り…!」
曹操、笑いが止まらない! 権力ゲットだぜ!
一方、その頃…
徐州の新しい支配者となった劉備玄徳。
領内の安定に力を注ぎ、民衆からの評判も上々!
「劉備様、最高ー!」
そんな劉備の元に、一人の厄介な客が転がり込んできていた。
そう、あの**呂布奉先**だ!
曹操に兗州を追い出され、行く当てのなくなった呂布は、なんと劉備を頼ってきたのだ!
呂布「劉備殿~! 助けてくれ~! 曹操にイジめられた~!」
(どの口が言うか!)
普通なら、門前払い確定のトラブルメーカー。
しかし、お人好しすぎる劉備は…
「おお、呂布将軍! お困りのご様子。まあ、上がりなされ」
なんと、受け入れちゃった!
ええええーーー!?
関羽「兄者! 正気ですか!? あの呂布ですよ!?」
張飛「そうだぜ、アニキ! アイツは信用できねぇ! いつ裏切るかわかんねぇぞ!」
二人の弟は、猛反対!
でも、劉備は言う。
「まあまあ、二人とも。呂布将軍も、今は反省しているだろう。困っている人を見捨てるわけにはいかないじゃないか」
どこまでも、お人好し!
劉備は、呂布に近くの「小沛」っていう小さな城を与えて、とりあえずそこに住まわせることにした。
(((大丈夫かなぁ…)))
関羽と張飛の不安は、的中することになる…。
そんなある日。
曹操に負けてムカついていた、袁術っていう、袁紹の弟(こっちもプライドだけは高い残念なヤツ)が、大軍を率いて徐州に攻め込んできた!
「劉備! テメェの徐州、俺様がいただくぜ!」
劉備「なにぃ!? 袁術が攻めてきただと!?」
迎撃準備!
劉備は、関羽に本拠地・下邳城の留守番を任せ、自分は張飛と一緒に、袁術軍を迎え撃つために出陣!
「行くぞ、張飛!」
「おうよ、アニキ!」
劉備軍 VS 袁術軍! 激突!
戦いは、一進一退。なかなか決着がつかない。
一方、下邳城で留守番をしていた関羽。
マジメな関羽は、城の守りを固めて、油断なく警戒していた。
…と、思いきや!
留守番を任されていたのは、関羽じゃなくて、張飛だった! (という説もあるし、その方がドラマチック!)
※今回は、張飛が留守番していたパターンで進めますね!
張飛「アニキと関羽の留守は、この俺がしっかり守るぜ!」
最初は意気込んでいた張飛。
しかし、張飛には致命的な欠点があった! それは…
お酒大好き! しかも、飲むと手がつけられない酒乱!
「敵も来ねぇし、ちょっとくらい、いっか!」
プシュ! ゴクゴクゴク…!
張飛、宴会スタート! 部下たちと、飲めや歌えの大騒ぎ!
ベロンベロンに酔っぱらってしまう!
「ウィ~ッヒック! 俺様が、この城の、ボスだぞぉ~!」
呂律も回らない!
そんなグダグダ状態の張飛に、一人の部下が意見した。
部下の曹豹(陶謙の元部下)「張飛様! いくらなんでも、飲みすぎです! 敵がいつ来るか…」
張飛「あ゛ぁん!? なんだテメェ! 俺に説教か!? この、裏切り者になるかもしれねぇヤツが!」
(曹豹は、呂布とちょっと繋がりがあったらしい)
酔った勢いで、張飛は曹豹を、ボッコボコに鞭で打ち据えてしまった!
「ぎゃあああ!」
ボコボコにされた曹豹、激怒! そして、恐怖!
(((このままじゃ、いつか張飛に殺される…!)))
曹豹は、夜陰に紛れて、こっそり城を抜け出し、近くの小沛にいる呂布の元へ走った!
曹豹「呂布将軍! お助けください! 張飛に殺されかけました! そして、今、下邳城はガラ空きですぞ! 張飛は酔いつぶれて、守りもグダグダ! 今なら、簡単に城を乗っ取れます!」
悪魔のささやき!
呂布、ニヤリ…!
(((劉備め…俺を小沛なんかに押し込めやがって…! チャンス到来!)))
呂布の中に眠っていた、裏切りの血が騒ぎ出す!
呂布「よし! 全軍、出陣! 目指すは下邳城! 劉備の留守に、城をいただくぞ!」
策士・陳宮も「今ですぞ!」と後押し!
ザザザーーーッ!!!
呂布軍は、夜の闇に紛れて、下邳城に奇襲攻撃をかけた!
城門では、まだ酔いが醒めない張飛が、
「んん~? なんか、騒がしいなぁ…?」
目をこすっている。
ドカーーーン!!!
呂布軍が、あっという間に城門を突破!
「うおおおお! 呂布様だ!」
「裏切り者・張飛を討ち取れ!」
張飛「な、なんだとぉ!? 呂布が裏切っただとぉ!?」
ようやく事態を把握! でも、もう遅い!
酔っていて、まともに戦えない!
「くそぉぉぉ! 俺のバカヤロー!」
張飛は、わずかな手勢と共に、命からがら下邳城から逃げ出すしかなかった…。
袁術と戦っていた劉備の元に、衝撃の知らせが届く!
「大変です! 張飛様がヘマをして、呂布に下邳城を乗っ取られました!!」
劉備「な…なんだってーーーーー!?」
ガーン!!! ショックで膝から崩れ落ちる劉備!
信じていた(?)呂布に裏切られ、大事な本拠地を奪われた!
しかも、原因は、弟・張飛の酒癖の悪さ!
踏んだり蹴ったり!
袁術との戦いどころではなくなった劉備。
「全軍、撤退! 下邳を取り戻すぞ!」
急いで引き返すが、時すでに遅し。
下邳城は、完全に呂布のものになっていた…。
行き場を失った劉備軍。
兵士たちの士気もダダ下がり。
劉備「うぅ…これから、どうすれば…」
最大のピンチ!
お人好しが仇となった劉備。
信頼を裏切った呂布。
ヘマをやらかした張飛。
それぞれの運命が、再び大きく動き出す!
そして、この混乱を、虎視眈々と狙う者がいる…そう、あの曹操だ!
(続く!)
第十五話 江東のニューヒーロー! その名も「小覇王」!
次回をお楽しみに!




