第十三話 首都で大ゲンカ! 皇帝、ガチで逃げる!
一方、その頃…
漢王朝の首都(仮)となっていた長安は、マジで世紀末状態!
董卓亡き後、権力を握った元部下の李傕と郭汜。
この二人、最初は仲良く(?)やってたんだけど、しょせんは脳筋のチンピラ上がり。
ささいなことで、すぐに大ゲンカを始めちゃった!
原因は、なんと**「郭汜の嫁さんの嫉妬」**!
郭汜の嫁さんが、「アンタ、最近、李傕の家に入り浸ってない? あの家の女とデキてるんでしょ!」って、根も葉もない疑いをかけたんだ。(李傕が、郭汜に毒を盛ろうとしてる、みたいな話に発展することも)
郭汜「はぁ!? 何言ってんだ、お前!」
嫁「キーッ! もう知らない!」
この夫婦ゲンカが、なぜか国家レベルの大問題に発展!
郭汜「(ムカムカ…)李傕のヤツ、俺のこと、ナメてんのか?」
李傕「(はぁ? 郭汜が俺のこと疑ってんの? ふざけんな!)」
お互いに不信感がMAX!
「「もう、やってらんねー! テメェとは絶交だ!」」
二人は、ついに長安のど真ん中で、軍隊を動員してのガチバトルを開始!
ドガガガ! バキバキ!
「李傕軍、かかれー!」
「郭汜軍、負けるなー!」
首都の市街地で、元仲間同士が殺し合い! もうメチャクチャ!
民衆は、完全に巻き込まれ事故!
「ぎゃああ!」「逃げろー!」
このドサクサで、一番迷惑してるのが、皇帝の**献帝**と、その側近たち。
献帝「うぅ…怖いよぉ…いつ殺されるか分からないよぉ…」
まだ若い皇帝は、毎日ビクビク怯えて暮らしていた。
そんな皇帝を不憫に思った、数少ないマジメな部下たちがいた。
一人は、楊奉。元々は白波賊っていう賊の頭領だったけど、今は朝廷に仕える武将。
もう一人は、董承。献帝の奥さん(皇后)の父親。つまり、皇帝の義理のパパ。
楊奉「董承殿、このままでは、陛下が危ない!」
董承「うむ…李傕と郭汜の争いが収まる気配はない…いっそのこと、陛下を連れて、この長安から脱出するしか…!」
二人は、密かに**「皇帝陛下、長安脱出大作陣」**を計画!
決行の夜。
楊奉と董承は、献帝と皇后、そしてわずかな側近たちを連れて、こっそり宮殿を抜け出した!
「陛下、こちらへ!」
「しーっ! 静かに!」
ドキドキ…! まるでスパイ映画!
しかし、すぐに李傕と郭汜にバレた!
李傕「なにぃ!? 皇帝が逃げただと! 追えー!」
郭汜「チッ! 俺の獲物(人質)を! 逃がすか!」
「「「待てーーー!!」」」
李傕軍と郭汜軍が、皇帝一行を猛追! しかも、お互いに「俺が皇帝を捕まえる!」って、またケンカしながら追いかけてくる! もう、わけわからん!
楊奉「くそっ! 追手が来たぞ!」
董承「陛下! お急ぎください!」
皇帝一行は、文字通り、命からがら逃げる!
途中、護衛の兵士たちは、次々と追手に倒されていく!
「うわー!」
「陛下をお守りしろ!」
食料も尽き、ボロボロの服を着て、泥まみれになりながら、ひたすら東へ、東へ…。
かつての栄光ある漢王朝の皇帝が、まるで難民のような姿に…。
献帝「(涙ポロポロ)…もう、ダメだ…」
皇后「陛下…しっかり!」
絶体絶命のピンチ!
その時!
楊奉が、元・賊仲間だった韓暹、李楽、**胡才**といった連中に、「助けてくれー!」と連絡を取っていたのが功を奏した!
(※彼らは、白波賊の残党で、河東という地域でブイブイ言わせてた)
韓暹たち「おお! 楊奉の頼みとあらば、助けに行こうぜ!」
彼らは、手勢を引き連れて、皇帝一行の元へ駆けつけた!
「皇帝陛下! 我々がお助けに上がりました!」
「おお! 助かった!」
賊上がりとはいえ、彼らの加勢は大きい!
李傕・郭汜軍をなんとか撃退し、皇帝一行は、黄河を渡って、さらに東へ逃れることができた!
やっとの思いでたどり着いたのは、**安邑**っていう古都。
しかし、そこも安住の地ではなかった。
食料はない、建物はボロボロ、そして、李傕・郭汜の追撃の脅威もまだ去っていない…。
楊奉「うーむ、これからどうしたものか…」
董承「どこかに、我々を保護してくれる、力のある諸侯はいないものか…」
側近の一人が提案する。
「そうだ! 今、兗州で呂布を破り、勢いに乗っている曹操孟徳殿に、助けを求めてはいかがでしょう!?」
「おお! 曹操殿か!」
「あの御方なら、きっと陛下をお守りし、漢王朝を再興してくれるに違いない!」
献帝「(希望の光!)そ、そうか! 曹操なら…!」
すぐに曹操へ、「助けて! ヘルプミー!」の使者が送られることになった。
一方、その曹操は…
呂布を追い払い、兗州を平定し、まさにノリに乗っているところだった!
そこへ、皇帝からのSOS!
側近の**荀彧**が、曹操に進言する。
「曹操様! これは、またとない好機です!」
「ほう? どういうことだ?」
荀彧「今、皇帝陛下をお迎えすれば、『天子(皇帝)を奉じて、逆賊(従わない諸侯)を討つ』という、最高の大義名分を手に入れることができますぞ! これがあれば、天下統一への道が、大きく開けます!」
「なるほど…! 天子を奉じる、か…!」
曹操の野心に、火がついた!
曹操「よし! 全軍に出陣準備をさせろ! ただちに皇帝陛下をお迎えに行く! そして、陛下をないがしろにした、李傕、郭汜どもを、この曹孟徳が成敗してくれるわ!」
**ドーーーン!**と宣言!
ついに、曹操が、歴史の表舞台の、ど真ん中に躍り出る時が来た!
皇帝を保護するという、最強のカードを手に入れようとしている!
果たして、曹操は無事に皇帝を迎え入れられるのか?
そして、この動きは、他の英雄たち…劉備や袁紹、孫策たちに、どんな影響を与えるのか!?
乱世のパワーバランスが、大きく変わろうとしていた!
(続く!)
第十四話 キラキラ新首都! 曹操、大勝利! 一方、留守番はつらいよ…
次回をお楽しみに!




