第百十四回 皇帝、自ら剣を取る! その最期… 姜維、食料を囮に魏を破る!
魏の国。
司馬昭の権力は、もはや天を衝く勢い!
皇帝・**曹髦は、完全に司馬昭の傀儡(操り人形)**と化していた。
しかし、曹髦は、まだ若いが、血気と誇りを持った青年だった!
祖父・曹丕、曽祖父・曹操が築き上げた魏の国が、司馬氏に乗っ取られていく現状に、激しい憤りを感じていた!
(((司馬昭! この国賊め! いつまでも、好きにはさせん! この私が、直接、成敗してくれるわ!)))
曹髦は、ついに、**無謀**とも言える、決断を下す!
自ら、武器を取り、わずかな側近だけを連れて、司馬昭の屋敷へと、討ち入ろうとしたのだ!!!
まさに、皇帝自らのクーデター!!!
曹髦は、剣を抜き放ち、自ら**戦車(せんしゃ:馬車のような乗り物)**に乗り込む!
そして、数百人の宿衛(宮殿の警備兵)や、宦官、奴僕(召使い)などを引き連れて、宮殿を飛び出した!
「国賊・司馬昭を討つぞ! 我に続け!!!」
若き皇帝の、悲壮な叫び!
しかし! この曹髦の動きは、すぐに司馬昭の耳に入っていた!
司馬昭「(冷笑)ほう…あやつめ、ついに動き出したか…愚かなことよ」
司馬昭は、腹心の賈充(あの毒舌策士・賈詡の息子! 親譲りの冷徹さ!)に命じ、兵を率いて、曹髦一行を待ち伏せさせた!
曹髦一行が、宮殿の南門、**南闕**あたりに差し掛かった時!
賈充率いる、数千の武装兵が、行く手を阻んだ!!!
賈充「陛下! いずこへ行かれる! 速やかに、お戻りくだされ!」
曹髦「(怒)黙れ! この逆賊の手先めが! 道を開けよ! さもなくば、斬る!」
皇帝自ら、剣を構え、突撃しようとする!
賈充は、一瞬、ためらった。相手は、皇帝だ。
しかし、賈充の部下である、**成済**という、血気にはやる将が、賈充に問う!
成済「公(賈充のこと)! いかがいたしましょう!?」
賈充は、冷酷に言い放った!
「…司馬公(司馬昭のこと)は、お前たちを養ってこられたのだ! 何のためか、分かっておろうな!?」
(=つまり、「皇帝だろうが、やっちまえ!」という、暗黙の命令!)
成済は、その言葉の意味を理解した!
「(覚悟を決めて)…承知!」
成済は、戈を手に、皇帝・曹髦の戦車へと、躍りかかった!!!
「!!!!!」
周りにいた者たち、息をのむ! まさか、皇帝に刃を向けるとは!
グサッ!!!
成済の戈が、若き皇帝・曹髦の胸を、深々と貫いた!!!
「ぐ……あ……っ……」
曹髦は、信じられない、という表情で、自らの胸を見つめ…
そのまま、戦車の上から、崩れ落ちた…。
魏の若き皇帝・曹髦、司馬一族の走狗(手先)によって、路上で、惨殺される!!!
あまりにも、衝撃的で、悲劇的な最期だった…。
これは、魏の国が、完全に司馬氏のものとなったことを、決定づる事件となった。
(この後、司馬昭は、曹操の孫・曹璜改め**曹奐**を、最後の皇帝として擁立する)
一方、その頃…
蜀の**姜維伯約**は、またしても、**北伐**の軍を起こしていた!
諦めない! 執念の男!
迎え撃つは、やはり、あの宿敵・鄧艾士載!
二人の知恵比べが、再び繰り広げられる!
姜維は、前回の敗北を教訓に、今回は**兵糧**に、特に注意を払っていた!
しかし、やはり蜀からの輸送は困難…。兵糧は、常に不足しがち…。
そこで、姜維は、一計を案じる!
それは、**「兵糧を、わざと捨てて、敵を油断させ、おびき寄せる」**という、**奇策**だった!
姜維は、まず、**偽りの撤退**を開始!
そして、撤退する道筋に、大量の食料(米や麦など)を、わざと置き去りにしていく!
しかも、日を追うごとに、置き去りにする食料の量を、増やしていくのだ!
鄧艾は、姜維が撤退を開始した、という報告を受け、追撃を開始!
しかし、道には、蜀軍が捨てていった、大量の食料が!
鄧艾「(!?)なんだ、これは? 蜀軍は、よほど慌てて逃げているのか? それとも…?」
鄧艾の部下たちは、大喜び!
「やったぞ! 食料だ!」
「蜀軍は、兵糧不足で、撤退したに違いない!」
「もう、追う必要はないのでは?」
魏軍の兵士たちは、完全に油断し、追撃のスピードも、鈍ってしまう!
しかし! 鄧艾は、**違和感**を感じていた!
(((おかしい…孔明の弟子である姜維が、こんな無様な撤退をするはずがない…! しかも、捨てていく食料の量が、日に日に増えている…? これは、まさか…!)))
鄧艾は、ハッ!と気づいた!
「(!!!)罠だ! これは、姜維の罠だ! 蜀軍は、撤退などしていない! 伏兵がいるに違いない!」
鄧艾は、すぐさま全軍に停止を命じ、周囲を警戒!!!
その瞬間!!!
「「「かかれーーー!!!」」」
道の両側から、**姜維率いる蜀軍の伏兵**が、ドッと現れた!!!
姜維「(ニヤリ)鄧艾! よくぞ、見破ったな! しかし、もう遅い!」
魏軍は、油断しきっていたところに、突然の奇襲を受け、大混乱!!!
「ぎゃあああ! 伏兵だ!」
「罠だったのか!」
姜維は、自らも剣を振るい、魏軍へと斬り込んでいく!
「今度こそ、貴様を討ち取る!」
鄧艾も、必死に応戦!
両軍、激しい白兵戦を展開!
しかし! 姜維の計略は、見事に的中!
不意を突かれた魏軍は、大きな損害を受け、再び**敗走**を余儀なくされた!
「姜維、糧(食料)を棄てて、魏兵に勝つ!」
姜維、またしても、知略で鄧艾を出し抜いた!
しかし…!
この勝利も、また、蜀の滅亡を、わずかに遅らせたに過ぎなかった…。
魏の国力は、揺るぎない。
蜀の国力は、疲弊していく一方…。
姜維の、**孤独**で、**絶望的**な戦いは、まだ続く…。
一方、魏では、皇帝を殺めた司馬昭の権力が、**頂点に達した。
もはや、司馬氏の「晋王朝」樹立は、時間の問題…。
そして、その最後の標的**として、**蜀と呉**に、**滅亡への刃**が、向けられようとしていた…!
三国時代の、**終焉**が、すぐそこまで迫っている…!
(続く!)
第百十五回 帰還命令!? 皇帝、讒言を信じる! 姜維、涙の都落ち…
次回をお楽しみに。




