第十話 西涼(せいりょう)の風、吹き荒れる! そして…復讐の黒い炎!
長安は、李傕&郭汜っていう、董卓の元部下コンビが好き放題!
皇帝の献帝は、完全にお飾り状態。
「うぅ…誰か、助けて…」
漢王朝、マジで風前の灯火!
そんな中! 西の果て、涼州っていう、馬とかが有名なイケイケな地域から、アツい男たちが立ち上がった!
リーダーは、馬騰! 董卓と同じく、西涼出身の武将だ。
そして、その親友で、同じく西涼の有力者、韓遂!
二人は、李傕・郭汜の悪行にブチ切れ!
「李傕! 郭汜! てめぇらの好きにはさせねぇ!」
「漢王朝を救うのは、俺たち西涼の軍勢だ!」
馬騰には、超~有望な息子がいた!
その名は、馬超! 字は孟起。
まだ若いけど、父譲りの武勇と、獅子みたいな勇猛さを持つ、まさに「西涼の錦」と呼ばれるイケメン&パワーファイター!
(※この時点では、まだ少年くらいかな?)
「父上! 俺も連れて行ってください!」
「よし! 行くぞ、息子よ!」
馬騰と韓遂は、西涼の屈強な兵士たちを引き連れて、**「漢王朝、救っちゃうぜ! 連合」**を結成!
ドンドコドーン!と長安目指して進撃開始!
「うおおおお! 西涼魂、見せてやるぜ!」
一方、長安の李傕と郭汜。
「な、なんだと!? 西涼のヤツらが攻めてくるだと!?」
ビビりまくり! 内輪揉めしてる場合じゃねぇ!
「ど、どうする!?」
ここで、またまた登場、策士・賈詡!
「まぁまぁ、落ち着きなされ。策はありますぞ」
ニヤリ。
賈詡は、李傕と郭汜に、ある作戦を授けた。それは…
「籠城して、相手が油断したところを、夜襲でドーン!です」
…え、それだけ? と思うかもしれないけど、これが意外と効く!
馬騰・韓遂軍は、勢いに乗って長安に迫る!
「よーし! 一気に攻め落とすぞ!」
しかし、李傕・郭汜軍は、城門をガッチリ閉じて、出てこない!
「チッ! 籠城か!」
「まぁ、いい! 包囲して、兵糧攻めだ!」
西涼軍は、長安城をグルッと包囲。数日が経過した。
夜。
西涼軍の兵士たちも、連日の包囲でちょっとお疲れモード。油断も出てくる。
(((まぁ、どうせ今日も出てこねぇだろ…)))
zzz…
その時!!!
「「「うおおおおお! 夜襲だーーー!!!」」」
李傕・郭汜軍が、賈詡の作戦通り、夜陰に紛れて城門から飛び出し、油断しきっていた西涼軍に襲いかかった!
ドガガガ! ズバババ!
「ぎゃあああ!」「敵襲だ!」
西涼軍、大混乱! 寝込みを襲われて、陣形も何もあったもんじゃない!
馬騰「くそっ! 罠か!」
韓遂「一旦、退くぞ!」
馬超も、獅子奮迅の戦いぶりを見せるが、多勢に無勢!
「父上! お逃げください!」
結局、馬騰・韓遂軍は、大損害を受けて、ほうほうの体で西涼へと撤退していった…。
「くそぉ…! 李傕、郭汜、そして賈詡め…! この恨み、いつか必ず…!」
西涼からの「漢王朝レスキュー大作戦」は、残念ながら失敗に終わってしまった。
長安は、再び李傕・郭汜の支配下に…。
さて、場面は変わって、東の方、兗州という地域。
ここは、あの**曹操孟徳**が、着々と勢力を伸ばしていた場所だ。
董卓暗殺に失敗し、反董卓連合もグダグダに終わったけど、曹操は諦めなかった!
有能な人材をスカウトしまくり、軍隊を強化し、領地を安定させ、着実に力を蓄えていたんだ。
部下には、夏侯惇、夏侯淵っていう従兄弟コンビや、曹仁、曹洪っていう親戚、そして、知略に優れた荀彧、程昱など、超一流のメンバーが揃い始めていた。
そんなある日。曹操の元に、一通の手紙が届いた。
差出人は、父・曹嵩。
曹操の父ちゃんは、引退して徐州っていう隣の地域で、のんびり隠居生活を送っていたんだ。
「おお! 父上からだ! 元気にしてるかな?」
ウキウキで手紙を開ける曹操。
手紙の内容は、「最近、お前の活躍がすごいらしいな! ワシも嬉しいぞ! そろそろ、お前のところに引っ越そうと思うから、迎えに来てくれんかの?」というものだった。
「よし! 父上をお迎えに行こう!」
曹操は、孝行息子モード! すぐに部下を派遣して、父と家族を迎えに行かせた。
曹操の父・曹嵩一行は、たくさんの財宝と一緒に、兗州へ向けて出発!
ウキウキ気分で、隣の徐州の領内を通っていた。
徐州のトップは、**陶謙っていう、温厚(だけど、ちょっと頼りない)おじいちゃん。
陶謙は、「あの曹操殿の父上が通るのか! 失礼があってはならん!」と、部下の張闓**に、護衛を命じた。
「張闓、頼むぞ! 丁重にお送りするのだぞ!」
「ははっ! お任せください!」
…しかし、この張闓、実は元・黄巾賊!
根っからの悪党だった!
曹嵩一行が持っている、キラキラの財宝を見て、悪魔の心がムクムク…!
(((へへへ…こんなジジイ一行、襲っちまえば、この財宝、全部俺様のもんだぜ…!)))
その夜。
張闓は、護衛の兵士たちをそそのかし、曹嵩一行が泊まっていた宿舎を襲撃!!!
「「「うおおおおお! 金を出せーー!!!」」」
「ひぃぃぃ! な、何をする! 私は曹操の父だぞ!」
曹嵩は必死に抵抗するが、多勢に無勢!
「うるせぇ! 死ね!」
ザン!!!
曹操の父・曹嵩、そして家族の多くが、張闓とその手下たちによって、惨殺されてしまった…。
財宝は、根こそぎ奪われ、張闓はどこかへ逃亡…。
なんという悲劇…!
父と家族が惨殺されたという知らせは、すぐに曹操の元へ届いた!
「……な…なんだと……?」
曹操、絶句。そして…
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
天を裂くような、怒りの絶叫!!!
目には、憎悪と復讐の黒い炎がメラメラと燃え上がる!
ゴゴゴゴゴ……!!!
その怒りは、すさまじく、周りの部下たちも震え上がるほど!
「張闓…! そして、部下の管理もできん、あの陶謙!!! 絶対に許さん!!!」
曹操は、完全に復讐鬼と化した!
「全軍に告ぐ!!! ただちに徐州へ進軍する!!! 徐州の民、犬猫に至るまで、一匹残らず、皆殺しにせよ!!!!!」
「「「は、ははーーーっ!!!」」」
部下たちも、主君のあまりの怒りに、恐れながらも従うしかない!
温厚だったはずの曹操が、父の死をキッカケに、冷酷非情な復讐者に豹変!
大軍勢を引き連れ、徐州へと進撃を開始!
その進軍ルートでは、曹操の命令通り、多くの罪のない民衆が虐殺されるという、恐ろしい事態に…!
徐州の民「ぎゃあああ!」「助けて!」
陶謙「ひぃぃぃ! 曹操殿が、鬼になって攻めてきた!」
果たして、徐州の運命は!?
そして、この曹操の暴走を止められる者はいるのか!?
一方、この混乱に乗じて、あの三兄弟が、ついに動き出す…!?
(続く!)
第十一話 お助け劉備、北海へGO! 曹操、背後からガブリ!
次回をお楽しみに!




