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太陽の向こう側  作者: しのはらかぐや
第1章 結成
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第十八話 お招き


「はい、約束通り金貨700です」


目の前に置かれた大きな袋を見てアルアスルは感嘆の声を漏らした。


「はぁぁあ…迫力あるなぁ…!銀貨でも銅貨でもなくこれ全部金貨…!ふおおおお……!」


袋を覗き込みはしゃぐアルアスルの尻尾は天井に向かって真っ直ぐに伸びている。


「こら!アル!ギルドの人と山分けやろ!」


そのまま持ち去ってどこかに姿を眩ませそうな様子のアルアスルからタスクは袋を引き剥がす。

重みを失ったアルアスルの尻尾と耳は分かりやすく下に垂れた。


「いやいや…今回ばかりは私どもは何もしていませんし、むしろなかなか捌けなかったクエストを終わらせていただき助かったので…報酬は全て…。と言いたいところなのですが、街の修繕費だけお心ばかりいただけたらと」


「なんや、そんなんでええなら…」


タスクの持つ袋から金貨を数枚取り出すアルアスルにたてのりは馬鹿、と一言だけ溢して鉄拳を打ち込む。

攻撃力に全振りの剣士の小突きは通常の剣士のフルスイングにも匹敵する。

間抜けな鳴き声をあげて吹っ飛んだアルアスルを尻目にたてのりは金貨の半分をきっちりとシリウスに渡した。


「ありがとうございます。代わりと言ってはなんですが…今回の件に関して本クエストの依頼主ゼーローゼ様より、直接のお礼がしたいとパーティへのお誘いを預かっております」


シリウスは懐から一通の手紙を取り出してたてのりに手渡した。

手触りの良い紙に透かしでおそらくゼーローゼの家紋であろう模様が入っている。

達筆な文字は受けた教育の質の違いを、焚き込められた香りは育った環境の良さを、押された刻印の見たこともない綺麗なインクはまさしく財力を表している。


「ほぉー、金にならん報酬もあるってわけか」


タスクがニンマリと笑う。莉音は貴族からの招待状に少し怯えながらもお城でのご飯に目を輝かせた。

そんなメンバーの様子を離れたところで見ていたトウカは、少しだけ微笑んで今宵のショーに備えるべく裏に戻ろうとした。


「トウカ、せっかくだから貴女も行ってきなさい」


シリウスが声をかける。

トウカは肩を震わせて足を止め振り返った。


「え…でも…」


「心配せずとも、ここのパフォーマーは皆世界に名の轟く者ばかりだよ。貴女もたまにはゆっくり羽を伸ばしてきなさい」


シリウスはトウカに近付いて頭に手を置いた。


「友達は大事にするものだよ」


優しく微笑まれ、メンバーの顔を見る。タスクと莉音が笑ってトウカのことを見ていた。

トウカの表情がパッと明るくなる。


「うん、マスター…あたし、友達できたよ!」


「え~なんやトウカちゃん、友達おらんかったんかぁ」


身体中の埃や粉塵を払いながら復活したアルアスルはまたもやたてのりの鉄拳に沈んだ。

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