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太陽の向こう側  作者: しのはらかぐや
第1章 結成
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第十三話 赤信号


春の足音はまだ聞こえたばかりで、夜の風は肌に触れると冷たい。

しかしそれ以上に会話のないふたりの間には極寒の空気が満ちていた。

繁華街を過ぎてしまえばモンスターどころか人影もない。ツェントルムにしては静かで寒い夜だった。

景色が判別できるくらいで馬を走らせるたてのりに、出会ってすぐの女性とふたりきりで会話を弾ませるような芸当はもちろんできない。

接客に慣れているはずのトウカの方も無理に何かを話そうとする素振りはなかった。

パーティが分かれてどれくらい経っただろうか、街のはずれまで見回ったものの何も発見できなかったふたりは皆と分かれた中心街の方へ戻ってきていた。


「モンスターもいないし合図もない。毎晩出てたってのに今日に限ってはずれ…?」


風に紛れるくらいの声でトウカが呟く。何も返事はしなかったがたてのりも同意だというように馬を止めた。


「もうあいつらも宿に戻ってるかもしれないな」


誰に言うでもなくそう独りごちて馬の向きを変える。

宿はツェントルムの街から裏路地に入ったところにあった。

物置に乗り入れて見てみるが、定位置で丸まって寝ているはずのガウの姿はない。

分かれた3人はまだ戻っていないようだった。


「機動力はあっちのがありそうだけど…大丈夫かな」


トウカの闇に輝くペリドットが細まる。

たてのりは無言で太刀を担ぎ直し、物置から出た。

向かう方向は3人が行った西側である。


「とりあえず、何かないとも限らないから俺はネコらを探しに行く。トウカさんは宿で…」


刹那。


「ん…?」


細く何かが伸びるような音が微かに耳に触れる。

ふたりは同時に空を見上げ、そこに満開に咲いて光の花弁を散らす赤色の花を見た。

続いて低く這う気味の悪い音が西の空にこだまする。


「赤…信号?」


間違いなくタスクが作った合図———————緊急信号だった。

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