私はウォーカー
「誰かのために生きていたくはないな」
吐き捨てるように言う私は
誰かのために苦い薬を
飲み干してみたりした、みたりした
もう少しみんなが優しかったなら
息をしやすい世界だっただろうか
たらればばかりを考えて
私は歩いてる
ズキズキする足を引きずって
「心無い言葉が襲ったって
僕が君の盾になるよ」なんて、なんて。
そんな嘘だって
言って欲しかったな
「もう大丈夫だよ」って言って
抱きしめてほしかったのだ
私を守ってよナイト
そうやっていない誰かに縋ったって
「誰かのために生きてみたっていいかも」
そんなことを言う私は実は
誰より自分勝手だったりした
あの薬だって案外悪くなかった、なかったの
優しさばかりを武器にして
自分を肯定したくはないけど
それを失くした私なんて
好きになれないかも、なれないのかも
いつかの深い傷が、今も痛い傷が言うのだ
誰かの痛みに寄り添えるなら
愛しい傷に変わるようだ
「心無い言葉が襲ったって
私が君の手を握るよ」なんて、なんて。
そんな言葉だって
嘘にはならないよな
「もう大丈夫だよ」って言って
抱きしめてあげるから
私が君のナイト
なんてカッコつけて言う妄想ばかりして
ズキズキする足を引きずって
私は歩いてる
世界を歩いている