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遭遇

さて、なんやかんやの末、ようやく中に入った訳だが…


「予想はしてたけどすごい人だな。」


園内に鳴るBGM。それに多くの人の声。活気があるって言うんだろうな。


まぁ、休みの日で天気がいいならこうなるか。


「んで、まずは観覧車か?」


入り口であれだけ騒いでたんだからよっぽど乗りたいんだろうしな。


「何言ってるのよ。観覧車は夕方になってからよ。」


「そうですわ。この時間に乗っても意味がありませんわ。」


ってひどい剣幕で文句を言われた。


悪気があったわけじゃないんだけどな…。


「それじゃあどこから行く?二人はなんか乗りたいのあるか?」


「まずは、ジェットコースターよ。混む前に乗りたいから。」


「そうですわね。さぁ、真。行きますわよ。」


って手を引っ張らなくても歩けるって!


「椿!アンタだけずるいわよ!」


桜!お前もか!両腕を引かれると歩きにくいだろうが!


「二人とも手を離せ!普通に歩けるから!」


「嫌よ。」

「嫌ですわ。」


なんでそんなに息がピッタリなんだよ!


ってか今気付いた!


まわりからメッチャ見られてるし!


見せ物じゃないぞ!ってか見ないで!なんかものすごく恥ずかしいから!


「ほら、真。行くわよ。」


「そうですわ。ここに居ては早く来た意味がありませんわ。」


それに関しては同意見だ。だがそれと二人に手を引かれる意味がわからん。



結局、周りからの目と歩きにくさを天秤にかけた結果…


二人に手を引かれたまま俺は歩いていった。


無事かどうかはおいておいて…


とりあえずはジェットコースター前に着いた訳だ。


「既に並んでるな。」


開園で入った訳なのにジェットコースターは既に行列が出来ていた。


「まったく、真がグズグズしてるからよ。」


これはいちゃもんと考えていいのか?


グズグズしてたのは俺のせいじゃないぞ?


二人が腕を掴むせいで歩きにくかったんだ。


「まぁ、まだ少ない方ですわ。さぁ、早く並びますわよ。」


確かに並ばないと来た意味ないからな。


「真、私と椿。どっちの隣がいい?」


ん…あぁ、一列に二人で乗るのか。


さて、どっちとにするかか…。


「椿と桜が乗って俺が単独ってのは?」


あ、なんかすげ~睨まれた。しかも二人に。


「お姉さん、単独なんてもったいない。俺と一緒に乗ろうよ。」


ん・・・?一体だれだ?


「三人共きれいだから俺は誰でもだいかんげ・・・ま、真?」


「嵐か。」


見るとそいつは俺のよく知る見慣れた人物・・・嵐だった。


って、こいつがこんな所に一人でいるわけないよな・・・。


「嵐、なんでこんなタイミングでお前がここにいるのかは聞かん。誰が来てる?」


どうせ情報は純からなのはわかってんだ。一通り調べて盗聴器っぽいのは処分したんだけどな。


「来てるのは巴と会長だ。今は二人ともお花摘みに行ってるけど。」


ふむふむ。こいつにもこんな気の利いた言い回しができるんだな。


そしてその間に人に声をかけてこいつはどうするつもりだったんだ?万が一、億が一にでもうまくいったら・・・。


「それよりお前の連れは誰なんだよ。めっちゃ可愛いじゃないか。」


「一人は会ってるはずだぞ。偽者の時に。」


桜と椿は俺と嵐をじーっと見てるから顔はちゃんと認識してるはずだ。


「ああ。俺に不意打ちでわき腹に蹴りをしてきた子だよな。いいのをもらったからちゃんと覚えてる。で、もう一人の子は?」


なんでこいつの目がこんなにキラキラしてるのかは凄く気になるところだな。俺経由で紹介をとか考えてんのか?


「・・・しょうがない、こうなったら逃げられないか。二人とも、ちょっといいか?」


「構いませんけどそちらの方はどなたですの?」


椿はなんだか警戒してるな。まぁ、こんな不審者(嵐)がいたらそりゃ警戒もするか。


「まあまあ、そんな警戒するなって。こいつはそんなに怪しい・・・変な・・・」


あれ、嵐は怪しいし変なやつだよなぁ。


「真、なんでお前は言いよどんでんだ?」


「決まってるだろ。お前が怪しくて変でダメなやつだからだよ。」


俺の言葉を受けて若干落ち込んでる嵐。まあ、これは放置で。


「とりあえず、こいつは非常に不本意ながら俺の知り合いだ。連れが離れてる隙に誰彼かまわず声をかけるようなどうしようもないダメなやつだけどな。」


自分で言いながらこいつとどうして交友をもってるのか疑問になってくるな。


「そうなんですか。真のご友人なのですね。同じ日に同じ場所に来るなんて凄いですわね。」


確かにこれが『偶然』『偶々』なら凄いんだろうけど、事前に情報を仕入れて同じ日に来てるんだからな・・・。ある意味凄いけど。


「あ、居た居た。嵐とまこっちゃん。」


こうやって連れが知り合いと遭遇してるのにまったく驚きもしない人も居ることだし。


「ちょうどよく連れも合流したみたいだな。」


巴の後ろに麗さんもいるのがわかるしな。


「おう、巴。お前らが離れた隙に見知らぬ女性に声をかけるこの馬鹿をどうしたらいい?よかったら桜と椿の意見も聞かせてくれ。」


「まあ、嵐だしね。埋めとけばいいんじゃないかな?」

「赤井君ですから。病気みたいなものですし。」

「連れとは女性でしたのね。最低ですわ。」

「助けてもらった恩があるけどさすがにこれは擁護できないなぁ。」


はい、4人から否定的な意見頂きました。


「あれ、なんか酷くない?」


いや、自業自得だと思うぞ。





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