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放課後

はっきり言って午後の授業の事はあんまり覚えてない。


頭の中にはもうすぐ交換留学が終わるって事しかなかったからだ。


「真、ボーっとしてどうしたの?授業終わったわよ?」


声をかけられて前を見ると桜が立っていた。


「ん、ああ。そっか、もう終わりか。」


周りを見ると残ってるのは数名だけだ。


「いかがなさいました?上の空のようでしたけど?」


「いや、椿のドリルの貫通力を考えてた。」


「これは髪の毛でしてよ!あなたが考えているような事は出来ません!」



案の定怒られた。


「なぁ、二人共、いいか?」


悩んでても時間が巻戻る訳じゃないし…行動だな。


「なに?」

「なんですの?」


「二人共、今度の休みはなんか用事あるか?」


二人は鞄から手帳を取り出してペラペラとめくりだした。


椿はともかく、桜が手帳を持ってた事に驚いたってのは心の中にしまっておこう。


「私はなにも予定ないわよ?」


「私も何も入っていませんわ。」


二人共空いてるなら好都合か。


「だったら遊び行かないか?」


俺の言葉に二人は固まった。…なんでだ?


桜と椿が俺の顔をジッと見ていると


「「キャ~~~~~~~~~!!」」


って窓ガラスが震える程の高い悲鳴が廊下から響いて来た。


な、なんだぁ?耳が痛いぞ?


廊下に目を向けるとそこには大量の人…


「二人をお誘いしましたわ!」

「あの記事は本当だったんですね!」

「録音しましたか!?」

「動画でしっかりと!」


あちゃ~~~~。気付いたら教室内に俺達3人しか居ないし。


って後半の言葉は明らかに新聞部だよなぁ…。


「…帰ってから話そう。俺の部屋でいいか?」


俺の言葉に二人は頷く。


こんな状況じゃあまともに話せないしな…。


俺達は鞄を手にとると教室から外に出た。


出る時に野次馬からの質問には当然無視した。






「とりあえず入って適当に座ってくれ。飲み物持ってくから。」


玄関に入った俺は二人にそう言うと冷蔵庫の方に向かった。


中身は水とスポーツドリンク…それと缶コーヒーか。

こういう時は何を出したらいいんだろうな?


同じ女でもあいつなら大丈夫なんだよな。何飲むかなんとなくわかるし。


冷蔵庫を開けたまま2、3分悩んだ俺はとりあえず缶コーヒーを手に持って行った。


部屋に行くと二人は座って部屋の中をキョロキョロと見回していた。


「あんま見ても面白いもんは無いぞ?」


部屋の造りは寮内のどの部屋も同じなんだ。


その上俺は期間が決まってるからあんま荷物持ってきて無いしな。


「とりあえずコーヒーでいいか?こんなもんしか出せなくて悪いけど。」


二人の前に缶コーヒーを置いて俺は自分の分の口を開けて一口飲んだ。


「とりあえず学校でも聞いたんだけど二人とも予定は空いてるんだよな?」


「空いてるわ。」

「空いてましてよ。」


それならなんも問題はないな。


「じゃあ三人で遊び行きたいなって思うんだけど、どうだ?さっきは返事聞いてなかったからな。」


二人がもし返事してたとしても廊下からの悲鳴で聞こえなかっただろうし。


「勿論OKよ。」

「断る訳ありませんわ。」


なんか二人の目がキラキラ輝いてる。


「じゃあどこ行くか決めるか。ここら辺ってなんかいい所あるか?」


誘っておいてなんだけど、どこに行くかは全然決めてないんだよな。


誘ったの事態が突発だし。


「だったらユニランは?あそこなら遊ぶのに絶好じゃない?」


ユニラン…確か『ユニーズランド』の事だったな。


「いいですわね。遠くもないですし。」


確かに遠くないな。隣の市だから電車に乗って行けばすぐだし。


「最近行く機会が無かったから行きたかったのよ。」


「私も行ってませんでしたからいいですわよ。」


二人がチラッと俺を見る。


これはつまりはユニランで決定でいいかって確認だな。


「よし、じゃあユニランにするか。電車だから待ち合わせは駅でいいか?」


椿は家からだからその方が楽になるだろう。



こうして行き先はバッチリ決まった。


さて、楽しみだな。

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